短編小説『ネット・ダンス-きみが踊る理由-』
数年前にサービス終了した、『アバターランド』
僕は、家族にパソコンを買ってもらったときに登録していたんだ。
キャラクターとして歩いてみてわかった。
みんな初期設定で使える顔だから、差がないんだよね。自分とそっくりなアバターに出会うと、何も言わずにすれ違った。
『アバターランド』は、コミュニケーションをユーザーのあいだで頻繁にできないよう設定されていた。一回ひらがな五文字までで、ふきだしとして画面に表示されるだけ。
初めて『アバターランド』を歩いたとき、「カラフルな街だなあ」と