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リハビリテーションを効果的に進める認知バイアスその2

みなさん、リハビリの成功には、皆さんの頑張りと継続が欠かせません。でも、時にはモチベーションを保つのが難しいこともありますよね。

そこで今日は、心理学の知恵を借りて、リハビリをより効果的に、そして続けやすくする方法をお話しします。

特に役立つ5つの方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

一緒に、皆さんのリハビリをもっと実りあるものにしていきましょう!

1.目標勾配仮説

説明: 目標が近づくほど、人はより強くモチベーションを感じる傾向があります。これを利用して、達成可能な小さな目標を設定し、患者さんのやる気を引き出すことができます。

声掛けの例:

  • 「あと3回で今日の目標達成です。ラストスパート、頑張りましょう!」

  • 「目標まであと1キロです。ここまで来たら、もう少しですよ。」

2.ピークエンドの法則
説明: 体験の印象は、最も強い瞬間(ピーク)と最後の瞬間(エンド)によって大きく左右されます。リハビリセッションの終わりに肯定的な体験や達成感を感じられるようにすることで、全体的な満足度を高められます。

声掛けの例:

  • 「今日のセッションの最後に、これまでの成果を振り返ってみましょう。どんな進歩があったか、一緒に確認しましょう。」

  • 「セッションの締めくくりに、今日学んだことを簡単におさらいしてみましょう。どの部分が特に印象に残りましたか?」

3.プラセボ効果
説明: 患者さんの信念や期待が、実際の治療効果に影響を与えることがあります。リハビリの効果に対する前向きな期待を持ってもらうことで、回復を促進できる可能性があります。

声掛けの例:

  • 「このエクササイズは最新の研究に基づいています。きっと良い効果が出ると思いますよ。」

  • 「多くの方がこの方法で成果を出しています。あなたもきっと良い結果が出せるはずです。」

4.アンカリング効果
説明: 最初に提示された情報(アンカー)に引きずられる傾向があります。適切な目標や基準を設定することで、患者さんの努力の方向性を導くことができます。

声掛けの例:

  • 「先週は15分歩けましたね。今週は17分を目指してみましょう。」

  • 「通常、この動作の習得には1ヶ月かかりますが、あなたなら3週間で達成できそうです。」

5.小さな成功の法則
説明: 小さな成功体験が次の行動へのモチベーションを高める効果があります。些細な進歩でも認識し、称賛することで、患者さんの自己効力感を高め、継続的な取り組みを促進できます。

声掛けの例:

  • 「今日は昨日よりも腕が5cm高く上がりましたね。これは大きな進歩です!」

  • 「バランスを取る時間が3秒伸びました。一つひとつの小さな成功が、大きな変化につながりますよ。」

これらの認知バイアスを理解し、適切に活用することで、リハビリテーションの効果を高め、患者さんの継続的な取り組みを支援することができます。ただし、個々の患者さんの状況や心理状態に合わせて柔軟に適用することが重要です。また、過度な期待を抱かせないよう、現実的な目標設定と誠実なコミュニケーションを心がけましょう。

リハビリテーションの現場では、これらの認知バイアスを意識しながら、患者さんとの信頼関係を築き、その人に合った最適なアプローチを見つけていくことが大切です。小さな進歩を積み重ね、長期的な回復と自立を目指すサポートを行っていきましょう。

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