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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2018年1月の記事一覧

1962年のロックンロールと2018年のボーカロイド

2007年の初音ミク発売に端を発するボーカロイド文化は、音楽文化の中にどのように位置づけられるかということについて、今日様々な場所で様々な見解が示されています。例えば、00年代後半以降の4つ打ち高bpmロックの象徴的存在としての評や、音ゲーに代表されるゲーム音楽の要素、はたまたアニソンやその中に息づく伝統的電波ソングの潮流など、様々なものとの関わりについて評されています。ボーカロイド音楽の文化としての真新しさは、ネガティブ/ポジティブに関わらない数多くの評論を掻き立てるほどエ

マ社長の星屑レビュー☆第27回「エコーズ・オブ・ジャパン/民謡クルセイダーズ」

2018年、明けましておめでとうございます&今年もよろしくお願いいたします。 というわけで、新年一発目に何を書こうかと思ってパソコンを眺めていたら、まあ無い。聴きたいもの見当たらないです。なんだか時代に取り残されているような気分にもなったのですが、本厄やしまあえっか。ということで、新年早々時代を憂うような気持ちにはならず、のんきに探してみました。そこで見つけたのがこちら、「民謡クルセイダーズ」さんです。名前からなんとなくの想像はつくものの、この大編成のコミュニティー。ヒッ

小室哲哉さんの会見について。

小室哲哉さんの会見について。 すぐには考えがまとまらなかったのだけれど、会見をみて、ナタリーの書き起こしとモデルプレスの会見全文を読んで、なんというか、心がぎゅっと締め付けられるような感じがあったので、あくまで僕の思うことを。 小室哲哉、涙の引退会見「悔いなし、なんて言葉は出てこない」(写真12枚) - 音楽ナタリー https://natalie.mu/music/news/265902 <小室哲哉 会見全文>50分間の激白…不倫疑惑報道、頭にあった“引退”、KEIK

世界観という言葉について

noteでこういうことを書くのは実験的なのだけれど、引っかかっている事柄について、書き記しておこう。 「世界観」という言葉について。僕がまず思い浮かぶのはクリープハイプの尾崎世界観の名前なのだけれど、もちろん彼が名乗る以前から、ある種のマジックワードとして日本語圏に敷衍している。 ――ライブを見た人に「世界観がいいね」と言われたことで、「曖昧な言葉でなくもっとちゃんとした言葉で言ってほしい」という思いもあり、そう言われないように「世界観」と名乗るようになったそうですが、そ

そっと、確かに、響かせる #01:オーディオ入門本がわからない

硬派すぎる入門と軟派すぎる入門僕は音楽マニアにはなりましたが、オーディオマニアにはなりませんでした。皆さんはいかがでしょう。 音楽を聴いて楽しむ人はおおまかに、音質=ハード(オーディオ機器)にお金をかける人と、音質は二の次で音楽=ソフト(CD、レコード)にお金をかける人とに分かれると思っています。前者は今ならハイレゾ*や中古高級オーディオなどに嵌る人。音響重視のSACDや、LPならオリジナル盤のファーストプレスを探す人*、など。後者はレコード屋巡りが日課になっている人だった

「鍵盤ハーモニカ」という、楽器のおはなし。ピアニカとはどう違うの?各機種の特徴・音比べ。おすすめ種類!

こんにちは、studio iota labelのビビリな冒険家・前田サキ(@nagareruiota)です。 旅先でだって演奏したい!! 携帯できる楽器だったら持ち運べるのに! ミュージシャンの皆様。 趣向を凝らしているのではないでしょうか? … 「世界一周するために、ギターを始めた。」 「海外にも持ち運べるようにとプロのドラマーが知恵を絞って考えたのが、スネアドラムで七色の音色を出すこと。」 「ヴァイオリンやサックスだったら、そもそも持ち運べるよね」

そっと、確かに、響かせる #00: 「選ぶ」「買う」ことの次の、「響かせる」こと

  はじめまして。「雨と休日」というCDを専門とするお店を経営しております、店主の寺田と申します。 「雨と休日」は「穏やかな音楽を集める」というあいまいなコンセプトでCD(アルバム)を選盤することによって、「ジャンルや時代という目に見えない決まり事を取っ払った音楽と音楽とのつながり」を提案している、そんなお店です。2014年末まで東京・西荻窪にてお店を構えておりましたが、現在はオンラインショップのみにて営業をしております。 http://ameto.biz/ このnot

世界で一番レアなレコード

世界で一番レアなレコード、それはどれか? 頭の中が中学生マインドなレコード好き(つまり、ぼくのような)がしそうな話題だが、じつはこの問いには正解がある。世界で一番レアなレコードはどれなのか、それはもう決まっている。存在するけど、おそらく今後永久に、市場やオークションでお目にかかることはないし、何億円払っても手に入れることはかなわないだろう作品。 1959年、そのレコードは世界でただ一枚だけプレスされた。 なんだ、テスト盤とか、そういう類の話かよ、と勘違いされるかもしれな