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野田秀樹『野獣降臨』(627字)

 野獣降臨(のけものきたりて)と読むらしいです、40年ほど前に岸田國士戯曲賞を受賞した野田秀樹の初期代表作。
 『パンドラの鐘』『Right Eye』あたりが中期の代表作でしょうか。この辺りはすこぶる大好きな作品で、こんな面白い戯曲を書ける人間がいるのかと驚いたものですが、『野獣降臨』はちとわかりませんでした。
 世界観がすごいだの言葉遊びがうまいだの、そんな感想は野田秀樹作品には野暮ったいもので、じゃあ他に何が言えるのと言われると、何も浮かばないです。
 面白くないから何も浮かばないわけではなく、どんな言葉がこの作品への適切な表現なのかがわからないってやつです。
 エアー抽選機をくるくると回っているくじみたい、何かたくさんのことが目まぐるしく脳内で回っとるのは確かではありますが、その一つ一つが何なのかわからない。
 脳内抽選機に手を突っ込んでみてくじを引っ張り出してみると、そこには何も書いていない白紙、その白紙のくじに、とりあえず自分で何かを書いてみて、それを野田さんに見せてみると、鼻で笑われ、一応受け取ってくれて、なんぞたわしやらティッシュやらをくれるんやろうか。
 演劇作品の感想って難しいとよく言われるが、ほんとそんな感じ。わからないものはわからないし、私の劇作とは相容れないため、あまりにも読み込みすぎると変に影響を受けるような作品でもあるし、一定の距離を置いていい作品なんだろうと思いながら思いながら思いながら、
 ただただその才能に平伏して

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ざぶとんととんとろ
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