TRPGシナリオ製作術 【理外の番外戦術を2つ、睡眠とストレス!!】

基本的にTRPGシナリオを執筆するのに役立つテクニックの話を書き続けてきましたが、一旦箸休めとしてTRPGシナリオを書く"環境のお話"をまとめていけたら良いなと思いました。


一つ、ちゃんと寝ろ!

・クリエイティブな成果物のためには、睡眠は最重要

昨今、睡眠改善をしようというムーブメントが起きています。筆者も睡眠がクリエイティブに非常に大事だということをひしひしと感じております。
なので今更、筆者に言われるまでも無いかもしれませんが、まず、何よりもまず真っ先に触れなければならないから書きます。

寝ましょう!

何千人に一人の割合で存在する『ショートスリーパー』の人には意味のない話かもしれませんが、人間が睡眠不足の時に起こる症状としては、頭痛やめまい、倦怠感や注意力の低下、集中力の低下、攻撃的・排他的な思考になるなどなどなどなど、もっとたくさんの症状が発生します。
個人的に人として『攻撃的・排他的な思考』という症状が一番嫌な症状です。
睡眠が不足することで発生する症状の中には、クリエイティブな行動にとってとんでもなく悪く作用する症状も掃いて捨てるほどあります。

・忙しいから寝れねぇんだよ!

多忙な人は、タスクのせいで睡眠を削る必要が出てきて、睡眠不足が発生します。もちろん人間生きていく上で仕事をしなければお金もなく、お金が無ければ食べ物も家賃も払えません。
なので食費、光熱費、家賃などは稼がなければいけないでしょう。

ですが、食費や光熱費や家賃といった生活費を稼ぐ以上にタスクを詰め込んで『忙しいから寝られなくて睡眠不足』は、当たり前に不健全であると言わざるを得ません。
生きていく上で朝も夜も仕事しなければ生きていけないという境遇の方もいらっしゃいますし、そういう人は人生の頑張り時として睡眠を削らなきゃいけないのかもしれませんが、日々生きていける分お金が稼げているのにも関わらず睡眠を削るのはどうかしています。

仕事がストレス解消になっている人だとしても、睡眠を削って仕事をするのは、真剣に取り組みたい仕事なのにも関わらずパフォーマンスを低下させて挑んでいることを許容しているという矛盾が発生しています。真剣に仕事をしたいのであればこそ、肉体的にも精神的にも睡眠は良いとされているのですから、十分な睡眠量を確保するべきです。
これが仕事ではなく、趣味であっても同じことが言えます。真剣に趣味に興じたいのなら、だからこそ睡眠不足は真っ先に解消すべきです。

例えるなら、まず右手の親指を突き指させてから練習や試合をしようとするバスケットボール選手が居たとしたら、それはおかしいですよね?
スポーツ選手にとっても創作活動に携わるクリエイターにとっても親指は大事ですが、睡眠不足であることを解消しないということは、毎朝わざわざ脳みそにダメージを入れてから仕事を始めようとしているのと一緒です。
「睡眠不足でも他人に迷惑が掛かっていないなら俺の勝手だろ!」という考え方も矛盾しています。頑張りたい仕事の前にわざわざ脳みそにダメージを与えてから仕事するのは、冷静に考えておかしくないですか?

そもそも、生活費を稼ぐ以上に仕事をしたい人はかなり恵まれた人です。その仕事がアイデンティティだと言える人なのでしょう。そういう人の能力は高く、睡眠不足でも人類平均以上の成果物が完成してしまうのかもしれません。
では逆に、そんな高いパフォーマンスを潜在的に持っている人が睡眠不足を解消したらどうなるのか。それは天下無双の豪傑になれるということです。

睡眠を削らないといけないほど仕事を楽しく頑張れる高い能力の人こそ、睡眠不足が解消された時の無敵感、無双感という感覚を知って欲しいし気付いて欲しいです。
そして、睡眠不足はパフォーマンスを低下させているという点にも注目です。睡眠不足が解消されて天下無双となれたということは、それがその人本来の能力であり才能なんです。そんな天下人ステータスの人物が、睡眠を削ってデバフ状態になっているのは、余りにも勿体ないです!
友人に睡眠不足に陥っている人がいたら、是非休ませてあげてください。そのご友人の睡眠不足をそのままにしておくのは、地球人類の損失です!

