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何者にでもなれる世界

その衝動に駆られることは、今までにもあった。
でも、今回は我慢するのがむずかしかった。


どうしても童話が読みたい…!

* * *

小さいころ、眠る前の時間がとても好きだった。
絵本や童話の世界にふれることができるから。
お昼も読むことはできるのだけど、眠る前のそれはなんだか特別。


文字が読めないころは読み聞かせをしてもらい、一話だけでは足りなくて
「もうひとつよんで」とせがんだ記憶がある。
自分で文字が読めるようになってからはよくばって、好きなお話をいくつも読んだ。


その時間、私は勇者になって悪者を倒したり、お姫様になって王子様と結ばれたりする。どきどきしたり、たまに怖かったり、その世界が教えてくれたことがいっぱい。
夜は恐れるものではなく、楽しみなものだった。

* * *

大きくなるにつれ、眠る前に読むものは童話から小説になり、いつしか本ではなくスマートフォンに変わっていた。
キラキラするSNSの世界。
それはとてもまぶしいものだけど、その輝きの主役は投稿した人であり、自分を重ねることはできない。
ここでは私は、勇者にもお姫様にもなれないのだ。

* * *

自分が何者にでもなれるあの世界が恋しくて、とうとう366話が収録されたおはなしの本を購入してしまった。日本や世界の名作、昔ばなし、童話、伝記、詩に落語までつまっている。
太っ腹すぎない?いいんですか…?と誰かに問いたくなる。

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紙が指に触れる感触がうれしい。
インクの香りがなつかしい。
あぁ、わくわくする!


今すぐ本をひらきたい気持ちを、必死に抑える。
眠る前の時間が、再び特別なものになりそうだ。

お読みいただきありがとうございました!
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