![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161898545/rectangle_large_type_2_b93571badfe9a31f0d224555b5f85e40.jpeg?width=1200)
算数学習に適した言語
「単純に表すことが…」
ウオールストリートジャーナル9月16日に、実に興味深い記事が載っていました。「算数習得するのに最適な言語は何か」という題目の記事です。以前から、我が国の「掛け算九九」は言語性を存分に活かした大発明だと思っていました。また、十進数の理解も、数詞など日本語の特性を活かした表現です。記事の冒頭には、
「英語と比較して、中国語、日本語、韓国語、トルコ語では、数字を表す言葉が単純で、数学的概念もより明確に表現される。それによって幼い子どもが数を数えたり、算数をしたりするのがより簡単になるということが研究で示された」と記されています。では実際に言葉で比較してみましょう。
■1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・20
■いち。に・さん・し・ご・ろく・しち・はち・く・じゅう・じゅういち・にじゅう
■One, two, three, four, five, six, seven, eight, nine, ten, eleven,twenty
■一、二、三、四、五、六、七、八。九、十、十一
上から、数字、日本語(平仮名)、英語、中国語表記です。これでお解りの通り、言語と数の意味が重なるのが日本語や中国語です。この表現は数の十進構造を明確に表しています。時折、帰国子女や、幼い頃から英語を学び、インターナショナルスクールに通った子が、基本的計算力や基本的読み書き能力でとても苦しんだ事があると聞いたことがあります。本文にもありますが、「17」日本語では「じゅうなな」、英語では「セブンティーン」です。そのまま数字に直すと、日本語では「17」ですが、英語では「71」となってしまいます。「70」も同じです。こうして分析をしていくと、英語で表す数詞の多さに驚いてしまいます。
この報告は、幼児期の数学習についても触れられています。年長からの義務教育実施が現実味を帯びてきた今だからこそ、こうした基礎教育の重要性についての裏付けが大切になります。子ども達が学習する計算も、言葉の持つ意味は大きく、数の構造を言葉で表現できる言語文化は素晴らしいと思います。世界中で、幼児期からの数指導についての研究が盛んですが、そこに立ちはだかる言語の壁は予想以上に大きく、幾つものハードルを越える必要があるようです。
今、石川教育研究所で行われている数指導は、水道方式という指導法に基づいていますが、幼児教育の実践を通じ独自に進化してきました。それは、何の変哲もない数表にも表れています。十進構造を活かした表は、それだけで数の仕組みを表しています。また、タイル指導も当初の「チョコレートタイル」から大きく進化しています。幼児教育という、子ども達が初めて出会う基礎学習を追求してきたお陰だと思っています。この報告を読み、大いに勇気づけられました。
日本語の特性を活かした数指導、また、数遊びの重要性を強く感じます。親子が数に関する遊びを行う事で子どもの能力(数的能力)は格段に上がるという報告があります。これも、この報告の重要な部分です。親子間のコミュニケーション不足は、子どもの学習能力に直結します。親子間の遊びに関しては、当研究所の課題でもあります。
この報告にある言語性をふんだんに活かした学習、そして、教材は当研究所に於いて「タイルさんすう」という教材に活かされています。数詞という言葉の扱い方に工夫が凝らされています。ウオールストリートジャーナルの記事を読み、気付かれた方がいました。嬉しい限りです。「タイルさんすう」も続編である「引き算編」の作成が進行中です。機会があれば是非、この記事をお読み下さい。
2014/9/24
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
![](https://assets.st-note.com/img/1731633617-kGY2q7gjLweRsWKJ3ENPhOv5.jpg?width=1200)
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
内容は公式HPへ
相談やお問い合わせ、無料体験教室の申し込みなど最新情報も受け取れる公式LINEアカウントも開設致しました!
ぜひお友だち登録して下さい。