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映画『メイクアガール』を観て、若かりし新海誠を思い出した
どうもみなさんごきげんよう
あざら氏でございます。
先日、『メイクアガール』という映画を観てきました。
本作は、CGアニメーターとして有名な
「安田現象」さんが初めて作られた映画ということで、当方非常に期待していたのですが
まぁ端的に感想を言いましょう
なんじゃこりゃ
まさにこんな感じ。なんじゃこりゃです。
「SNS総フォロワー数600万人超!」という触れ込みだったので、チープなストーリーかと思いましたが、全くチープではありませんでした。
私も、映画を見終わって関連noteを見漁ったのですが、かなり意見が割れていました。称賛派も批判派も双方に納得できる点があり、非常に興味深い
私は一応称賛派としてこのnoteを書かせていただいているのですが、それでもある程度思うところはあります。特に脚本ですね。
あれはもう少し改善の余地がありました。
前半のほんわかパートと、後半のシリアスパートの起承転結がしっかりしていないことや、主人公の周りの友達である、大林邦人や幸村茜の掘り下げが浅いこと(実際このnoteでも人物名もいちいち調べるくらい印象に残ってないです)
後半悪役として出てくる海中絵里(CV.花澤香菜)の動機や目的がイマイチしっくりこないこと。
また、作中にでてくる高峰庄一が明を引き取った人物であるにも関わらず、その母親である稲葉との関係も同期であるくらいしかないこと。
稲葉がやったことがイマイチわからんかったこと
まぁざっとこんな感じです。正直、声優でカバーしているところもあるんじゃないかなといった印象です。
しかしこれだけボロクソ言うと、なんだか批判派のように思われるかもしれませんが、私好きなものはあとに取っておく派なので今から良かった点をお話します
まず一つはストーリーそのものです。
先ほど言ったように、脚本があまいところは随所認められますが、それでも光るところはありました。
0号ちゃんの葛藤や後半のシリアスパートは特に目を見張りました。荒削りかもしれませんが、(僭越ながら)とても伸びしろを感じました。そして、これは若かりし若ハゲ時代の新海誠にも同じものを感じました。
一応私、新海誠作品は全て見たのですが、『君の名は』までの新海誠(厳密には川村元気がつくまでの新海誠)にも同じようなものがありました。
新海誠初劇場公開作品の『ほしのこえ』は30分弱という短い上映時間ながら、男女の距離と時間というものを、明確に描写していました。そして同様に、新海誠自身が声をあてていることや、脚本が甘いことなど荒削りな部分もありました。ここでは『ほしのこえ』を取り上げましたが、他の作品においても同様です。
他にも共通点があります。それは映像美です。
本作『メイクアガール』に於いても、従来の3DCGアニメを超える美しい表現や、繊細な動きがありました。
後半のカーチェイスシーンは圧巻です。
同様に新海誠も初期からその背景美術が称賛されてきました。このように、初期の新海誠を彷彿とさせるんですよね
この「安田現象」とかいう男。
新海誠もこのように、昔の自分を重ねているようなコメント。
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とまぁここまで本作について色々語って参りましたが、改めて感想をもう少し長く書くと
脚本も演出も色々荒すぎるし、正直雑いけど、今のこのアニメ大衆化時代においてこんな尖りまくった作品出てきて、超うれぴー!!!!!
です。はいうれぴーです。
今やアニメはもはや大衆化された時代です。深夜アニメを録画してみたり、サブスクでみたり、今までひっそりとオタクに燻されてきたアニメが門戸開放されたのです。そしてそのような時代において求められるのは、尖った作品性ではなく
万人受けする大衆性。それを象徴するのがまさに現在の新海誠であり、川村元気であり、岡田麿里なのです。
もちろん、彼らの作品を悪くいうわけではございません。一流の作った映画なのでそのストーリーも演出も素晴らしいものです。しかし、尖りがない。くっっさい作品性がない。「万人受けしなくてもいいから、俺はこれを作りたいんだ!!」という気概がまるで感じられない。
そんな時代だからこそ、かつてのアングラオタクですら評価が分かれるほど
ツンツンに尖ったこの作品が出てきてくれたこと。非常に嬉しく思います。
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こんなことをのたまいやがる輩もいますが、まるでわかっちゃいない。
こいつは、一人で成長してこそ意味がある。川村元気なんぞ必要ない。
確かに大ヒット満員御礼の作品は作れるかもしれない、がそれだとなにも変わらない量産型だ。こんな時代だからこそ、ぜひ安田現象君にはのびのびと、有能Pなどに構わず、作品を作って欲しい、そう願っています。次回作2027年公開ということで、今から楽しみです。
以上、拗らせオタクの戯言でした。