小説:神様はクレームを聞かない
【2000字ジャスト】
「昔さぁ」と私は言った。
「なんかの記念?なんだろあれ。わかんないけど、SLが走ったことがあったのね」
「SLってなに?下ネタ?」と彼女は言った。
「下ネタが走るってなに?逆に。SLは、えーと、蒸気機関車?」
「へー」
「興味もないからとくに見に行ったりもしなかったんだけど、部屋でぼーっとしてたら、遠くから汽笛が聞こえてさ。汽笛って、ぽーーってやつね」
「それぐらい知ってるよ!」
「お、おぉ。汽笛知っててSL知らんのか」
「汽笛って呼ぶのは知らなかった」
私はツッコまずに話を