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脳卒中後遺症における肩の挙上代償の理由とリハビリ方法
はじめに
こんにちは、脳卒中後遺症フルリカバリーを目指す脳PLUSチャンネル作業療法士の山本です。
今回は脳卒中後遺症の方がリーチをする際によく起こる肩の挙上という代償について、
その理由とリハビリ方法についてお話ししていきたいと思います。
代償の理由
多くの方がリーチする際に肩が上がってしまうと、肩を下げて力を抜いてと言われることがあります。
私自身も同じ経験をしてきました。では、なぜ肩の挙上が起こるのか、その理由について詳しく説明します。
リーチの流れ:手を伸ばすとき、つまりコップを取るなどのリーチ動作において、手が動かないことが代償の大きなポイントです。手を伸ばしたいのに伸びない状態になると、身体は他の動かせる部分を使って代償します。代償の要因:
運動麻痺:運動が麻痺しているため、リーチに必要な筋肉の収縮ができなくなっています。そのため、動かせない筋肉を使ってリーチを補っている状態が起こります。
痙性:反射を抑制できない反射障害があるため、自動的に緊張が上がってしまい、筋肉が緊張して伸ばすことが難しくなります。そのため、硬くなった筋肉によって代償してしまいます。
感覚障害:感覚が失われることで、手の位置や動かし方がわからなくなります。そのため、分かりやすい動きを使って代償します。
ただし、運動麻痺のタイプなのか形成のタイプなのか、または感覚障害によるものなのかは、必ず担当の先生に確認してください。自分自身が麻痺していて代償しているのか、抑制できない形成で代償しているのか、感覚障害によって代償.
脳卒中リハビリにおける肩甲骨の動きの重要性とチェック方法
脳卒中後のリハビリテーションにおいて、肩甲骨の動きは重要な要素です。特に、前鋸筋の働きがリーチや情報改善に必要な役割を果たしています。
しかし、脳卒中の方の中には、肩甲骨を前に押し出す動作ができず、代償的な動きをしてしまうケースも見られます。
前鋸筋の動きチェック方法
肩甲骨とプロトラクションの関係:
肩甲骨を前に押し出す動きができるかを確認します。
肩甲骨が後ろに引かれていると、手が下がってしまいリーチが困難になります。
胸の開閉と胸郭の動き:
胸を閉じる動きを行い、正しくできているか確認します。
胸も開いているかをチェックします。胸の開閉が正しくできていないと、前鋸筋が適切に働かない可能性があります。
肩の屈曲と肩関節の動き:
肩関節が動いているかを確認します。肩関節が動かず、肩甲骨だけが動いている状態では、挙上の動作が制限されます。
30度の範囲で肩甲骨が動かないように注意し、肩関節の動きをチェックします。
脳卒中リハビリの肩の挙上練習方法
肩の挙上の練習方法を紹介します。肩の挙上の練習は、非麻痺側の動きを参考にしながら行います。
非麻痺側の動きをチェック:
非麻痺側の肩甲骨の動きを確認します。
挙上の練習:
非麻痺側を参考にしながら、麻痺側の肩甲骨を前に押し出す動きを練習します。
リーチの練習:
挙上ができるようになったら、リーチの動作を練習します。
以上の方法を継続的に行うことで、肩の挙上代償の改善とリーチ能力の向上を目指しましょう。