【賃貸トラブル】「総括」バージョン①~顧客は誰か~
私は元看護師で、現在はおっさんですが、事務職の卵としてExcelやWordを一日中叩いています。しかし、元の看護業界には長く勤め、精通しております。
そんな長い経験の中で、今回の事件を俯瞰しますと、失礼ながら、賃貸仲介業や建物管理業の倫理観のようなものが非常に薄いような感じを受けました。
もちろん過去に医療業界でも、福祉業界でも、だんだんと業界内で都合の悪いことの揉み消しができなくなり、医療裁判などを起こされ、結果、責任を企業(病院)側が取ることが多くなって来た歴史があります。
この訴訟対策の延長が、結局のところ「ミスをミスとして認める」という単純(当たり前)な行動変化になり、現在では「より顧客に誠実になる」というところに行き着いたように思います。
これは、一昔前の「患者様」という誤った呼び方へのこだわりや、ホスピタリティーという表面的な部分ではなく、もっと深い「そうしなければ業界自身が傾くような」切実な問題への解答だったと思います。
ところが、医療や福祉以上に、一般社会の只中とも言える賃貸仲介業や建物管理業が、未だに今回のような不誠実な仕事や、責任逃れ、顧客への責任転換を平気でするような体質があることに、正直驚きを隠せません。まるで白い巨塔の頃の医療業界を見ているかのようでした。
また、仮にも大企業風の電話応対や、さも複数の部署があるかのごとき対応の裏に、名刺さえ渡せない外注のクレーム処理班を差し向けた挙げ句に、肝心の害虫駆除業者への連絡忘れという三流以下の仕事振り。
いや、営業の手口に関しては、卑劣とさえ言って差し支えないでしょう。
ただ、この賃貸仲介会社が関西地区において、大いに躍進しているのは事実で、財政破綻が懸念されているこの市内においても、他社が忍び足で逃げ始める中、強気の出店でシェアを急速に取りに行くという賭けは、私自身嫌いではありません。
ただし、病院経営にもありがちな、急激な多病院開設によるスタッフの質の低下にも似た今回の事件は、ムカデ🐛の大量発生が引き金とはいえ、結局は人間のミス(または倫理観なき仕事)から始まっていると確信しています。
この市は、依存し過ぎた観光産業の急速な衰退と、いよいよ迫った財政破綻の中で、もしかすると同市が明治初期の頃に経験したような、人口流出が始まる可能性があります。
そんな中でもし、今回の賃貸仲介会社や建物管理会社が圧倒的シェアを取っていた時、果たしてその物件に住んでいる人間、それはこの市に住んでいる人間が、この市を愛せるかどうか?
大袈裟と思われるかもしれませんが、行政サービスの低下に民間サービスの低下が上乗せされた場合、もしかすると本当に大袈裟なことではなく、人口流出の引き金を引くことになるかもしれないのです。そうなる前にこの会社には、しっかりとした人材教育と間違いないマニュアルの作成を望みたいところですが、私達看護師のように、彼らには倫理教育の時間は取られているのでしょうか?
私達看護師は、顧客を患者に持ちつつ、評価者や指示者に病院や医師を持ちます。では、どちらを真の顧客に持つのかは、看護師によって違う?
いや、そうではない、看護学校(専門でも大学でも)で「常に患者の側に立つ」と教えられているはずです。これはすなわち、私達の真の顧客の存在を明らかにしていることに他なりません。
彼ら賃貸仲介会社や建物管理会社の社員も、来店顧客と物件オーナーと言う両面の顧客を持つ職業です。
利益が相反した場合、果たしてどちらを顧客と見るのでしょうか?
今回の事件に関しても、相談に乗って頂いた宅建資格を持つ看護師に、このあたりの話しを聞いてみました。
すると彼曰く、「宅建資格取得にあたって、倫理教育なんて受けないし、そんなことは考えないん違う?」と…💧
なるほどそうですか💦だとしても、(単価の高い?)物件オーナー側にべったりな営業体質が、本当に会社の為になるとは思えないのですが?
近年では、SNSなどを使って個人でさえ社会に強い影響を及ぼせる時代です。
もちろん、来店顧客の側に付けとは言ってませんが、せめて両者の中ではっきり中立的な意見を言える才覚(この場合は両者からの信頼が必須)が求められるでしょう。
医療・福祉業界と同じく、どの業界においても、全ての顧客は既に完全な弱者ではなく、近年のIT化により「情報に精通した発信力ある立場」に立っているのです。もはや片方の顧客だけを大切にすれば良い時代は、過ぎ去ったのかもしれません。
偉そうに言って、私も看護師の頃にそんなことが出来ていたかわかりませんが、少なくとも看護学生時代に教えられた、「常に患者の側に立つ」は守って来た自信があります。その証拠に出世していません(笑)。
まあ、もしかすると、この老兵もどこかで顧客(両面的な意味)が呼んでくださるのであれば、再び看護師に戻ることもあるかも知れませんが、その時にはまた、今回の経験が危機対応力や人物眼になり、多少でも巡り巡って社会のお役に立てればと願ってやみません。
~終わり~
今回で賃貸トラブル、検証シリーズは最後となりました。長らくお付き合い頂き、本当にありがとうございました。ようやくこれで、あの忌まわしい契約との長き戦いが終わったように思います。読者の皆様には、本当に感謝しております。
きつたん m(_ _)m
※「総括」には、別バージョンがございます。よろしければ、バージョン②もご一読ください。