『5000回の呪縛』: 短編小説
高校2年生の陽菜は、授業中もスマホを机の下で確認する。TikTokのフォロワー数は4,999人。
「あと1人...」
3ヶ月前から投稿を始めた陽菜は、学校でも、食事中でも、入浴中でさえTikTokを開いていた。現実世界での存在感は薄れる一方だったが、オンラインでの人気は日々上昇していた。
画面を覗き込む陽菜の目は充血し、指は震えている。
午後11時59分、陽菜は5000人目のフォロワーを待ちわびていた。スマホの通知音が鳴り、ついにその瞬間が訪れる。
しかし、歓喜の代