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なるほどクラック vol.7 〜自走支援モデル「学ぶ」①〜

CLACKの活動についてご紹介する「なるほどクラック」

今回は、CLACKの自走支援モデルStep 2:「学ぶ」プログラミング学習支援について綴ります。


前回までの振り返り

ここまでの「なるほどクラック」の中で、経済的・環境的に困難を抱える中高生を支援する上では、以下の3つのことを満たしていることが重要と綴りました。

①中高生自身がその支援を利用したいと思えること
②3つの不足(機会、関係性、知識)を補えること
③社会で求められるスキルを身につけ、お金を稼ぐことができるようになれること

この3つを満たすための、CLACKの「自走支援モデル」がこちらです。

前回の記事ではこの3つのSTEPのうち、「出会う」についてご紹介しました。今回は、Step2「学ぶ」について紹介します。

なお、Step2、Step3の活動については、対象を高校生に限定しています。理由として、
・将来の選択をする時期がより近い
・高校生は義務教育課程を終えており、行政や民間の支援から漏れがち

ということが理由に挙げられます。

本格的にプログラミングを学ぶ!プログラミング学習支援

STEP 2で行うのは、CLACKのメインの活動であるプログラミング学習支援・キャリア教育教室「Tech Runway」「Tech Runway+」です。

Tech Runwayでは、高校生が3か月間×週2回の教室に通い、大学生メンターや社会人エンジニアから教わりながら、プログラミングを学んでいきます。(一部オンライン授業も併用)

プロゲートというオンラインの学習教材や、自分のパソコン上で作ったプログラムを動かしてもらいながら、「自分で」コードを書けるようになることを目標にしています。

そして、3か月間という期間の中で、高校生は伴走支援を受けながら、オリジナルのWebサイトやアプリ等をつくりあげます。

生徒の作品例:Webサイト
生徒の作品例:ゲームアプリ

参加対象の高校生

Tech Runwayには、高校生年代で「プログラミングを学んでみたい」という気持ちがあれば誰でも参加申し込みをすることができますが、教室の定員があるため、困難を抱える高校生を優先的に受け入れています。

例えば、生活困窮家庭、ひとり親家庭、ヤングケアラーなどの現在貧困状態にある高校生や、不登校やいじめを受けた経験がある、発達障害と診断されている、海外にルーツがあるなど、現在の状況が将来の貧困につながる可能性が高い高校生などです。

また、3か月間のタームをやりきって自信につなげてもらうため、体験会への参加、、認知能力テスト(プログラミング学習ができる最低限の認知能力があるか)、個別面談などを行い、本人と事業とのミスマッチが起きないようにしています。

3つの不足(機会、関係性、知識)を補う

では、プログラミング学習支援によって、CLACKは何を目指しているのか。

vol.5では、困難を抱える高校生が自立するためには、図のように機会・関係性・知識の3つの不足を補う必要があると綴りました。

CLACKのプログラミング学習支援で、この3つをどう補っていこうとしているのか、①機会 ②知識 ③関係性 の順に書いてみます。

①機会
CLACKの提供するTech Runway、Tech Runway +という機会と、必要に応じて様々な情報を生徒に提供することで補うことができると思っています。

②知識
プログラミング、ITに関する知識はもちろんですが、キャリア教育を通して、進路やお金、生活に関する知識を講師陣と一緒に学んでいきます。キャリア教育については、次回の「なるほどクラック」で詳しくご紹介します。

③関係性
関係性を築いていく上で、プログラミング学習をしている間は会話がなくても、誰かが同じ空間にいる、ということは大きな役割を果たしています。

コミュニケーションが得意でない生徒でも、パソコンに向かい、他のみんなと同じ体験を積み重ねていくことで徐々に打ち解けていくこともあります。また、自然と生まれる会話以外にも、意図的に会話をする時間を取っています。

※コミュニケーションの例
◼️教室内での仕組み
毎回教室の最初と最後にチェックイン/チェックアウトという時間を取り、 ・今日の気分  
・最近のグッドエピソード  
・今日の目標 などのテーマに沿って、少人数のグループで会話をしています。
◼️学習時間以外の関わり
帰り道に駅まで講師と生徒が一緒に行きながらプログラミング以外の話もしたり、休憩時間には雑談を交わします。
◼️個人面談
プログラミングの進捗についてだけでなく、一人ひとりの家庭状況や学校、バイト先での悩みについて聞いたり、進路相談にのったりします。

こうしたコミュニケーションを積み重ねていくことで、生徒が本音で相談でき、困ったときに頼ろうと思える関係性を築いていくことを講師陣の目標としています。

一番近くで伴走する大学生メンター

Tech Runwayで高校生に一番身近で伴走するのは大学生メンターです。
大学生メンターは「困難を抱える高校生の人生が変わるきっかけをつくり、質の高い支援を実現する」ということをめざして伴走します。
その実現のために、CLACKメンバーが大学生に向けて、ITスキル、コミュニケーション、リーダーシップなどについてしっかりとした研修も実施しています。

教室の中で高校生に伴走するのはもちろんですが、高校生にとって少し先の未来の姿である大学生自身が、高校生のロールモデルになってほしいと思っています。

「お金が理由で学びを諦める」ことがないための仕組み

支援があることを知ったとしても、参加するのにお金がかかったり、通う上での交通費がかかると「自分には関係ないな」となってしまうことも少なくありません。

そのため、Tech Runwayでは授業料・教材費が無料であるだけでなく、パソコンを持っていない生徒には無料で貸与しています。さらに、最後まで通い切った生徒には、継続して学習ができるよう、終了時にそのまま寄贈しています。また、教室に通う上で必要な往復の交通費も支給していて、極力「お金が理由で学べない」という状況にならないような仕組みにしています。

ちなみに生徒に支給するPCは、企業で使わなくなった使用済みパソコンをCLACKが譲り受け、PCリユース専門業者のパートナー企業によってデータ消去がされたあと、高校生に届けられています。

PC寄贈プロジェクト「パス・ザ・バトン」についてはこちら

「プログラミングを学び続けたい」生徒には

また、3か月間の教室を終えたあと、もっとプログラミングを学びたい高校生のために、「Tech Runway +」という活動も行っています。
こちらはより専門的なスキルを学ぶための教室です。3か月間ごとのターム区切りはありますが、高校卒業まで何タームでも継続して学ぶことができます。

Tech RunwayとTech Runway+の違い


まとめと次回予告

今回の記事では、プログラミング学習支援の活動やそれによって身につけて欲しいことについてご紹介しました。

次回vol.8では、「Tech Runway」で学べるもう一つの柱「キャリア教育」について綴ります。

中高生をサポートする活動を「応援したい!」と思った方は、ぜひマンスリーサポーターになって頂けると本当に嬉しいです。

より多くの中高生に機会を提供していくための交通費やPC購入、講師謝金などに使わせていただきます。

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