避難生活での体調管理〜運動について〜
能登地震発生から2週間程が経ちます。
被災された皆様にはお見舞い申し上げますとともに、まだ消息不明の方もいらっしゃいますので、一人でも多くの方が救助されますことを心より願うばかりです。
さて、被災地生活が長引きますと、メンタルはもちろんですが、肉体も疲弊してきます。
車内での避難生活の場合はエコノミークラス症候群をよく耳にします。
昨日もニュースで避難所の皆さんにリズム体操を指導されている場面も見ました。
大切なことですね。
阪神淡路や東北での地震の時も、我々の仲間である健康運動指導士の皆さんが支援活動の一環として体操指導を巡回していることは聞いていました。
リズム体操はもちろんこうした避難生活の場面で取り入れてもらいたい運動プログラムですが、高齢者の皆さん、特に立位での運動が難しいような場合は参加が難しいですね・・・
そんな皆さんが座ったまま、あるいは寝たままでもできる運動をご紹介します。
この運動は一見ストレッチ体操なのですが、実は自律神経の調整にも効果をもたらす「自律神経コンディショニング」です。
下記のQRコードで動画を見ていただけます。
https://youtube.com/@user-mg4mj4tn1z?si=rUOS1s8fKK-Q9npn
動画の中で3個のテニスボールを袋に入れたものを使っての運動方法をご紹介していますが、ゴルフボールでも良いのですが、見つからなければその運動は省いてください。
立位姿勢での運動が難しい場合の運動方法をご紹介したわけですが、これは避難生活に限った話ではなく、健康づくりの運動に欠かせれないプログラムがこの「立位での運動」なのです。
我々は動物、「動くもの」なんですね。
人間は他の動物と比べて、走るのも遅い、力も弱い生き物です。
でも、“移動する”ことにおいては長けた生き物なんです。
アフリカで生まれた人類が、時間はかかりましたがこの地球上のあちらこちらに移動(移住)して、その環境に適応していったわけです。
ですから、まずは立って、二足で移動する「直立二足歩行」が我々人間たる証です。
避難生活の場合、フィジカル面以上にメンタルの疲弊が大きな問題ではありますが、心身一如という通り、精神が弱まれば肉体も弱くなっていきます。
その逆も然りで、肉体が回復すれば精神も安定しやすくなります。
そこで、肉体と精神、どちらが手を加えやすいかといえば、目で確認できる肉体からです!
つまりは運動です。
でもここで、「運動」とか「体操」と聞くと、「避難所生活でただでさえ疲れているところで運動なんて、とてもやる気が出ない」という気持ちになるのは当然です。
そう、多くの方が「運動はしんどいもの」というイメージがあると思います。
平時ですらそう思ってしまうのですから、こうした緊急時なら尚更でしょう。
ここで、再度申し上げたいことが「我々は動物だ!」なんです。
動くことで体の機能のスイッチが入っていきます。
それは心にも、脳にも影響します。
まずはその場に立ってみてください。
背伸びしてください。
少し避難所内を歩いてみてください。
立てない方は先のご紹介した運動を一つでも良いのでやってみてください。
もちろん立つことに問題ない方も先の運動はやってみてくださいね。
体を動かすことが面倒と思う人は、何も考えず、とにかくその場に立つ。
立てない人は座ったままで背伸びをする。
それだけで良いです。
1時間に1回はその場で立つ、背伸びする!
これだけやってください。
大切なことは、1回で良いので続けることです!
今できることに集中する。
避難生活の皆さんに少しでも役立つ情報となれば幸いです。