小説:イグニッションガール
【2000字ジャスト】
「低気圧ぶっころす」と、私は目が覚めると同時に呟いた。
パジャマにしているパーカーのフードで首のストレッチをしたが、頭は重いままだった。
たぶん今、頭が2トンくらいある。
私はベッドに寝たまま身体をずりずり移動し、テーブルの上のペットボトルに手を伸ばした。
しかし、あと少しのところでペットボトルは向こう側に倒れた。
私は天井を見つめたまま、「ミルクティーぶっころす」と呟いた。
空腹ではなかったけれど、頭痛薬を飲むためになにか食べようとキッチンに下りた。
「頭が痛いときはカフ