いのりは、傘を取りに美容院に戻った。
しかし傘は傘立てごと店内にしまわれていた。
それはガラス越しに見つける事ができた。
「大事な傘・・・忘れてしまうなんて。」
髪を触られるの苦手で、今日、男性美容師さんだったから、動揺していたのだろうか。
大事な傘まで忘れてしまって、更に動揺していた。しっとりと濡れた抹茶色の傘をみていた。
傘を取りに営業時間に来るしても、電話をするにしても、もともと億劫な美容院・・・
「どうしようかな。」と
心の中で溜め息をついた。
傘 ガラス越し
髪 指の間越し
動揺に
ため息する