・24時間働けますかの時代のサラリーマンは、現代のサラリーマンより平均すると1時間以上睡眠時間が長かったりする

昭和、平成時代の日本人平均睡眠時間は8時間前後ですが、現代の平均睡眠時間は6~7時間だと言われています。平均なので、ちゃんと7時間寝ている人ばかりではなく、もっと短い時間で生活している人もいるでしょう。
実は、「死んでも働け!」と言われていた"古き悪しき時代"よりも、令和の方が睡眠不足です。過労死数も増加しています。
睡眠不足だけが問題ではないのは承知していますが、間違いなく過労死数が増えた原因の一つが睡眠不足です。
現代人は睡眠不足です。

ストレスで不眠症だから……という方が増えているとは思いますので、不眠症の方にまで『睡眠不足だから寝ろ!』と強く言えないのも確かです。
ですが、全ての日本人がストレスで不眠症なのでしょうか。ストレスに関しては後述します。

不眠症ではない人までもが、自分自身の選択で『睡眠を削る』必要はあるのでしょうか。仕事から帰って来て趣味の時間が無いから睡眠を削ってしまったり、仕事が楽しくて睡眠を削ってしまったり、とにかく日本人は睡眠を削りがちですし『不眠自慢』みたいな文化すらありますが、本当に睡眠を削る必要はきっぱり言ってありません。ちゃんとした睡眠によって『仕事の成果物』のクオリティや制作スピードが爆増するということに気付いていない、または知らないというだけです。

徹夜明けの人の脳みそは、アルコール血中濃度0.1%の人と同じぐらいしか働かないと言われています。酒気帯び運転で取り締まられるのは0.03%からです。0.1%というのはもう酔っぱらいです。
徹夜というほどじゃなくても、慢性的な睡眠不足は脳みそのパフォーマンスを著しく低下させます。

・TRPGシナリオ執筆と睡眠不足

注意力や集中力が低下するということは、TRPGシナリオ内での設定の矛盾や、脱字や誤字、『選択肢の見過ごし』、『伏線回収忘れ』などなど、見過ごしてしまうと余りにも勿体ない問題が発生し始めます。
これらはシナリオを推敲する段階である程度発見出来て、そして改善も出来ると思います。ですが、そもそも推敲する段階でミスを直すよりも、最初からミスをある程度減らしておきたいのが時間の節約でもあり、人情というものであり、推敲という段階でもっとも脳みそを使って思考を費やしたいのは『この文章は自分の狙い通りであるかどうか』という80~90を100に近づける工程であって、『ミスを探して直したい』というのはマイナスをゼロにする作用ですよね。

『攻撃的・排他的な思考』というものは、シナリオ執筆にもとんでもなく悪影響です。睡眠不足はもともと喧嘩っぱやい人をもっと喧嘩腰にしてしまいます。自分の性格が悪くなったと自覚するほど、嫌味なことだったり天邪鬼なことをを言ってしまう状況になります。そんな状況でシナリオを書くとどうなるかと考えてみれば、PLやGM、ひいては自分のために行っている創作活動を十全に健全に楽しめているかどうかという問題が発生します。
PLがそのシナリオを遊んでいる時にどういった感情を想起するのか、そのワンシーンの時にPLがどう思うのか、PCはどう思うのか、こういった想像をする時に排他的な思考が働くと、とんでもないことになります。

楽しいからシナリオを書いているというその気持ちは分かりますし、クリエイティブな活動がストレス発散に効いてくるのも分かりますが、睡眠不足じゃなかったらもっとバラ色に虹色に、悪い言い方ですがサイケ的トランス状態なんじゃないかとも言えるほど創作活動は楽しいのに、睡眠不足であることを『寝る時間が無いから仕方がない』と受け入れて、創作活動をそこそこに楽しいと思っているのは余りにも勿体ないんです。削るなら睡眠時間じゃないところから削りましょう。

・"ながら作業"になってる人は要注意

「昔はシナリオ執筆中は執筆そのものに熱中してたけど、最近はどうも『音楽聞きながら』とか『動画、配信を聞きながら』の"ながら書き"してるなぁ」という事に気付いた人は要注意です。
もしくは、ゲーム中に動画とか配信を見ている人も当てはまります。ゲームしながら動画や配信見るようになったのは、ゲームという娯楽にハマッた当初からではなく、最近になってからではないですか?
逆に、最初は推しの配信を食い入るように観てたのに、最近はゲームしながらだったり、漫画を読みながらだったり、絵を描きながら推しの配信を見てませんか?
実は筆者も、神ゲーと称されるゲームをプレイしながら、YouTubeの配信を聞いている時に危機感を覚えました。そもそも神ゲーを遊んでいるだけでアドレナリンは十分なはずなのに、なぜ配信を開いてしまっていたのでしょうか。

その時の筆者の気持ちとしては、「時間が足りない」という感情がありました。ゲームも遊びたいし、配信も観たいという欲求を同時に満たそうという考えがありました。
ですが、冷静に考えると明らかに変です。

ゲームをプレイしている時に配信画面は観れません。配信画面を観ている時にゲームのプレイをすることも出来ません。結局配信の音だけ聞きながらゲームをプレイしようとして、配信の方は半分も楽しめていません。
これはアドレナリン不足を無意識に補おうとしている証拠だと、後から気付かされました。

