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目的因の重要性を考えさせられた『After Virtue(美徳なき時代)』~目的論的世界観と徳倫理学~

哲学を専攻したいと志した頃、大学一年生の時にマッキンタイアの『美徳なき時代』を書評で見た。高価だったが、重要な書籍だと信じて購入したことを下記の文章を見て思い出した。

しかし、当時は私にとってフィットせず、アマゾンマーケットプレイスが出始めた頃にそこそこの高値で売り飛ばしてしまったかも(泣)

今になって『美徳なき時代』の問題意識が分かってきた。若い頃の直感は当たっているものだ。もう一回読み直したい。

アリストテレスの徳倫理学が主題となっていて、それは目的論的世界観と深く結びついている。近代化とは機械論的世界観が支配的になることだが、それとともに目的論的世界観が失われ、それとともに徳倫理学は力を失い、カント倫理学と功利主義倫理学の二項対立へと移行する。

昨日シェアしたアリストテレスの「目的因」は興味深いという記事とも深く関連してくる。目的因は「諸原因の原因」とされ、優位的な地位を占める。それは目的論的世界観の根底を占め、徳倫理学の根拠となっている。このニヒリズム的な現代において、「目的因」の考え方はやはり重要である。

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