新エッセイ『オンマと呼ばれる日々』
韓国で子どもを出産してから、私は「オンマ」と呼ばれるようになりました。「オンマ」とは韓国語で「ママ」「おかあちゃん」という意味です。わが家の3歳児は、日本語と韓国語を同時に習得中なので、私のことを「オンマー」と呼ぶ時もあれば、「おっかっさん」と言う時もあります。
保育園の子どもたちや保護者たちは、私のことを「○○オンマ」と呼びます。○○には息子の名前が入ります。例えば、私が好きな韓国の歌手、パク・ジニョン(J.Y.Park)のお母さんは、「ジニョンオンマ」と呼ばれるわけです。日本だと「ジニョンくんのお母さん」、でしょうか。保育園に電話する時は、自ら「もしもし、ジニョンオンマですが…」と言ったりもします。
さて、前置きが長くなりましたが、今月から『Stay Salty』というWEBマガジンに、不定期でエッセイを書くことになりました。タイトルをどうしようかと考えた時に、ふと思い浮かんだのが、この「オンマ」という言葉だったのです。
2017年の末から始まった私の第2の韓国生活は、子どもを授かり出産し、育児をするという、365日母親として生きる毎日でした。だから、韓国での暮らしについて書く、今思うことを書くというのは、オンマと呼ばれる日々について書くことと同義だなと。それで、こういうタイトルにしました。
第1回は、韓国でコロナ感染した後の日々について書いています。
WEBマガジン『Stay Salty』には、世界各国で暮らす方たちのエッセイや作品がたくさん掲載されています。『Stay Salty』の詳細や、前回書かせてもらったエッセイについては、過去の記事をご覧ください。
韓国のことわざに「고생 끝에 낙이 온다(苦あれば楽あり=苦しいことの後には楽しいことがある)」という言葉がありますが、これまで4年間さまざまな苦難を乗り越えてきた分だけ、今年はひときわ陽の光がまぶしく、暖かく、ありがたく感じます。公園の木々が日増しに色づいていくのを見るたびに、心が躍ります。
ソウル市内では桜が咲き始めたようですが、私が暮らすソウル近郊の街では、今週末にやっと蕾が開きそうな気配です。今年はこれまでの人生で一番、春を楽しむつもりです。みなさんも、どうか良い春を!
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