創作活動中に音楽を聴く人はメチャクチャたくさんいるでしょう。『音楽主導』というモチーフの想像方法もあります。ちなみに音楽主導というものは、音楽を聴いてシナリオのワンシーンだったりストーリーだったりを想起させる方法です。『美術主導』という言葉もあって、こちらは分かり易く『キービジュアル』にも用いられる方法ですが、画像を見ることでワンシーンやストーリーを想起させる方法です。
この『音楽主導』、『美術主導』というのは、観客側だけではなく、創作活動のキッカケとして創作者自身のモチーフを固める手段としても効果的です。音楽を聴いたり画像を観たりしたことで、TRPGシナリオのストーリーがフッと浮かんできた経験がある方もたくさんいらっしゃると思います。『音楽主導』、『美術主導』は普通に効果的な手段なので、ついでにチャレンジしてみてください。

ですがこの音楽主導という方法の中に交じって、アドレナリンの問題を抱えている人がいます。

音楽を聴きながらシナリオを書いている人のうち、その問題が発生している人の脳みそというものは、『テンションがブチ上がる曲を聴いている』というアドレナリンを無意識に計算に入れてしまっている人がいます。
本当に最初の頃は、音楽を聞かなくても創作活動が楽し過ぎて、それだけで十分な量のアドレナリンが出てたはずです。でも、徐々に創作活動に馴れ(飽き)が来てしまったことでアドレナリンが足りなくなり、別のアドレナリン供給元が必要になってしまった。それを補うために音楽だったり動画だったり配信が必要になってしまった脳みその人がいます。
これは注意力散漫、集中力低下という危険信号です。創作活動に飽きが来ているか、睡眠不足の可能性があります。

嫌々興味もない作業をしないといけない時、音楽や動画配信のながら作業は自らを奮い立たせる方法としてアリだとは思います。効果的かは置いといて、精神衛生上はアリでしょう。
そして、「最初から音楽聴いて創作活動してました!」という人は、その方法がルーティーンとして確立していたり、逆にアドレナリンのブーストが必要な人だったりすると思うので、まだ問題ありません。

危ないのは、途中からいつの間にか創作活動が"ながら作業"になってしまった人たちです。
これらの人たちが正しい睡眠によって、創作活動にちゃんと集中力を費やせるようになった暁には、わざわざ音楽を外部入力しなくても、脳内でイメージ音楽どころかストーリーに沿った"脳内架空アニメ"の『最高に格好良いシーン集』が流れっぱなしになることでしょう。(個人差はあります)

もし、睡眠不足の状態でも脳内架空アニメが出力されている人は、睡眠不足を解消するとどうなるのでしょうか。それはもはや無双の人過ぎて筆者の想像を超えた現象が脳内で起きることでしょう。考えられるのは、人類には到底真似できないシナプスの結合の連鎖により、驚異的発想、斬新的革新的な題材の想像、神がかり的伏線回収などなど、クリエイター界隈で無敵になれる可能性があります。

話題に上がったので、睡眠不足ではなく『馴れ』や『飽き』の状態になってしまった人のためになればという記事を書いてます。『TRPGシナリオ製作術 【"飽き"の正体を知り、16個の対策を練る】』の方を、興味があれば読んで頂ければと思います。

・PLやGMも睡眠不足は危険

当たり前ですが、PLやGMとしてTRPGを楽しもうとするときにも睡眠不足はマイナスに働きます。卓修羅だからといって徹夜しながらTRPGを遊ぶのは、普通に勿体ないです。

注意力が散漫になるということは、シナリオ内の選択肢に気付けないかもしれません。伏線にも気付けないかもしれませんし、ギミックにも気付けないかもしれません。NPCの小粋なセリフの良さにも気付けないかもしれません。
選択肢、伏線、ギミック、描写といったものは、そもそもPLがそれらの面白いところに気づくから面白いんです。気付けなかった場合は何が面白いのか分からず無感情にやり過ごしてしまいます。

睡眠不足は感情の想起をも阻害します。TRPGを遊ぶのは"楽しい"からですが、楽しいと感じられるだけ脳みそが正気でなければいけません。睡眠不足の脳みそでもそこそこ楽しいのかもしれませんが、ちゃんと睡眠が足りている状態で遊ぶ時に感じられるはずだった"楽しい"とは違う物になってしまう可能性があります。
本来だったら感動的なシーンだったかもしれないのに、睡眠不足の脳みそのせいで「はいはい、そういうシーンね」、「俺(私)だったらこういうRPするけどね」、「私(俺)がシナリオ書いてたらこういうシーンにするけどね」みたいな、感動とは程遠い冷静な感情が想起されてしまう可能性があります。そういう感想を抱くのは、シナリオが終わってからで良いはずです。

シナリオ中に冷静になってしまうのは没入感が得られていない証拠です。没入感が得られなかったことをシナリオのせいにするのは簡単ですが、本当にシナリオのせいなのでしょうか。そもそも"TRPGを楽しむ"という前向きな姿勢が欠如している可能性はありませんか?
それが睡眠不足のせいで起きている可能性はありませんか?

