6月10日/2023
いつもの出勤時間と同じ時刻の横須賀線の電車に乗っている。梅雨の合間のどんより空。でも雨は降っていない。この貴重な一日も無駄にしたくない。たとえ今日は土曜日だとしても。でも、やっぱり人混みはいや。そういうことで今日は横須賀の鷹取山を目指す。秦野の弘法山でもいいんだけど、弘法山はあまりに行き過ぎ。ということで昨年の夏以来の鷹取山に行くことにした。サクッと行って、人混みが激しくならないうちに帰ってこよう。横浜から数駅で鎌倉。週末の電車。乗客はほとんどいなくなる。週末だけどまだこの時間はのんびりしてていい感じだな。鎌倉から逗子へと電車は進む。逗子で車両が切り離されて前4両は逗子止まり。一番前の車両に座っていたから、ここで後ろの車両に移動しなくちゃいけない。リュック持って後ろの車両へ。なんだか都会の電車ではあんまりすることのない経験。無事に車両移動も済んで間もなく電車は動き出す。次の東逗子駅で降りる。この駅からちょっと街を歩いて登山口へと向かうことになる。駅前の踏切を渡って、しばらくアスファルトの坂道を歩く。今日も歩き始め、なんだかだるいな。まあ、これはいつものこと。しかしこの辺は駅降りてすぐなのに緑が濃いな。緑が街に迫っているというより、森の中に家が点在しているというか。街が緑に取り込まれそうな勢いだ。曇天の空模様も緑の存在感を大きくしている。トボトボ歩いていると、神武寺、鷹取山方面の標識が現れる。さあ、ここからが登山道。石の階段が続いている。今日は昨今の雨の名残か、石は濡れているし、苔も勢力拡大している。これは注意しないと。鷹取山は湘南の妙義山とか言われてて岩の山だ。歩く距離は短いけれど、なかなかバカにならない。鎖場もあるし。登山道に入ってから樹木の緑はさらに濃くなり、もはや緑の闇とも言えるような状況。まるで見たこともないような夏の山中。耳元を虫の羽ばたく音。すぐにリュックから虫除けスプレイを取り出して体中に吹きかける。こんなので防御できるのか甚だ疑問だけど、気持ちの問題だからね。しないよりはしたほうがいいんじゃない?。の程度のおまじない行為で虫からバリアをはって歩を進める。緩い坂道を15分ぐらい行くと山門が見えてくる。神武寺に到着。さあ、ここからが本格的な山歩き。薄暗い森の中に佇む神武寺はこんなに神秘的だっけというぐらいなんか美しく感じた。なんでもはっきり見える晴天はそれはそれでありがたいものだけど、今日みたいな曇天や雨の日に垣間見られる曖昧な風景もアリなんだなって改めて思う。本堂の横から山へと入っていく。急な石畳の坂道。ずんずん高度を上げる。今にもツルッといきそうで怖い。ここでストック一本取り出す。なんとか石畳の急坂クリアすると次は大きな岩の通路のアップダウン。こういうところは両手使って岩掴んで上り下りしたいので、今度はストックが邪魔。手袋して岩をこなしていく。やっぱり岩が濡れているので怖い。実際は靴のグリップが効いていて、危ない場面は一度も起きなかったけれど。山行時間や距離はあっという間だけど、けっこう登り応えのある山と言えるかもしれない。時折木々の合間からひらけた風景を臨むことができるけれど、ほぼすぐそこまでしか視界はない。何度かの岩の登り降りを繰り返すと最大の難所へ。鎖場の登場。ここ嫌なんだよな。それに今日は思っているよりも長く感じる。ここで失敗して滑り落ちても数メートルなんだけど、めちゃ急斜面。ここの鎖は歩行の補助的なものじゃなくて、両手でしっかり掴んで登らないと登れない。足で踏ん張る岩の道も幅が狭いし、及び腰になっちゃう。それでも行くしかないので頑張って乗り切る。そこ終わるとまた急な岩の下り坂。今度は鉄の手すりが備え付けられている。ここに縋り付くように下へ降りていく。そして次にまた登り。ここを登り切ると鷹取山に到着。ロッククライミングでアナボコだらけの岩壁と展望台。鷹取山特有の風景が迎えてくれる。追いかけっこしてる子供達や山登りのグループなど、けっこう賑わっている。やっぱり今日は週末なんだ。みんな楽しそう。頂上の広場で立ち止まらずにその先の休憩所まで行くことにする。そこで一休みしていこう。背丈ぐらいまで伸びた草の道をかき分けるように歩いていくと間もなく広い公園みたいなところに出る。ここにはトイレもあるし、屋根のついた東屋もある。あいにく東屋はおしゃべりしてるおじいちゃんに占居されていたので脇のベンチに腰掛けてリュックからジャムパンとゼリー。ジャムパンイマイチかも。やっぱ、パンはあんぱんに限るな。そそくさと食事終えて水飲んで立ち上がる。さあ、今日は帰ろう。立ち上がってシュック背負う。再び草の道に戻って今度は京急線の追浜方面へ。またあの鎖場通るの嫌だからね。追浜駅までの街道が長いのも辛いけど。草の道が開けると断崖仏。鷹取山の一番のアトラクション?。深い森の中に潜む魔宮のように佇む巨大建造物。神秘的だ。これって、わりと知ってる人少ない。鎌倉の大仏や大船観音は誰でも知ってるのにな。これもけっこうなものだよ。ここの仏様を拝んだら間もなく山ともさよなら。長い階段降りて住宅街。今日も山神様ありがとうございました。
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