「逆噴射小説大賞2024」 ピックアップ&感想文 ②
・はじめに
「逆噴射小説大賞」。それはダイハードテイルズ様が主催するエンタメの祭典。物語の続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングな娯楽小説の冒頭800文字(「続く」で終わる。800字で完結するショートショートではない)を競う、過酷な荒野を征く者たちの熱き戦い……!
さて、本稿は前回(上記参照)に引き続き、「逆噴射小説大賞」(以下「逆噴射」)のピックアップ感想記事となります。のざわのフォロワーの皆様の中には創作畑でない方(コンテンツレビュー・エッセイ中心」の方も多いかと思われますので、今回のような記事をきっかけに「逆噴射」文化、そして素晴らしい作品群に触れていただけたら幸いです。
なお当然ながら、今回挙げた以外にも好きな作品・素晴らしい作品が沢山投稿されています。作品一覧はハッシュタグ「逆噴射小説大賞2024」、もしくは以下の投稿作品収集マガジンをご覧ください。
※順不同の紹介となっております。
※ジャンルは自分なりの解釈によるものです。解釈違い・間違いがございましたら申し訳ありません。
・「福呼び村に鬼来たる」
田舎を舞台にしたバイオレンスホラー(俗に言う「因習村」?)小説。わずか800字の中で、ゾッとする場面が絶え間なく襲ってきます。何度も読み返すと、冒頭の長台詞ですら既に恐ろしい……!
・「山手、悪夢の世界蛇」
山手線を舞台にした乗り物パニックサスペンス。山手線を舞台にしたことと地に足がついた筆致により、日常の中に突如発生した非日常感がより極まっている印象があります!
・「離島 - アンデッド・エピソードファイル」
死人版「どうぶつの森」的小説。地獄絵図にも関わらず、思わず顔がほころぶシュールな世界観が繰り広げられています。作中で言及される「◯◯◯◯◯と◯◯◯の相性」はとんでもない慧眼かつ大発明じゃないでしょうか……!
・「辺獄探偵ヘルベチカ」
ナンセンスなミステリー(?)もの。軽妙かつ謎のパワーがある語り口が面白く、癖になってしまいそうです!キャラクターの設定一覧があったら見てみたいです。
・「セーラ、そっちは暖かいか」
とてつもない寂寥感が襲ってくるファンタジー小説。タイトルと本文内容の相乗効果が見事にキマッています!高い文章力の賜物か、脳内に光景がすっと入ってくる点もお見事です。
・「ハマナスの勇者」
独特の世界観が魅力的なファンタジー小説。作中設定の情報開示(特に中盤以降から結末に至るまで)の仕方が非常に鮮やかで、手際の巧さを感じました……!
・「ソーコー」
バディもの台湾紀行スラップスティックコメディー。凸凹な二人がどのような旅を繰り広げるのか興味が尽きません。なお、環島、とは台湾の文化(台湾一周のこと?)だそうです。
・「深郷歌」
現代日本を舞台にした伝奇ファンタジー。これまでに読んだ逆噴射2024投稿作品の範囲内で、トップクラスに好きな書き出しです!郷愁を感じる本編の内容も、心に強く響きます。
・「セカンド・サン・フライト」
夢破れた後の◯◯◯◯を主人公に据えたファンタジー小説。「ワンスアゲインもの」でもあり、様々な意味で熱いです。勇気一つを友にして彼は征く……!
・「ノーブックス、ノーライフ」
文学作品を題材にした現代ファンタジー。「あるはずのものがない世界」を描く作品が好みなので、つい惹かれてしまいます……。そしてヒロイン描写がとても魅力的です!
・まだまだつづく
今回はここまで。投稿期限最終日(10月31日)以降に「③」をしたためるつもりです。
さて、私 のざわあらしは「インドラの僕」と「JIRAIYA No.49」の二作品を投稿しております。こちらもお読みいただけると嬉しいです。