GMとして遊ぶ時にも注意が必要です。PLがPCに取らせたい行動を宣言してもらってTRPGはゲームが進んでいくと思いますが、それをどう処理するのかはシナリオでもなくシステムのルールでもなく、GMの脳みそです。
システムのルール通りに遊ぶとか、シナリオに記述されてるルール通り遊ぶということは最低限出来るかもしれませんが、PLもGMも"楽しく"処理するべきです。満場一致で楽しい結果が望める場合は、ルール通りである必要もありません。
これを睡眠不足の状態でやれるのは、歴戦のGMかショートスリーパーのGMです。

「睡眠不足でもそつなくGM出来るぜ」って人でも、もし睡眠不足が改善された結果を想像してみてください。そもそも睡眠不足の人は睡眠不足が改善された結果を想像することも難しいでしょう。
でも、元々そつなくGM出来る人が睡眠不足を改善した場合、もっと楽しくゲーム処理を出来るかもしれませんし、もっと楽しくシナリオを回せるかもしれません。

何気ないPCの人物設定や持ち物をシナリオに絡ませる描写を思いつけるかもしれません。CoC7版のバックストーリーに因んだシーンをアドリブでやり遂げられるかもしれません。シナリオの設定を咄嗟に思い出せるかも、シナリオがすんなり頭に入ってくるかも、ココフォリアの部屋作りに面白いシーン操作やスクリーン操作を仕込めるかも、シーンにピッタリなBGMを用意出来るかも、NPCのチャットパレットを用意し忘れたのを思い出せるかも……――。

本当に、睡眠不足でありながら上記のことや、上記に無いことまでも完璧にこなせるのでしょうか。TRPGのGMという役割は、やろうと思えばどこまでもこだわれる役割です。
"睡眠不足ではないのに完璧に出来ない"と思っているのなら、GMとして修練あるのみなんですが、"睡眠不足だから完璧に出来ない"のは、あなたがGMとしてシナリオを回すことになったPLが可哀相だと思いませんか。明らかに可哀相です。
GMは難しいんですが、だからこそ面白い役割です。そして、面白い役割なだけではなく、PLが「今日のTRPG楽しかったな」という気持ちでエンディングを迎えられるかはGMの責任です。

『面白くないシナリオだったから』という言い訳は意味がありません。もしシナリオが面白くなかったことを認める場合、GMが面白くないシナリオを回すことを了承したから、そのシナリオをプレイすることになったのです
PLが望んで(あなたにとって)面白くないシナリオに行きたがっているのなら、GMという役割を断るべきです。あなたが断っても、そのシナリオを面白いと思っている他のGMが、そのPLたちに回してくれることでしょう。
シナリオの中身を知っているGMが"睡眠不足"でこの判断も出来ず、結果としてPLにつまらない思いをさせて、『シナリオが悪い』というのは論外です。

重責を負っているGMという役割を、睡眠不足であることを自覚した状態で行う事の危険性について書きました。

一つ、ストレスは解消しろ!

・ストレス解消出来たら苦労しないわ!

睡眠は大事ですが、ストレス管理も大事です。
という当たり前なことを言われても、現代人にとってストレスは沸いて出て溢れ返っており、空気中にある窒素よりもストレスの方が多いんじゃないかってぐらいストレス社会です。
ストレスを解消しろと言われても、簡単に解消できることではありません。ここで重要なのが、欲求の認知です。

・マズローの欲求5段階説

これはアブラハム・マズローさんという方が提唱した『人間の欲求には5段階あるよね』という説です。これが正しいかどうかは個人の主義や思想による判断次第ですが、その5段階に欲求を分けているところが非常に分かり易いので、本記事でもそれに沿って書いていきます。

  • 生理的欲求(衣食住の欲求)

  • 安全確保欲求(集団に属することで、リスクや危険から身を守りたいという欲求)

  • 認知評価欲求(他者から評価されたいという欲求)

  • 自己尊厳欲求(他者から尊敬されたいという欲求)

  • 自己実現欲求(自己の存在意義を実現する欲求)

上記の5段階です。
この5段階の欲求をまず認知して、これらの欲求をどうにかするのがストレスを解消することに繋がると思います。下に行くほど高次元の欲求であり、まず人は上から順に欲求を感じるというのが『欲求5段階説』です。
これらの欲求を満たせないと、『ストレス』が発生することでしょう。

・生理的欲求はまぁ、まだ何とかなるはず

生理的欲求は衣食住の欲求と書いてますが、ここに三大欲求の睡眠欲と性欲を追加して考えてみても、この記事を読んでいる人はまだ何とか満たせていることでしょう。睡眠不足は確かに危険ですが、『一睡も出来ない』、『うたた寝しか出来ない』、『無理やり徹夜し続けて毎回気絶するように寝ている生活をしている』、なんて状況の人はなかなか居ないでしょうから、ここはクリアしたものとします。衣食住と性欲についても、わざわざ取り上げる必要は無いでしょう。

となると今度は次の段階である『安全確保欲求』ということになりますが、実は安全確保欲求から事態は面倒になり、ここで躓いている人はかなりの人数居ると思います。なぜなら、お金の問題はこの欲求に関わる可能性があるからです。

