ウィンクの効能
44歳にして、ちょっと老眼が気になりだしたので遠近両用のメガネを作るために眼科に行った時のこと。
視力を調べたら「弱視」だった。
かれこれ35年間ほどメガネ生活をしている44歳ですが
初めて「弱視」と言われました。
え?
小学校2年生の時、母に黒板の字がよく見えないと訴え初眼科へ。
その時「遠視性乱視」と診断をされ、私の勘違いメガネ人生がスタートしました。
「遠視性乱視」は子供の眼の成長の過程ではよくあることで、いずれは治ると言われたような記憶があり、その通り小学校高学年から中高生の頃の私は裸眼でした。
特に不便は感じていませんでした。
でも、振り返ればずっと私の左眼はお休みしていたような気がするんです。
ぱっと物を見た時「私は今、右眼で見ている」と自覚していました。
でもそれは単に「利き目」なんだろうなと思い、自分の中でも大した問題ではく放置していました。
短大に入り車の免許を取るために教習所に行って視力検査を受けたら引っかかってしまったのです。
これは余談なんですけど。
教習所の話をするとどうしても言いたくなることがあって。
父が「金を出してやるから社会に出る前に免許を取れ」と言ってくれたのです。これにはめちゃくちゃ感謝しています。ありがとう。お父さん。
でも、お父さんあの時言ったよね。
「これからのマニュアルの時代だ!」って。
それで、私マニュアル取ったよね。
ね、お父さん マニュアルの時代・・・いつ来るのかな。
教習所の視力検査に引っかかった私は、眼科に行けばよかったのにメガネ屋さんで視力検査をしてメガネを作りました。
それほど詳しい説明もなく「教習が受けられれば良い」程度の認識で視力検査に挑み、メガネ屋さんとのやり取りも特に困らず、疑問にも感じずササーっと終了。
指摘されたのは、視力に左右差があり、左の方が視力が悪いということ。
それについても、右眼で見ている自覚があった私は「はいはい〜ですよね〜」くらいの感じでサササーと通り過ぎてしまった。
無事免許は取得しました。
「左右差があるならメガネかけて左右差補ったほうがいいんだな〜」
なぜかこの間違った認識が私の中で生まれていました。
なぜどこでそう思うようになったのか覚えていませんが、完全に「左にちょっと強めの度数を入れて左右のバランスを取っている」と思い込んでいました。
現にメガネ屋さんのあの暗号みたいな+ーが書いてある紙は、左右で違いがあったし、その違いについて深く考えてもいなかったわけです。
そうして、免許を取った19歳から今日までずっとメガネ生活をしています。
もちろんその間、25年もあるわけなので、何度もメガネを作り直しています。
私の記憶では、25年間の途中に1回眼科に行きました。
その時、また驚きの診断を受けたのです。
眼科医「あ〜斜視あるんだね〜」
え?
この時の「え?」が目に関しての人生初の渾身の「え?」です。
どうやら左眼に斜視があるようで、これを「内斜視」と言います。
実は、不意に撮られた写真を見たときに「あれ?左眼こっち見てないな」と感じたことがありました。焦点があっていないというか、離れているというか。
でも、普段人と対面で話している時に相手が気づくほどの斜視ではありません。だから、これもずっとずっと知らずに生きてきていました。
「へえ、私、斜視だったんだ〜」
おい、バカばか!その程度で終わらせるな。
当時の私に医者の話をちゃんと聞けと、耳の穴かっぽじって言いたい。
そうこうして40を過ぎ・・・
「あれ、スマホの字が見にくい」と感じるようになりました。
私の夫はまだ32歳です。ひと回り下なんです。
その夫が「見てこれ!」と私の眼前にスマホや本を差し出す距離が近い、近い。
無邪気な息子と高齢ママみたいなやり取りで「近いって」を繰り返す日々。
読書も好きな私は観念してリーディンググラスを検討し始めました。
調べてみると、遠近両用にするならなるべく早い方が良いと!
さらに年をとってから遠近両用にするとピントを合わせるのが大変なんだそう。ならば、遠近を作ろう!と思い立ちました。
メガネ屋さんでサクッと作っちゃおうかな〜と思っていた私に
神(夫)が言いました。
「メガネは医療機器です。大きく作り替えるなら眼科へ行きなさい」
慎重で物事きちんと考える神(夫)が言うので、渋々ですが眼科に行くことにしました。
そして、この日人生で二度目の眼に関しての渾身の「え?」が出るわけです。
眼科に行くと眼科医ではなく、おそらく看護師が視力を測定してくれました。遠近両用のメガネを作りたいこと説明済みだったので、それに合わせたメガネの調整をしてもらいます。
看護師「えっと、車を運転する時のメガネ(遠くを見る用、度数強め)はお持ちなんですよね?」
私「はい」
看護師「左なんですけど、これ以上視力が出ないので手元用の調整は入れますが、遠くを見るための度数が入っていないレンズを入れています」
私「ん????度数が入っていないレンズ???」
看護師「右も視力をあまり上げてしまうと左右差が大きくなって疲れてしまうので、上げない方がいいと思うんです」
私「(ちょっとわかんない・・・)左が視力が出ないと言うのは?」
看護師「度数を上げるレンズを入れても視力が上がりません」
私「ほ〜〜〜〜〜〜」
私「で、左の裸眼は?」
看護師「0.2ですね」
私「0.2ですか。メガネをかけても0.2以上が見えるようにはならない?」
看護師「ですね。詳しいことは先生から(聞いてください)」
私「ちなみに右は?」
看護師「0.4ですね」
私の場合、例えば車を運転するのに必要と言われている0.7にするためには、右を0.7に上げるしかないということだそうだ。
そして、常にその状態のメガネをかけていると左0.2で右0.7なので右にとても負担がかかることになるという。
そのため、乱視矯正は多少入れるが遠くを見るための度数は左右どちらにも入れないということを勧めらました。
医師の診察。
医師「左右差って前から?」
私「子供の頃に遠視性乱視と言われたことがあったんですけど、それから左右差はあったと思います」
なんか色々検査されて
医師「弱視だねえ」「斜視もちょっとある」
私「斜視は以前にも言われたことがあったんですけど、弱視って・・・」
医師「0.2以下でメガネで視力の調整をしても、見えるようにならない状態を弱視と言います」
「でも、左、見えてるんでしょ?」
私「はい。まあ。」
医師「遠近両用ということだけど、あなたの場合、遠くを見るための度数は入れてないの。ちょっと乱視の矯正はしてる。でも、まあ乱視もひどくないから昼間はそんなに困らないでしょう?」
私「確かに。困るのは夜や雨の日が多いです」
医師「つまりね、ほとんど老眼鏡なんだわ。だから、まあかけっぱなしにしてもいいし、手元見る時だけかけるのでもいいし。良いように使ってよ」
医師「斜視があるとねぇ、弱視になりやすいんだよね。でも、左が見えてるなら大丈夫だから」
この時の私のメンタルは「大丈夫」ではなかったけど。
急に「弱視」と言われ、メガネがあまり意味がないというような話になり
今までの私のメガネ人生はいったい・・・。
ここで先に引用した斜視についての説明を振り返ってみよう。
しっかり伏線回収してた。
今は、一生懸命「見る」ことをやめて乱視矯正しか入っていない遠近両用メガネを愛用して生活しています。
きちんと眼科で診断してもらい、説明してもらったことで
ちょっとはっきり見たい時はウィンクして見るようにしています。
どこかで突然ウィンクをしてきた奴がいたら私かもしれません。
追伸
みなさん。眼科検診は定期的に受けましょう。
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