台風と気功 〜木曜の教室から
この日は台風が来ていましたが、京都は風もなく、小雨から晴れに。
さまざまに話が広がりました。
2024.8/29 天野泰司 (NPO法人運営責任者)
台風と気功
台風が来るとなると、からだに反応する処がある。
胸椎10番に違和感が生じると、こちらへ来る可能性大。
24節ある背骨の中で、胸椎10番は、腎臓の系統。
台風は低気圧なので、腎臓が影響を受けやすい。
気圧や湿度の影響で、軽い高山病のようになり、
呼吸がしにくく、
ふらふらしたり、頭が混濁しやすい。
体はそれを事前に察知して対応し、血液の質を変えていこうとする。
その重要な器官が腎臓。腎臓は血液を濾過する非常に優秀なフィルター、
入ってきた血液の成分をチェックして、不要なものを排泄する。
足りないものがあれば、体の各部署に指令を出して、例えば心臓の鼓動や、呼吸量を増やして、活発に動ける状態にする。
こんなどよんとした時は、まず体を動かしていくとよい。
じっとしているより、手足がすっと伸びるように、楽に動くとよい。そして、腎臓、頚椎2番左右のてあてを。「梅雨の養生」で紹介している。
実習・立って動く
・・参考 肩の荷がおりる気功
まず、ゆるむところから
動いているうちに、だんだんに体がゆるんで、スッキリしていく。
これは一般的な筋肉を使う運動では得られない感覚、気功の面白さであり、特徴でもある。
筋肉を緊張させることとは逆に、まずゆるむことから始まる。
身体中の筋肉が緊張していては動けない。身体は、はじめに緩んでいないと動き始めることができない。
ふたりの野口
初めの大きな腕回しは、「野口体操」の方法。
ゆるんでいる筋肉が多いほど、動いていける可能性が大きくなる。筋肉運動として回すと、力が入ることでブレーキがかかってうまく回せない。
やっているうちに、まず力を抜けばいいんだ、と自然にわかってくる。
気づいていない緊張まで含めて、緊張している場所は動けない。
先にゆるませておくと、あらゆる動きが可能になる。
「野口体操」を作った野口三千三さんは、からだと言葉を追求し、味わいのある言葉に落とし込んでいった。
「整体」を作った野口晴哉さんと三千三さんは、日本の体育の大きな柱。ほとんどの人が知っていてよいくらい。晴哉先生は、気を集めて整えることを極めた。
一般的なからだの概念とは違って、筋肉を鍛えるほど体力が伸びていくという方向でなく、潜在的な能力を発揮していける方向に。
私もみんなにそれを、わかりやすく伝えていきたいと常に考えている。
気づくと変わる
違和感のある部分に気づくと、それだけで解決がもう始まっている。
痛み、痒み、いつも気になる処、こと。
例えばいつも腰が痛い、頭が痛い。
「いつも」気になっている、ということは、解消されてないということ。
それにもっと深く入っていく。
腰のどこが痛いのか。腰以外の違和感はどこにあるのか。
「私はいつもこうだ」と、絵や写真のように、その状態を思い描いて植えつけてしまっているようなもの。
そうやって無意識に、自分にかけている催眠術は多い。
人にかけているものもある。
例えば、子どもに「がんばりなさいよ」と言うこと自体、「がんばらないとできない」「出来がよくない」という呪文。
無意識にどう伝わるかが、いちばん、からだに影響する。
悩んでいる、ということを手放し、そこから離れる。
そうして細かく、体を観察していく。
たとえば、「腰が痛いと思っていたけれど、膝かな」と気づいて、膝に集中していると腰痛も変わったりする。
頭が重い、いつも眠い。そのはずなんだけれど、意外と腎臓だったり。
いつもかゆい、けれどもほんとうは肝臓に原因があったり。
より深い違和感に気づくことで、からだは自ら素直に変わる。
変えようとするのではなく、自ら変わることが大切。
深い違和感が消えていくように、気を集めることで変化する。
気になっていることから、意識をずらしていく。
「ここがダメだ」と思っているとそうなりやすい、そこから意識を離す。
縛っていたものが抜けていく。
誰もみな、溌剌と生きていく力を持っている。
つかえる原因の大部分は心の状態。
それを作っているのが、からだの微細な緊張。
ほどいていこう。