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若年層でも要注意!腰の痛み

急性腰痛症とは世間一般では「ぎっくり腰」とも認知されています。
→ぎっくり腰の方が馴染みがあると思いますので、今回の解説では
「ぎっくり腰」で統一していきたいと思います。

この「ぎっくり腰」は、中高年の方に多いと思われていますが実は10代の若年層にも見られることもあります。
主に床に落ちたものを拾う時や腰をかがめた状態から体を起こした時、重量物を持ち上げた際などに多く出現します。
その他、学生アスリートではエラー動作でのスクワット、デッドリフトをした時などなど。。。
また、10代の学生アスリートでは、腰部の痛みで鑑別しなくてはならない疾患もあるので要注意となります。

近年ではこのコロナ渦で「マスクを着用する機会・時間」が激増したため、本症例が増えた印象があります。
でも、マスクをするようになってなぜ、腰痛が増えるのか疑問ですよね??
それらも含めて、解説していきたいと思います。

・ぎっくり腰(急性腰痛症)の分類


「ぎっくり腰」は「筋・筋膜性」のものや「椎間関節性」の損傷
があります。
症状は軽度のものでは前屈動作(ものを拾う動作)の際に痛み、可動域制限が見られます。痛みが強いものでは、立つ・座るなどの日常生活の動作制限、歩行制限、下肢のしびれるような放散痛がみられることもあります。


当院に受診されるぎっくり腰の方の特徴として下記のような方が多く見受けられます。

・股関節の可動域制限がある。
・下肢の筋肉の柔軟性低下が見られる。
・骨盤の後傾+胸椎の後弯などの姿勢不良。
・腹圧が入りにくい方に多い。


今のご自分に心当たりはありませんか??

ちなみに12ヶ月後の期間で患者の平均73%(66%〜84%)が再発を経験するとの結果が出てます。(腰痛診療ガイドライン2012 より引用)

急性腰痛症は安静にしていると数日から数週間で自然に治ることもあります。ただし、上記のように数日または短期間で痛みが消失してしまった方は
その後のご自身のカラダと向き合うことは少ないでしょう。
ぎっくり腰の再発を繰り返していくと徐々に腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなどの慢性腰痛に移行していく場合もあるので「痛みが引いたら治療終了」ではなく「再発防止」を目標としてご自身のカラダと向き合う時間も必要です。


・10代に起こる急性腰痛症では


また、10代の学生アスリートが腰を痛めた際は「腰椎分離症」も念頭に置きながらカウンセリングをすすめていきます。

みなさんは「腰椎分離症」と聞いてみなさんはどのような印象をお持ちでしょうか??
腰椎が分離する??なんだかただ事ではなさそうな印象ですよね。。

腰椎分離症とは、腰椎(腰の骨)の椎間関節部に起きるの疲労骨折(の一種)で亀裂が入ることがあり、進行すると椎体と椎弓が分離してしまい、画像所見上でも腰椎が2つに分離してしまう状態のことを言います。
椎間関節部は腰椎の弱い部分で、スポーツで生じるような繰り返しの負担や酷使の影響を最もうけやすい場所です。
スポーツを活発に行っている10歳代に起こりやすく、特定の方向への動作を繰り返すスポーツ(野球、サッカー、バレー、体操など)で発症しやすいと言われてます。
発症は成長期ですが、腰椎分離症に気づかず、大人になってから指摘されるケースもあり、場合によっては疲労骨折した部分がより離れてずれてしまう「腰椎すべり症」へと進行することもありますので、早期の発見・治療が必要です。
好発部位は下部腰椎に多く(第五腰椎>第四腰椎)、片側性に出現しやすいです。(稀に両側性の症例報告もあります)

・腰椎分離症の症状


主症状は腰痛
ですが、お尻や太ももにも痛みが出ることもあります。
腰を後ろに反らせたり、腰をひねったりすると痛みが誘発され、安静時は痛みがないこともあるため、発症に気づかないケースもあります。
※2週間以上痛みが続く場合は、腰椎分離症である可能性が高いと考えられます。
腰椎分離症を疑う重要な所見としては、骨折した腰椎棘突起(背中に出っ張った背骨部分)の圧痛が確認できます。