・金銭欲ストレス

安全確保欲求の中で大きな割合を占めると思われるお金の話ですが、生活費すら稼げないのは普通にストレスですので、仕事を増やしましょう。生活費が稼げないのは、お金が無くなることで生理的欲求を満たせない危機が間近に迫っていることを意味します。

でも、趣味に使うお金を稼ぐとなると話は複雑になります。
まず、趣味にお金を使ってストレス発散と、それを稼ぐことで発生するストレスが釣り合ってるというか、赤字ではないかどうかは大事なことです。
この欲求は3段階目の『認知評価欲求』とも言えるし、4段階目の『自己尊厳欲求』なのかもしれないし、5段階目、つまり一番高次元の『自己実現欲求』と関わるかもしれないからです。

そもそも、お金をたくさん使えるのはストレス発散になって良い事だと思います。欲求の解消は大事です。これは欲求全てにおいてです。
ですが、お金を稼ぐのにもストレスは発生します。その『稼ぐストレス』を甘んじて受け入れても、お金があることでストレスが発散出来るのであれば、副業でもなんでもしてお金を稼いで使いまくると良いでしょう。
でも、もしストレス的にプラマイゼロだったり、ストレスの方が増えてしまう状態だったりするのであれば、それは途端に無意味です。

仕事というのは『時間』と『体力』というリソースを消費します。
こういったリソースを消費した挙句、ストレスとストレス発散の収支がゼロなのは意味がありません。消費した時間と体力を他に行動に使えばストレス発散出来るかもしれないのに、それを無駄にしている行為です。ストレスの方が増えてしまっていると自覚している場合は言うまでもありません。
ギリギリストレス発散が勝っている状態は悩ましいところです。消費したリソースに見合っているかどうか天秤に掛けることになります。『金銭的欲求を無視することがストレス』なのは間違いないので、趣味に使いたいお金をさらに頑張って稼ぐべきかどうか悩ましいです。

欲求は確かに存在していますが、三大欲求と安全確保欲求以外は高次元の欲求です。この高次元の欲求は、人間が社会を形成したせいで発生する欲求です。お金も承認欲求もです。
この欲求は、人間が生命活動を続けていく上である程度無視することが出来ます。ある程度なのは、全ての欲求を無視し続けると鬱になるからです。

5段階説というものは、上から順に欲求を満たそうとするらしいです。ではお金の欲求がどの欲求に当たるのか、自分の中で分析することが大事になってきます。
趣味に使うお金という欲求が、認知評価欲求なのか、自己尊厳欲求なのか、自己実現欲求なのかで、生活費以上のお金に対する優先度は大きく変わってくることでしょう。

なのでその前に、認知評価欲求から自己尊厳欲求の間に大きく横たわる欲求の『承認欲求』のあれこれを見てみましょう。

・多趣味からくるグループ構築が認知評価欲求を満たす鍵

まず、趣味はたくさんあった方がストレス解消しやすい、つまり認知評価欲求と自己尊厳欲求を満たしやすいです。それは、人間関係を構築しやすいからです。

ゲームとYoutube配信を視聴するのが趣味のAさんが居たとします。趣味と言えるようなものがたった二つしかないAさんは、いずれそれぞれの趣味に飽きがきてしまって、十分なアドレナリンが確保出来ず、ゲームを遊ぶことで交感神経を十分に刺激することが出来なくなり、交感神経が優位の時にやりたいことがなくなって、交感神経が優位の状態を健全に維持出来なくなり、副交感神経が優位の状態に適している趣味のYoutube配信視聴をボケーッとし続けることになるでしょう。
こうなってしまうと、ポジティブに活動しようという気持ちが薄れ始めてしまって、人間関係の構築にも躊躇する心理になってしまいます。

では、ランニングと筋トレと釣りとキャンプと登山とカメラとサーフィンとスノーボードと合コンと読書と映画鑑賞とスポーツ観戦と動画サイト鑑賞とアニメ鑑賞と料理と家庭菜園とゲーム制作と小説執筆と音楽制作と漫画執筆とTRPGとアクションゲームとアドベンチャーゲームが趣味のBさんが居たとしましょう。
交感神経が優位の時には、アウトドア全般の趣味にプラスしてクリエイティブ系の趣味が、副交感神経が優位の時には受け身になれる趣味が、それぞれ大量に存在します。
ゲームに関しても交感神経が優位の時にはアクションゲームが、副交感神経が優位の時にはアドベンチャーゲームが合致しそうです。
交感神経が優位な時には人と話すのにも向いている精神状態であり、他者との交流の質と量も向上し、良い結果を生む可能性も高まります。つまり、合コンやキャンプでウェーイと遊んでいる時は健全ですし、健全な精神状態による健全なコミュニケーションは良好な人間関係を築きやすいと言えるでしょう。

AさんとBさん、どっちが人間関係を構築しやすいかと客観的に見てみれば、やっぱりBさんですよね。

ストレスというか欲求というものは、特に人間関係と職場環境に左右されます。
二人の職場環境がほぼ同じだとした場合を考えてみてください。適度に仲の良い同僚と、嫌いな上司がいる職場です。仕事に関して同僚からある程度信頼を貰っているけど、上司が口うるさくてストレスだとしましょう。

