#004 師匠の成長
「どの子にも絶対にいいところがある」
私たちはこのことを強く信じています。子どもたちのいいところを見つけたとき、私たちは宝物を見つけたような気持ちになるのです。私たちが日々出会う放課後ならではの子どもの成長物語。その一部をご紹介いたします。
3年生のM君はLaQ(ラキュー)やレゴなどの工作をすることも、ドッジボールで身体を動かすことも大好きな活発な男の子。しかし、すぐにカッとなってしまい、トラブルになってしまうことも多い子でした。
その日は1年生の男の子といつものようにLaQをしていました。1年生の男の子がスタッフに「先生見て!すごいでしょ!」と自分が作ったサソリを誇らしげに見せてくれました。スタッフも「すごいね!とても上手だね!」と答えます。
するとM君が「全然似てないよ。うまくない」と一言。
〝またまたそんなこと言って~〟という思いを込めて、スタッフはM君の背中を優しくトントンとします。
するとM君は「あ、でもシッポは似てるね!」と1年生の男の子に言いました。言われた男の子もちょっぴり嬉しそうにしながらまたLaQを作り始めました。
先生からのトントンで気づけるようになったM君。そんなM君の優しさに心があたたかくなるエピソードでした。
M君は今、ものづくりにおいて他の1年生の男の子からも厚い尊敬を受け〝師匠〟と呼ばれています。彼の成長が楽しみです。
出典『子どもたちの物語 エピソード2 師匠の成長』