また、発症したことに気づかず・あるいは痛みを我慢して放置することによって高齢になってから痛みが出始めるケースもあり、分離した部分が神経を圧迫すると「坐骨神経痛」によって腰から下肢にかけて痛みとしびれが生じます。
※腰椎分離すべり症に進行すると、慢性的な腰痛や下肢のしびれなどが発生することが多く、運動障害・知覚障害・排泄の障害などの重篤な症状が現れる可能性があります。


・腰椎分離症の治療


腰椎分離症と診断されたらまず、スポーツ活動を中止しましょう。
本症例の治療は「患部の癒合」が一番に優先されます。

骨癒合の可能性がある場合は、数ヵ月間安静を保って骨癒合を待ちます。
初期の腰椎分離症では、癒合の目安がおよそ2〜3ヶ月、進行期になると3〜6ヶ月と言われています。その間はコルセットを装着し、患部に負担がかからないようにするしましょう。
腰痛は2〜3週間程度で軽快することが多いが下記の場合、手術による治療が検討されます。
・長期間痛みが続く場合。
・神経症状が出たりする場合。
・分離した腰椎がずれてすべり症に進行した場合。


当院の腰椎分離症の治療プランは初期~進行期と呼ばれるフェーズの際は、コルセットの着用にて患部の骨癒合を待ちつつ、下記のような患部外の介入をしていきます。
・下肢(特に股関節など)や上半身(胸椎など)の可動性の改善。
・下肢、体幹の筋力および筋持久力の向上
・スポーツ動作の修正・改善

これらの獲得によりスポーツの復帰までの道のりを短くし、分離症発症前よりも高い競技レベルへの復帰と再発防止を目指していきます。


・マスクが及ぼす呼吸とカラダへの影響


冒頭でも触れましたが、このコロナ渦で近年、マスクを着用する機会・時間が増えています。
その影響で、急性腰痛症が急増してきた印象があります。(当院でもお問い合わせが非常に増えております)
ご自身であったり、身近な人でもいらっしゃるのではないでしょうか??

なぜかと言うと、マスクの着用が多くなり日常的に「口呼吸」が優位になってしまっているためと当院では考察しております。
→※もちろんそれ以外の要素も十分に考えられますが。。。

人は、二種類の呼吸行っていると言われており、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」と呼ばれています。
わかりやすく説明すると、下記のように表せます。

→ ・「胸式呼吸」=「口呼吸」
 ・「腹式呼吸」=「鼻呼吸」

「腹式呼吸」=「鼻呼吸」のメリットはリラックス効果もありますが、下記のインナーマッスルが鍛えられる運動という点です。

・横隔膜
・多裂筋
・腹横筋
・内腹斜筋
・骨盤底筋群

これらの筋肉群が立体的に上方,側方,下方からコルセットのような安定性を脊柱に与えています。
「口呼吸」の頻度が増えることにより、この5つの筋肉の内、1つでも機能しなくなると、尿漏れ・腰痛・姿勢が悪くなる・お腹が出る等の症状が出てくる可能性があると言えます。


ここで思い返してみてください。
マスクをしている時、あなたは「鼻」と「口」のどちらで呼吸してますか?


大多数の方は、「口呼吸」になっているのではないでしょうか??
ちなみに、当院に「急性腰痛症」でお越しのクライアント様は、ほぼ全員この「口呼吸」を自覚しておりました。
上記のことから、本症例において「鼻呼吸」を意識的に行えるようになることで、発症や再発のリスクを軽減することができると言えます。


当院で行う「ぎっくり腰」の治療は、まず日常生活動作の確保として腰部(患部)の痛みと可動域の改善、意識的に呼吸法を改善しコアの筋肉の活性化を行っていきます。
主に立位時・座位でのカラダの重心の位置や姿勢を評価を行い、現状での運動パターンから徒手アプローチを行う部分を選択します。
症状の経過ごとに自宅でできる運動、ストレッチ指導を行い主訴の改善に努めます。
その後、再発予防プログラムにより定期的なトレーニングで状態維持に努めております。


当院では、「急性腰痛症」や「腰椎分離症」の症状を、クライアント様のカラダ全身を診て、日常姿勢の修正から症状の改善を目指しております。
そのために、必要な運動や日常生活でのカラダの使い方などをアドバイスいたします。
ご来院の際は、当院独自の治療メゾット「施術×トレーニング」でお身体の変化を実感してくださいませ♪


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