ep.15 好きなものを好きと声に出して言いたい話
大人になると"大人でいないといけない場面"が日々の生活の中で何度も訪れると思います。時と場合があるため、もちろんそれは理解した上ですが、なんて言うか、自分の好きなものを好きだと声に出して言うことが出来にくくなるような感覚。特に、小さい頃に好きだったものを大人になったら卒業する、みたいな暗黙のルールみたいなもの、あれ何なんでしょう。
別に誰が言ったわけでもないけれど、ぬいぐるみ遊びは小さい子の遊び、とか、ミニスカートは若い時に履くもの、とか、そういう感じです。
私はぬいぐるみがとても好きで、人間と話すのと同じ感覚でぬいぐるみにも普通に話しかけるし、一緒にお出かけするし、仕事に行くのが不安な時はカバンに潜ませて一緒に出勤もしていました。
でも、大人になってからぬいぐるみを外で持ち歩いている人ってちょっと稀有な目で見られるみたいなやつあるじゃないですか、小さい子が抱っこしながら歩いていると「可愛い〜!」だけれど、例えば極端な話、5.60代くらいのおじさんやおばさんが抱っこしていたら、「!?」となる人が多いんじゃないでしょうか。
なぜ……!
好きなものは好きなままでいたいし、好きなことに変わりは無いのですが、ぬいぐるみが好きで持ち歩いていると、時々笑われたり、「どうした?笑」なんて言われたりして理解されなかったりすることがあります。
(旦那も最初お付き合いを始めた頃は、ぬいぐるみ遊びって……笑 みたいな感じでデートについてくるぬいぐるみをしれっとした顔をして見ていましたが、同棲を始めて、自分用のぬいぐるみが与えられたら嬉しかったらしく、今では私と同じ家族の感覚でぬいぐるみに話しかけたり可愛がってくれるようになりました。やったね)
私は大人になってもぬいぐるみを持ち歩きたいし、ミニスカートを履きたいし、行く先で着ぐるみがいたら抱きつきに行きたいし、風船を配っていたら貰いたい。
自分の好きなものを好きだと堂々と声に出せる強さが欲しいけれど、まだ私にはその強さや勇気が足りない。
また、年齢を重ねるごとに色々なことを経験して、知って、場に合わせて、ここではちゃんと "大人" でいなくちゃいけないんだというのが分かるようになったことで、より子供心を表に出すことが出来にくくなったのかもしれません。
経験や知識が増えるのと比例して、その "大人でいなくちゃいけない時間" がどんどん増えていって、気づけば子供心を持っている時間より、大人である時間の方が長くなった、と個人的に思っています。
ここまで言っておいてあれですが、ミニスカートについては、最近可愛いものが多くて……躊躇していましたが、旦那の「全然いけるよ」の優しい後押しで、つい先日数枚買ってしまいました。
とはいえ、何となく周囲に対して「アラサーがミニスカなんてごめんなさい」と申し訳なくなる感覚は抜けきらず、履く時にいつも
「もう27歳なのにな……」
と心の中で呟いてしまいます。
別に27歳はミニスカート履いちゃダメなんて法律もないし、誰かに嫌なことを言われたわけではないのに、最近、年齢を理由に物事を諦めそうになる、ないしは、諦めてしまうことが増えてきました。
ただ、心が踊るものを身に纏う、自分が好きなものを持ち歩くといつもよりちょっと自分を好きになれるような気がしませんか?
そしてそれを周りの目を気にせずに堂々と好きだと言える人はとてもカッコイイな、と思います。
私も周りの目を気にせずに好きなものを好きだと言って、堂々とできる、そんな人になりたいし、ぬいぐるみはこれからもずっと可愛いです。
そして明日は今までより少し胸を張ってミニスカートでお外に出ようと思います。そうしたら今日よりも自分のことを好きになれそうな気がするので。