Aさんの人間関係は職場の他に、ゲーム仲間がいるでしょうけど、Bさんにはゲーム仲間も陽キャ趣味仲間も釣り仲間も登山仲間もカメラ仲間もサーフィン仲間もスノボ仲間も居ます。Aさんが関わることが出来る人間関係は職場とゲームと家族ぐらいですが、Bさんが関わることが出来る人間関係は倍以上存在します。

人間関係にちょっと疲れて人と関わりたくなくなったとき、Aさんは一人でゲームをする選択肢がありますが、Bさんは一人キャンプや一人釣りというアウトドア趣味でも一人で楽しめるばかりか、クリエイティブ系の趣味を一人で黙々と出来ますし、読書や映画鑑賞も一人で楽しむことができます。

そこから時間が経過して、AさんもBさんもゲームに飽きを感じてきたとしましょう。つまり、ゲームをしていてもイマイチ楽しくなくなってきた時を想像して下さい。
(そもそもこの"飽き"という状況は潜在的な"認知欲"が満たされないことでストレスに繋がる状態だと思われますが、認知欲は少し別次元の欲求です。この欲求の解消は別のアプローチが関わってきます)

そんな時、Aさんは二つしかない趣味の一つに飽きを感じてしまって、残るはYoutube鑑賞一つとなりますが、Bさんはゲームに飽きてもまだまだたくさん趣味があります。
ゲームに飽きたAさんは、ただYoutube配信を観るだけの生活になってしまいます。さらに時間が経過して、もしYoutube配信にも飽きてしまったらどうしましょう。
口うるさい上司から受けるストレスの解消は、どのような手段が必要でしょうか。上司を消したり、職場を辞めて転職したり、といった『ストレスに対して直接的な方法』が真っ先に挙げられる状況になってしまいます。
『ストレスに対して直接的な方法』というのも悪い方法ではないんですが、上司を消すのも転職するのも、別のストレスが発生しそうです。しばらくストレスの乱高下に悩まされそうですね。

Bさんの場合はどうでしょうか。口うるさい上司から受けるストレスの解消のために、数ある趣味の中から一番その時にやりたい趣味に興じるというだけである程度のストレス解消が見込めます。
ストレスを完全に無くす場合は、『ストレスに対して直接的な方法』をいずれはとることになります。それでも、既にストレス解消の手段が別に存在するということは、安定した日常生活を送れる土台があるということです。

・人と触れることがストレスでもありストレス発散でもある

AさんとBさん二人の大きな違いは、複数のグループと接触できるか否かという点ですが、この点とストレスはかなり密接に関わっています。人というものは、なんだかんだ言って『承認されたい』という欲求があります、人間関係のストレスと承認されたい欲求はかなり同期しているため、人間関係の広さというものがストレス解消の選択肢の増加に関わってきます。

『俺は承認欲求無いよ』という人は、何らかのグループから既に承認されていて欲求が満たされていることに気付いていないだけです。例えば、家族から十分に承認されてきた人は、根本に家族への信頼関係があるので、見た目は承認欲求が無いように見えるかもしれません。職場の人間関係に問題が無い人もそうです。同僚からも上司からも認められていると無意識下か意識的に関わらず感じている人は、それだけで承認欲求が十分に満たされていて、職場でストレスを受けることがメチャクチャ減ります。仕事で失敗しても上司から「まぁまぁ、そういう時もあるから次頑張ろうよ!」って言ってくれる神上司が居たら、職場でのストレスなんて微々たるものですし、承認欲求が欲しいと渇望する精神状態にもならずに、別の欲求の方が先に大きくなることでしょう。

AさんとBさんが承認されたい欲求を満たそうとしたとき、職場と家族という二つのグループの他に、趣味の数だけグループと接触できる機会があります。
AさんはゲームグループとYoutube配信視聴者グループです。Bさんはもう一度書くのも大変な数多のグループが存在します。それらのグループの内、どこかのグループで承認されたい欲求が満たせれば、そのグループと関わることでストレスが発散されていきます。

承認されたい欲求は4段階目の『自己尊厳欲求』になり、実は結構次元が高い欲求です。ですが一つ低次元の段階の『認知評価欲求』にも関わってきます。認知評価欲求の中にある承認されたい欲求とは、『居心地の良いグループ』に属することが出来れば得られる欲求になります。認知評価欲求が満たされれば、そのグループ内での人間関係におけるストレスは著しく減少して、逆にそのグループとの接触がストレス解消になります。
ですが、4段階目の『自己尊厳欲求』となってくると、承認されたい欲求の中でも高次元である尊敬されたい欲求に変化します。

