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「白き輪郭-地図」 / 時と歳
青写真は無い。僕と僕が永遠に相容れない日。そういう日があると初めて知る年齢。でもなぜなんだろうか。描き切れる自信もある年齢。君と話す時は、痛い衝動と共にその快感を感じる。恥と恥を繋いで、縫い合わせたぬいぐるみが君の心になって、それに救われる。照らされ、眠らされ、生かされる。でも近づきすぎると、溶けてしまいそうで、直視することすら億劫。進むべき方角は分からないけれど、備蓄はまだある。まだ、大丈夫。
「青と海-航海」 / 時と歳
扇風機にあたって、タイムワープのように想像の海を漂う。雲の合間を縫う。君の脳のうねりを越えて、尾根のように船を揺らす波に応える。君の記憶に僕を移して映す。そういう妄想をする年齢。君と話す時は、拙い語彙で自身の気持ちを表現し、話しながら理解して、後悔する。そういう年齢。入道雲を見て、自分がそういう年齢であることを無意識に疑わない年齢。
「氷の日 2023年1月26日」
内省
自分の存在証明とかいう言葉じゃなく
ただ、愛されたいと、無数の人を見て
自分の性、運命を確認する時間
きっと僕はもうこの壁を壊せないのかな
いや、壁というより鉄格子かもしれない
冷気が自分の半径数mmに充満して
息が詰まるように白に浮く
僕達はもう同じ道を辿えやしない
隣を歩くことすらできない
景色の無い暗い道程で
遮るものは何も無いのに
お互いを認識できない
僕達はもう心を向き合えや
「PERFECT BLUE」 Base Ball Bear について
青は貴重な季節で、
彼もまたそれに魅せられている
そんな透き通った季節には
君という一滴の濁りがあって
それは同時に彼に輝きを与えた
ここに至るまで
彼は彼女に魅せられ、
死の雰囲気を纏うその身体に見蕩れた
死の雰囲気は次第に濃くなり、
ついに剥がれぬものとなった頃
夏は体を乗り出してきた
彼は、
「むき出しの太陽に口づけしようと
あの夏の日に翔んだ君」に
「凛とした青い空に溶けてしまった