だから学力が伸びない!
「考え方を変える」
「何故学力が伸びないのか?」と悩む子ども、保護者は多い筈。学力の伸びない子の理由は実に明白です。学ぶ側に学ぼうとする意識がないか、実際に学んでいないというのが一番大きな理由です。また、保護者側でも、「どうせ勉強をしてもこの子は無理」と諦めているケースも決して珍しくありません。こうして、学ぶ意識のない子、諦めムードの家庭的雰囲気、しかし、人はそれでも勉強が出来る自分、できる我が子を心の底では望んでいます。
できる子を見て、何故自分はできないのだろうと考える事は、自分の能力を信じていない証拠です。できる子は、生活や学習法が先ず違います。そして、家庭環境も違います。このような歴然とした差をどの様に埋めるかを考えるべきです。ところが「三日坊主」というように、習慣付けすることはとても難しい事です。初めから無理難題を自分に課すことになり、その重荷で挫折してしまいます。私は、習慣化していた喫煙をある日を境にやめました。これは、学習を習慣付けしようとすることから見ればまるで正反対のことです。課したことはただ一つ、「無理をせず、吸いたくなったら吸えばいい」だけでした。
すると、「ここまで我慢ができたのだから」という気持ちが次第に強くなっていきました。1週間もすると、「もったいない」と変化します。「今までの苦労は何だったのか、でも吸いたくなったら吸えばい
い。」この逆の発想が心を穏やかにさせました。こうしてすんなり禁煙から断煙へと進む事ができました。
習慣付けすることも、習慣を絶つことも難しいものです。学習の習慣化も同じことです。決して無理をしてはいけません。また、学力は学ぶ事で得られる力です。ですから、人には、平等に学ぶ力を持っているのです。与えられていないものがあるとすれば、それは、学ぶ人、つまり本人が持つ学ぼうとする意識です。人から言われてする学習は楽しくありません。「我苦習」となり「楽習」ではありません。学習は、本来自分から進んで行うものです。これは社会に出ると痛感します。
家庭でも、子ども達の学習環境を整えてあげる必要があるでしょう。親として、子どもに対ししてあげられることは限られています。最も大切なことは、親の姿勢を見せる事ではないでしょうか。親になると、ことばでは指示や命令語の多用、そして、次第に多くなる疑問符「宿題はしたの?」等、誰に習ったわけでもないことばの数々を発します。「五殺」ということばがあります。ことばは時に凶器と化し、何気なく言ったことばでも、相手の心を傷つけます。それが子どもであっても同じです。「和顔愛語」優しい笑顔と優しいことば、それがどれだけ子どもの心を支え、勇気づけることか。
学習は毎日行うものです。この様に言うと皆さん尻込みされます。しかし、新聞を読み、ニュースを見聞きすること自体が学習なのだとゥ言うことを忘れないでください。会話も学習です。新しく知ること、尋ねること、話を聞いてあげる事、これら全てが学習です。それを、机上に置き換えれば自学自習となります。毎日、必ず机の前に座りましょう。まずは、机の前に座ることの習慣付けから始めましょう。出来る事から始めるのが一番です。
2013/2/26
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