Aさんも趣味は少ないですが、趣味のゲームが功を奏してゲーム配信者として名を馳せることが出来れば、そのファンが大量のイイネを送ってくれることでしょう。そうなってしまえば職場だって嫌なら辞めちゃっても生活費ぐらい稼げるでしょうし、家族と疎遠でも直ちに大きなストレスを発生させるとは思えません。
それは、かなり高次元の『自己尊厳欲求』や『自己実現欲求』が満たされることによって、今更『認知評価欲求』がそれほど必要無くなるからです。

Bさんも、『認知評価欲求』が満たされる程度の好みの合うグループとは長く付き合えば良いし、人間関係で嫌になったらその趣味から一旦離れても大丈夫なぐらい他のグループが存在します。『自己尊厳欲求』以上の解消となると次のステップですが、緩やかに仲の良いグループに収まっているだけでもストレスがかなり軽減されることでしょう。

一番やばいのは、家族も職場も趣味グループでも居場所を感じられない人です。この人は『認知評価欲求』が満たされず、人間関係でのストレスが膨れ上がるばかりか、人間との関わりでストレスを発散出来ません。
この状況の人は低次元の段階の『安全確保欲求』の中にある『何らかのグループに属したい欲』という欲求すらまともにクリア出来ていないということになります。
直ちに! 直ちに、何らかの人間関係を構築するために死力を尽くしましょう!
もうその元気も無くなっているかもしれませんが、一番手っ取り早いというか省エネルギーなのは『仲の良い人を見つける』ことなんですが、これも難しければ『転職』ということになりそうです。居場所のない家族を変えることは難しく、趣味のグループをゼロから構築するのは、転職と比べると時間が掛かります。(人間関係が崩壊している状態なのに承認欲求を満たしたい欲求に付け込まれてしまって、宗教にハメられる人もたくさんいます)
転職もとんでもないハードルだということは分かりますが、生活費を稼ぐだけでストレスを受けるという職場は『人生において最低効率』です。アルバイトでも日雇いでも何でも良いので、どうにか転職してみましょう。転職ガチャという言葉もありますが、それは次の職場で考えることであって、今ではありません。
まずは職場か趣味グループの人間の中から『仲の良い人』を頑張って作って下さい。それでもダメなら転職です。職業に貴賎なし!

・趣味の存在は『認知欲』の発生と解消にも繋がる

認知欲とは、何かを知りたい、そして理解したいという欲求です。たくさんの趣味があれば、趣味の数だけ『認知欲』は発生するはずです。もちろん、趣味以外の知識に関しても『認知欲』は発生しますが、趣味だからこそより一層強く『認知欲』が生まれるはずです。

そして、『認知欲』は発生を抑える必要もありません。ネット社会になって久しい現代において、『認知欲』はかなり解消しやすい欲です。しかも『認知欲』の解消は、知識が身に付くので"自分の力"になります。多くの知識が力となって、それが自信や勇気に繋がれば、それは『自己尊厳欲求』や『自己実現欲求』の解消のし易さに繋がります。

欲の連鎖が負の連鎖ではなく、正の連鎖になっているわけです。この『認知欲』を利用しない手はありません。
多趣味がストレス解消に良い理由の一つと言えるのは、この『認知欲』のお陰です。

・認知評価欲求だけで生きていける人多し

承認欲求について分かったところで、お金の話に戻ります。
『認知評価欲求』的な考え方でいくと、消費した時間と体力というリソースと、自らの仕事に関する能力がちゃんと認知されて評価された額が給料として受け取れていると感じられているのなら、それで十分だと考えることも出来ます。そんな時は、それより稼ぐかどうか『自己尊厳欲求』以上の問題になってきますので一考する必要があるでしょう。
自分自身が他人から尊敬されるほど稼ぎたいのか、お金に惑わされることがないくらい金銭を稼ぐことが自分の自己実現に繋がるのか、という点です。

別にそこまで金はいらねぇな、と思えれば実は金銭的ストレスは解決しています。その時点で自分の欲求を見直してみて、お金じゃない別の欲求を解消するように努力するべきです。ここでお金が大事だと思い込んで、『人から尊敬されるほど金を稼ぎたい欲求』が無いのにも関わらず稼ぎに行くのは労力の無駄であり、他の欲求をちゃんと解消出来ないからストレスは解消されません。

となってくると、意外と認知評価欲求が満たされたら人は結構充実して人生を過ごせるんじゃないかという考えも出てくると思います。
ここから先の高次元欲求が無くなるわけじゃなくても、認知評価欲求が満たされるストレス解消効果が日々のストレスよりも上回っているのであれば、全然良い人生ですよね。

ということは、まずは第一目標として認知評価欲求をとりあえず解決することが欲求5段階説攻略のセオリーということになり、ストレス解消のセオリーとなることでしょう。

・たまに居る『俺は他人なんかいらねぇ』タイプの人

世の中には他者との交流を絶ってる人が存在しますが、欲求という考え方からみても大きな矛盾はありません。
結局のところ、欲求が満たされないからといって即死するわけではなく、ストレスが発生するだけです。つまり、発生する人間関係にまつわる欲求を無視すれば、その欲求が満たされなくても問題ないというわけです。

