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印象に残ったゲーム音楽たち⑥

前回が一歩を踏み出すような曲だったので、今回は歩を推し進めるような勢いのある曲を。
※下記ゲームの直接的でない匂わせ程度のネタバレがあります


それでも、前へ進め!/ゼノブレイド2

クライマックスへ向けてプレイヤーを引き込む、究明の曲

タイトルが、「それでも、」(英語版だと"Still,")という、直前に事件が起きてないと成立しない言葉から始まっている通り、ゲーム中の一つのターニングポイントになる曲。

前作の「機の律動」ポジションにあたる、物語後半の通常戦闘曲。
出だしの「ブゥゥゥン」という音色から、ポジション的にも機の律動みたいな曲調かな・・・?
と思いきや、リズム感はあるが勇ましく堂々としたストリングスによる、覚悟の感じられる展開を見せ、、
かと思えば、待ってましたとばかりにギターパートがなだれ込んでくる、物語の彼方此方の見え方がどんどん変わっていくのを体現するかのように、勢いを保ったまま様々な側面を見せてくれる曲。

大切なものを奪われ失意の底にあったレックスが仲間の鼓舞を受けて再出発する覚悟の表れる前半パート・そして後半パートは機の律動にもみられた、呼応するようなストリングスとギターの応酬が、敵側の矜恃、味方側のたくらみ、それらの交差が次々と展開されていく、物語の真相に迫っていくドラマチックさが感じられる。


多様な価値観、世界観、人々、出来事を描きちりばめた「事件編」とでもいうべき物語前半戦に対して、喪失と再起、そして「究明編」としてこれまでのカギ巧みにを編み上げ世界の根幹にも迫っていく物語後半戦。


個人的に、通常戦闘曲というのはゲーム音楽の中でも一番プレイヤーと時を共にする回数が多い曲の一つだという考えがあります。
なので、こういったクライマックスへの道程をプレイヤーと同じ方を向いて一緒に駆け抜けてくれた、その勢いとは裏腹にプレイヤーにすごく寄り添ったフレンドリーな曲という印象を持ちました。

ゲーム冒頭、世界観の導入の時から印象的な存在である世界樹。これの正体が実は〇〇で、だからこの世界は〇〇だったんだとわかったときは興奮して夜しか眠れませんでした。



ベートーヴェン 「ピアノ・ソナタ 第14番 月光 Op.27-2 嬰ハ短調 第3楽章」/キャサリン・フルボディ

決して宇宙を癒しの材料なんかに貶めるものか。

筆者は、音楽といえば東方を聴いて育ってきたような、音楽に関する義務教育受けていないような輩だという自負がありました。
なので、昔から世間で支持されているような曲に対しては勝手に格調高さを感じてカウンター気味に構えていましたが、クラシック曲だからって身構えなくてもいいと思えた、ひたすらカッコいい曲。(もちろん原曲も聴いた上で)

自分の視野をゲーム音楽の枠に囚えることなく、燃える曲を作りたい、燃えるアレンジしたいと考える人は古今東西どこでもいるんだなと気付かせてくれ、他のクラシック曲のアレンジもしばらく漁っていました。かっこよさ全開のこんなアレンジも。

月光という宇宙を思わせるタイトルとして、単なる静寂や美しさにとどまらないアツさや激しさを感じさせる曲。カッコよさや美しさを求めることは今も昔も、リアルでもバーチャルでも変わらないと思わせてくれる。
行手を阻む大天使、放射線飛び交う容赦のない宇宙を背景に、愛する者のため天へと続く塔をひたすらに登っていく情景が浮かぶ。
情熱的で狂気的なピアノの速弾き、まさしくLunaticな曲。

美しい天使や宇宙も、決して癒しの材料だけにしかならないわけではない。
天より下される裁きや、煌々と輝く恒星の核融合なんかには、小さな人間を突き動かすのに十分すぎる熱情がある。


冒頭東方projectを引き合いに出しましたが、ZUN氏の言葉の中でも好きなものがあります。

私にとってイーストエイジア、神国の文化は当然進行中です。
決して和製の音樂を癒しの材料なんかに貶めるものか。 

ZUN(プレインエイジア - 東方永夜抄 Music Roomより)

癒しの材料だけにとどめない、アツさを出す曲として、同じような理由でG freeをはじめ宇宙をテーマとした大空魔術の曲も好きです。
好きな東方曲でG Free挙げている人を見るたび心の中で千切れるほど首を縦に振っています。
(ちょっと脱線。)



友よ/ベヨネッタ

友のためバイクを駆って宇宙へ

ベヨネッタの一番の理解者、好敵手、そして親友とも言えるジャンヌが、捕われた彼女を追って宇宙へ駆けるシーンで流れる。
ベートーヴェンの月光第3楽章のように、隕石や熱線、天使の軍勢といった容赦のない試練が降り注ぐ月へと続く宇宙の道を、親友への想いを胸に一思いにひた走り駆け上がっていく情景がドラマチックに思い起こされます。

「Fly me to the moon : ∞ climax remix」に代表されるように、味方サイドの曲にはオシャレでノリノリなものが多いなか、激しく、情緒と覚悟を感じるこの曲は、自分自身のことはノリノリな曲調で表現するけれど、仲間を決して見捨てないベヨネッタのアツさと人間的な魅力たっぷりな部分が味わえると思います。ベヨネッタ2,3で流れた場面でもそんな情動を感じました。


原体験:オリジンズ

そして、ベヨネッタ1,2,3よりも前の時系列の物語、「ベヨネッタオリジンズ:セレッサと迷子の悪魔」のクライマックスで流れるのがこの曲のアレンジバージョン。友への思いと覚悟の詰まったこの曲の登場がセレッサ(幼少時代のベヨネッタ)の成長を実感させてくれると思います。

情熱や疾走感・力強さはそのままに、よりハイファンタジーさや魔女の根源たる神秘性、あるいは子供のもつ純然な行動力・決断力を感じ取ることができました。

ベヨネッタ オリジンズ より セレッサとチェシャとの思い出

華麗な武器捌きで天使も悪魔も片っ端から狩り尽くす、残忍で素敵な大人の魔女。。。とはかけ離れた、
術も未熟でオドオド、いじっぱりも表に出やすい魔女のタマゴ。
そんな彼女でも初めから持っていた友を想う気持ちが感じられる名選曲だったと思います。






・・・
軌道エレベーター、スペースオペラ、ロケット、、、
今回3曲、どれも宇宙に進んでいくテーマじゃないか?(強引)



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