2月1日/2023
東名の厚木インターを越えたあたりから富士山がドーンと姿を現す。今日も絶好の富士山日和。なんとなく朝の調子はイマイチなんだけど、これで一気にテンションあがる。裾野インターで東名下りて、愛鷹山の越前岳の登山口、山神社駐車場を目指す。開けた見晴の良い道を進む。富士山が目前。あまりにもくっきりはっきりしてる。雲ひとつかかっていない。これ以上ないほどの富士山の全容。やっぱりいつ見ても偉大だ。越前岳からの富士山もさぞ美しいだろう。これ以上ないぐらいに期待に胸を膨らめせてハンドルを握る。しばらく絶景ロードを走ると道の様子が変わる。道幅は狭くカーブの多い登り道。周囲の杉林には雪が積もっている。実は今日は富士山目当てではなく、雪道を歩こうと思って愛鷹山にやってきた。今年になって買ったチェーンスパイクと軽アイゼンを両方持ってきた。昨年も同じ時期に越前岳を登っている。その時は初めての雪山で難儀したことを覚えている。十里木高原という登山口から登ったが今回の登山口からはちょっと長めの山行になるのかな?。山神社登山口方面に左折。工事の警備のおじさんに会釈されたが、何かこの先にあるのか?。何もなくてメチャ狭くてガタガタ道。しばらく行くと駐車場らしき場所が杉の木の間に見えてくる。ダンプ二台と乗用車が数台停まっている。あー着いた。それにしてもまさに山の中。そこに警備の服を着たおじいちゃんがやってきて、ここはダンプ出入りするんでもうちょっと奥に停めてくださいとのこと。車誘導してくれる。エンジン切って。ドアを開ける。寒い!!。山に入るんですか?。とおじいちゃん。はい。すると地図を出して、この場所は工事しているんで注意して行ってください。あと帰りに声かけてください。今来た道はダンプが通るんですが、すれ違えないので出口の方に連絡しますから。ああ、だから分岐のところにも警備の人がいたのか。工事箇所の方は今回通らないから問題なし。登山靴に履き替え、準備OKだ。さて出発。ダンプから降りてきた工事のお兄さんが元気よく挨拶してくる。おはようございます。毎日山に入っていく人がいるんですけど、山の上に何かあるんですか?。それとも有名な山なんですか?。唐突な質問になんと答えたものか一瞬言葉に詰まる。富士山が見えるからじゃないですか。ああ、きっときれいでしょうね。とイマイチ腑に落ちない表情で行ってしまった。そうだね、山できつい仕事している人にとってわざわざこんな山の中に入っていく人ことは理解できないだろうな。自分でさえそう思う。さあ、気をとり直して出発。舗装された道を挟んですぐそこに鳥居がある。越前岳、黒岳→の標識。この鳥居潜るとあっち側なんだな。無事に帰ってこられることを祈り一礼。時間七時半。一瞬で山に入った感がすごい。林立する杉で朝日が入ってこない。寒い。そして沢に降りて向こう側に渡るといった荒技がいきなり現れる。木段から始まる十里木の登山口とは全然違ってワイルドだなあ。林間の坂道の先を見上げると日が差し込んでいる。うっすら雪の積もった薄暗い場所から早く抜け出して日の温もりを感じたい。ちょっと身体がだるいな。いつものことだが最初は体が目覚めない。とは言っても着々を高度を上げていく。道も徐々に急になり、岩岩のやな道になっていく。とりあえず登り切ったなと思ったところからちょっとだけ平坦な道。でも狭いし左側がけっこうな高度感の断崖。怖いんですけど。そして現れました鉄の梯子。ここ帰り絶対通りたくない。登りはまだマシ。無事に梯子を登りきり。岩岩の危なっかしい登りも終わると建物が現れる。こんなとこに人住んでんのか?。それとも山小屋?。ま、人の気配もないし、横にあるトイレは崩壊状態。近づくこともなくそのままスルー。この建物を過ぎたところからも急登。このルートはハズレか?。十里木の方から登ればよかったと後悔しきり。でも登っちゃたし、車は自分で移動してくれないから、この道で戻ってこなくちゃいけない。愚痴を心の中でぐちぐち言いながら、登っていく。やっとこさ今度はちゃんとした平坦な場所に出る。黒岳と越前岳の分岐の道標。ここは富士見峠。やっと越前岳の登山道にでたわけだ。もうここまででずいぶん体力も気力も消耗したな。もう帰りたいぐらい。それにしても今きた道を下っていくのはごめんだ。とりあえず帰りのことは先に考えるとして登っていくことにしよう。(続く)