ということは、数ある欲求の中で、他者との関りとは関係の無い欲求だけ解決していく生活をしても、大きくストレスを感じることなく生活を続けられる可能性があります。

無人島で人間は自分ただ一人という状況は恐らくかなり厳しいと思われます。そもそも孤独ですし、無人島サバイバルな時点で色々な欲求が解消されずにストレス環境過ぎて、いずれ発狂してしまうことでしょう。
しかし、東京だろうと大阪だろうと、都会の中で一人暮らしする分には、特に問題なく生活できると思われます。たまにコンビニ定員と話すぐらいの生活だったとしても、お金の心配がなく、趣味に興じれる環境も整っているのであれば、鬱症状が出るまでノイローゼになってしまうこともないでしょう。
人間関係と職場環境がストレスに大きくかかわると書きましたが、人間関係がほぼゼロという状況は、人間関係によって発生するストレスもほぼゼロになるということであり、他者から承認を得られないストレスも、認知欲や自己実現欲といった別の高次元欲求の発現と解消を繰り替えすことで、ストレス解消に繋がり、大きなストレスを抱えることなく生活出来るわけです。

理性的に環境を調整して欲求の管理をすれば、欲求をある程度無視しても生きていけるのもまた、人間というものです。少なくとも、ブッダはそれを成し遂げたことでしょう。

・欲求のコントロール

欲求のコントロールは、人間関係に関わる欲求以外にも有効です。
例えば、身の丈に合わない高次元の欲求に苛まれることもあるでしょう。アイドルと結婚したいと願う高校生や、金ならいくらでもある富豪の不老の夢だとか、過去に戻ってやり直したいだとか、年収1000万以上欲しいだとか、情熱的な交際を経て恋愛結婚したいだとか、空を自由に飛びたいなとか、7間連続で朝から晩までウィキペディアを読み耽りたいとか、月20万あれば良いとか、一年に一回ぐらい国内旅行したいとか。

身の丈に合わない欲求というのもまた人それぞれですが、叶う方法が今のところ無いような欲求を抱いてしまうと、解決できないので普通にストレスです。
こういった欲求を一旦すっぱり諦めるということは、普段から自らの欲求と真っ向から対峙している人でなければ出来ません。自分の欲求に見て見ぬフリをすることは出来ても、それは潜在的な欲求としてストレスを発生させ続けます。誰かに欲求を告白する必要もないのですから、欲求の存在を認めて、正面から向き合って、この欲求は無視する・決別すると選択する儀式によって、欲求をコントロールすることに挑戦しましょう。
『欲求を自覚して、解決するかどうか選択する』ということです。無視することによるストレスの増加をあえて自認して、別の欲求の解消によるストレス解消を頑張ることで、ストレスのコントロールが出来るかもしれません。

・欲求はいっぱいある!

実は、人間の欲求はいっぱいあります。
欲求をたくさんリストにまとめてくれたマレーさんの『マレーの欲求リスト』、マズローさんの欲求5段階説に更にプラスされた認知欲、審美欲といったように、欲求に名前を付けてくれた偉大なる先生たちのお陰で、自分の中にある欲求に名前をいちいち付ける煩わしさから人類は解放されています。さらに、今の自分の欲求で足りないのはどれか、様々な欲求を眺めることで気付けることもあるでしょう。

ストレスには発生原因があります。例えば、職場のクソみたいな上司、嫌味ばかり言ってくる高校のクラスメイトといった感じです。その原因から離れることはストレス軽減の手段として有効なのは間違いありません。
ですが欲求の名前をたくさん知ることは、ストレスの根本を見つけられる別視点としてだったり、ストレス発生源が具体的になんでストレスなのかを探ることが出来ます。
自分の欲求を探ることは重要です。自分の心にどのような欲求が発生しているかが分れば、その欲求を満たすために努力できるからです。

おまけとして、TRPGシナリオを執筆する上でも『欲求』というものは有力な資料になります。NPCたちの行動原理は、どういった欲求に基づいているからなのか考えてみれば、おのずと人物設定も固まってくることでしょう。
『このNPCは自立欲求があるからこういう行動するんだな』とか、『この悪役NPCの動機付けは、実は救護欲求から来るものだったりして』とか、面白いですよね。

まとめ

睡眠不足によってパフォーマンスが低下している自覚の無さと、『欲は全て悪』という日本人特有のなんちゃって仏教的な心理状態の罠について書きました。

別に高尚なことを言いたいわけではありません。
筆者自身が、睡眠不足の解消によるパフォーマンスの回復と、欲求のコントロールによるメンタルの快調を身に染みて感じたので、コレが上手い事伝われば良いなと思ってこの記事を書きました。

日本人全体が睡眠不足なこと。その原因になっているかもしれない日本人の欲求管理の下手さ。これが、ここ最近の日本の状況の原因を作っている気もします。

今回の記事に関して言えば、この記事がTRPGシナリオ執筆だけでなく、日本国民全員のためになれば幸いです。

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