日記1a ベケット小説三部作を読んだ
いつもと同じように始めよう。つまづくことはない。他愛もない話を始めるのに、せっかくだ、どの語り口を選ぼうか、などといって、新しく始めるようなことはない。語り始めたときには、すでに選択してるものだ。そんなことを考えてるうちに、ベケットのような語り口になってしまった。喋ることにしよう。サミュエル・ベケットは、アイルランドの劇作家、小説家。一九六九年にノーベル文学賞を受賞している。彼を最初に読んだのが二〇二三年の一月だから、彼の小説三部作を読み終わるまで、丸一年かかったということに