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サールナートホール/静岡シネ・ギャラリーの映画レビューは至極の文章であるという話

「サールナートホール/静岡シネ・ギャラリー」というXアカウントをご存じでしょうか。

公式サイトXアカウントnoteアカウント

静岡県にあるミニシアターの公式アカウントで、同館で上映されている(上映予定のある)映画についての紹介ポストを高頻度で投稿されています。そのどれもがとにかく興味を惹かれる素敵な内容なのです。


自分は数か月ほど前に存在を知って、ちょくちょくチェックしていましたが、話題になり始めたのは2021年ごろからだそうです。映画.comで中の人へのインタビュー記事が掲載されていました。

ミニシアターならではのユルめの運用で"自分たちが良いと思う作品の良さ"を発信されています。いいですね。


とりあえず、まずは現物を見てほしいので今までで特に気に入っているレビューをいくつか引用しようと思いましたが、あまりにも多すぎたので2024年4月の分に絞ります。

いやぁ、いいですね…

何と言いますか、「読んで気持ち良くなる文章」ってあると思うんですけど、これはそれです。しかも「140文字」という文字制限の中でやっているからすごい。

これだけ短い文章で「この映画を観たい」と思わせられる。タイトルや登場人物名といった固有名詞を極力省き、小難しい語句を避けた文章に、簡潔に興味を掻き立てられる。

これはもはや単なる映画紹介でなく、このレビュー自体が一つの作品になっていると言っても過言でないくらい芸術的で完成されています。映画の興行的に言っていいのか分かりませんが、実際にその映画を観なくても満足してしまくくらいには。

そうは言っても何か貢献したいと思い、実際に近場の映画館で上映されていた『ピアノ・レッスン』は先月観に行きました。美しい部分もあったけど、レビュー以上にエグい内容でもありました… こういうこともある。


映画はもちろん、アニメやマンガ、小説など、それぞれにレビューの形式が色々あって、それに良し悪しを付けるのもナンセンスです。

各々個人的にやる分には好き勝手にやればいいですけど、結局一番響くのはこういう簡潔且つ印象深い「読んで気持ち良くなる文章」なんだ、とサールナートホール/静岡シネ・ギャラリーのレビューを読んで改めて思いました。

設定や登場人物名を並べたり、専門用語や意味がスッと伝わりにくい小難しい語句で取り繕ったりせずに、かと言ってありきたりな言葉ではなく、その作品独自の魅力を抽出して紹介する。まさに至極の文章。

こういう文章を書けるようになりたいなぁ…

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