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ep.16 壊れた心で明日も生きていく話


先日、米津玄師さんの最新アルバムに収録されている『がらくた』という曲についてXで言及している方の文章が目に留まりました。
こちら現在公開中の映画『ラストマイル』の主題歌となっております。


あいにく その呟きはオススメに流れてきただけで、ブックマークなどしなかったため再度見つけられず、なんとなくのニュアンスになってしまって申し訳ないのですが、書きますね。




『がらくた』のサビの部分の歌詞がこちら

たとえばあなたがずっと壊れていても
二度と戻りはしなくても
構わないから 僕のそばで生きていてよ
どこかで失くしたものを 探しにいこう
どこにもなくっても
どこにもなかったねと 笑う二人はがらくた

米津玄師 『がらくた』サビより







これについて、呟いていた方の文章は



"1度精神的に体調を崩した人間は 二度と元には戻らない感覚があるから この歌詞の書き方が刺さる"



といった内容だったように思います。


私はアンナチュラルシリーズ未履修のため、映画の作品ではなく、米津玄師さんが個人的に好きなため新曲でた〜くらいの気持ちで聴いたのですが、初めて聴いた時ここの歌詞がとても心にきました。
心でも身体でも、自分の中の何かが壊れてしまって、元に戻らない現実を抱えながら絶望しかけた時に、それでも構わないからそばで生きていて欲しいと言ってくれる存在がいたらとても救われますよね。
米津さんの言い当て具合、至高です。





私も今でこそ元気ですが、新卒半年で適応障害で休職した経験があるので何となくその方の呟きの意味が分かるというか、そういうのって、1回潰れたことがある人だからこそ分かる、みたいなのあるな、と。
仕事頑張りたい!この先結婚したり子供を産んだりしてもすぐ仕事復帰してバリバリ働きたい!と入社当初こそ思っていたし、内定者代表として内定式で同期たちの前でスピーチをした際は、ここで顔を売って後々のキャリアに繋げたい、なんて馬鹿げたことを本気で思っていたことが今となっては恥ずかしいくらいです。



暗い話になるので休職した時の話はざっくりとしかしませんが、休職する前と後での私の仕事に対しての向上心、理想像が大きく変わったことは事実です。
新卒半年、ある朝起き上がれなくなってそのまま数ヶ月休職。異動、という形で新しい環境で復職してからは何とか持ち直し、去年婚約直前に体調を崩し再度数ヶ月休職してしまいましたが、結婚して正社員を辞めてからは何とか毎日働けています。


ただその "何とか毎日働けている" という表現がそもそも
昔の私には理解できなかったというか、少し過激な言い方ですが当時の自分は 正社員で働くことを当然だと思っていたし、結婚して正社員を辞める という選択なんて全然なかったのに、休職を経験してからは180度考えが変わってしまったというか、変わらざるを得なかった感じがしています。


休職をして、もう、キラキラした自分とは永遠にさようならをしたような感覚は今もずっと心の奥底にいます。


何においても言えることですが、


1度壊れたものは直すことは出来るかもしれないけれど、壊れる前に完全に戻ることはない



将来に希望を持って働いていたのに、ある日突然精神的に地獄へ突き落とされる、当時の私はもうこれで社会の昇進ルートから完全に外れた、と絶望したのを覚えています。そして諦めるしかなかった。



他の人は出来ていることが、自分には出来ない、これはただの弱さであって、休むのは甘えだ、そんな風に自分を責めてしまうような日々でしたし、こんなはずじゃなかった と思い始めたら止まらないですが、こんなはずじゃなくてもこうなってしまったから、もう今の状況からの道筋を探すしかないんです。




でも




壊れたものは完全に元には戻らないけれど、時に、別の形に変えると意外と使えたりすることがある。




元気になった今でも、よく自分に言い聞かせています。




仕事に行けなくなったあの日から4年、新入社員で入社した頃の私が思い描いているような私には一切なれていないけれど、それでも何とかやっているし、絶望しても何とか別の場所に這い上がってそこで下手くそなりに息をしている。




逆境こそ愛せるくらいの強い心は持ち合わせていなかったし、私はこれからもきっと強くはなれないけれど、壊れたことがある絆創膏付きのような心で、明日も強く息をするし、仕事に行こうと思います。








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