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なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その3

 なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか? その問いに答えるためには、やっぱりこれくらい(約2万字)の思いが必要だった。〈FRUE AOMORI〉の中心スタッフにして、FRUEとブラジルとのつながりに欠かせない存在であるミハルさんの半世は、ある意味で、FESTIVAL de FRUEの人間臭い陰影とも重なり合う。  ミハルさんが前回のエルメート来日時にツイートした、この一節をずっと覚えていた。 預言者のような風格を持つエルメートだけに、自分の死期を予見してい

    • なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その2

       いよいよ2023年11月11日に行われるエルメート・パスコアールの青森県の八戸市南郷文化ホール公演が目前に迫ってきた。  「なぜエルメート・パスコアールは今度は八戸に行くのか?」の初回ではまず、FRUE AOMORIを立ち上げたヤスさんとミハルさんに今回の青森公演開催に至るまでの経緯を聞いていった。ヤスさんが営む6かく珈琲が台湾でのイベント出店のため取材から退席した流れで、ここからは今回の八戸公演だけでなく、FRUEとブラジルのミュージシャンとのつながりにおいて、とても重

      • なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その1

         2023年11月11日、エルメート・パスコアールの青森県の八戸市南郷文化ホール公演が行われる。コロナ禍をはさんで4年半ぶりの来日。ジャパン・ツアーは11/1の東京Billboard Live Tokyo公演からスタートし、FESTIVAL de FRUE(11/4)、大阪ユニバース(11/7)と続き、最終日が青森(共演:折坂悠太)となる。  しかし、ことはそう簡単な話でもないし、単に変わったところにブラジル音楽の至宝を連れてゆくことを面白がっているわけでもない。あくまで公

        • 2022年の「MUSIC FLAG」全選曲

          2020年5月に思いがけず声をかけていただき、NHKラジオ第一(R1)「らじるラボ」のコーナー〈MUSIC FLAG〉に月イチで出演することになりました。 2022年10月から番組リニューアルのため、全コーナーが終了ということで9月16日が最終回。聴いていただいたみなさん、ありがとうございました。 では、今年1月から9月までの全選曲を記載しておきます。 1/21(国会中継のため1時間の短縮ヴァージョン) 干支ソング! 【FLAG1】まずは寅年!虎の歌を聴こう!! 和田

        • なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その3

        • なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その2

        • なぜエルメート・パスコアールは、今度は八戸に行くのか?/〈FRUE AOMORI〉担当者に聞く その1

        • 2022年の「MUSIC FLAG」全選曲

          『アザー・ミュージック』の日本上映実現がなぜ快挙なのか

           2022年9月10日から渋谷のシアター・イメージフォーラムでロードショーが始まった映画『アザー・ミュージック』。配給はインディペンデント映画の独自配給で近年注目されるグッチーズ・フリー・スクール。  マンハッタンのイーストヴィレッジの一角で、1995年から2016年まで営業を続けたインディペンデント・レコード・ストアの歴史と成り立ち、そして閉店を迎えるまでの数日を追ったドキュメンタリー映画だ。  何度か書いたりしゃべったりしているが、ぼくは自分の仕事のひとつがレコード買

          『アザー・ミュージック』の日本上映実現がなぜ快挙なのか

          「新刊さんいらっしゃい!」 ~ 安田謙一&松永良平Wリリパのお知らせ

          自粛要請も気になる今日このごろではありますが、安田謙一さんとぼくのトークと、最強DJ陣によるパーティーを開催します。 ===================== 「新刊さんいらっしゃい!」 ~ 安田謙一&松永良平Wリリパ:『書をステディ 町へレディゴー』&『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』発売記念トーク&DJショー 昨年末、相次いで新著を発売したロック漫筆家・安田謙一とライター・松永良平をめぐる最高のメンバーが集結したイベント、京都・誠光社に続いて東

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          『平成パンツ』ツアー備忘録 その2

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』ツアーの続き。 ◼️1/17(金)大阪・中津 ハワイレコード  『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』出版記念トーク&DJイベント 出演:dj boyfriend/松永良平  GUIROなどの現場でもいつも顔を合わせて、ちょっと話したりしてたハワイレコードのクボさん(dj boyfriend)からのお誘いでのインストア・トーク。  じつのところは、前日16日の夜中に浦朋恵さんのラジオ『ON THE

          『平成パンツ』ツアー備忘録 その2

          『平成パンツ』ツアー備忘録 その1

           『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』発売から一ヶ月が過ぎた。  去年12月15日のつくば・千年一日珈琲焙煎所に始まり、年が明けて1月26日の八女・朝日屋酒店まで、あちこちでトークをしてきたので、ここらへんで一回自分なりに覚書としてまとめておきたい。 ◼️12月15日(日)茨城・つくば 千年一日珈琲焙煎所 PEOPLE BOOKSTORE PRESENTS 〈『マーキュリー・シティ』からの便り( Letters from Mercury City)〜「か

          『平成パンツ』ツアー備忘録 その1

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』イベントいろいろ

          トークなど、イベントのスケジュールがちょっと混雑してきたので、まとめました。 ★1/17(金)大阪・中津 ハワイレコード(大阪市北区中津3-17-11) 『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』出版記念トーク&DJイベント 19:00 OPEN 19:30 START チャージ ¥1000+1D ●定員15人(狭小スペースのため基本スタンディングになりますがご容赦ください!) フード、ドリンク、物販もあり。 ご予約はこちら(残わずか) ハワイレコード店

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』イベントいろいろ

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック アウトテイク2 平成元年(1989年)

           最近、ハイファイ・レコード・ストアで一緒に働いている同僚の話に「福ちゃん」という名前がよく出てくる。  その福ちゃんはSweet Dreams Pressを主宰する福田教雄くんのこと。ぼくも結構長い付き合いになるが、彼のことを福ちゃんと呼んだことはない。なんだ、そんなに親しくないのかよ、ってことではなく、ぼくの記憶のなかにいるもうひとりの「福ちゃん」が頭の片隅からちょっかいを出してくるから。  ちょっかいといっても、ぼくの知ってる福ちゃんは無口な男だったから、クレームをつけ

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック アウトテイク2 平成元年(1989年)

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』発売日です。

          本日12月17日、『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』の発売日です。 ぼくの単著としては2007年に出した『20世紀グレーテスト・ヒッツ』(音楽出版社)以来12年ぶり。あの本はハイファイ・レコード・ストアのウェブマガジンで連載していたインタビューから出発しているし、企画の立ち上げには店主の大江田信さんも深くかかわっていたので、自分の本ではあるけれど大江田さんの熱意もあったし、何よりインタビューに応じてくれた人たちの人生も含めての「合作」でもありました。

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』発売日です。

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が単行本として発売されます。続報。

          2019年12月17日に晶文社から発売される『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』。表紙がクリーム色になりました。 そして、ありがたいことに、小泉今日子さんに帯のコメントを書いていただきました。 音楽と、友情、恋愛、別れと涙。 これはもう青春小説だと思う。 そして、音楽を創作する側の人々にとって、 松永さんのような存在は宝物だとも思う。 ──小泉今日子 え? これっておれのことが書かれているのか? と一瞬目を疑い、頬をつねり、眠気覚ましのガムを噛みまし

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が単行本として発売されます。続報。

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が単行本として発売されます。

          2019年12月17日、晶文社から『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が単行本として発売されます。 今年の元旦から、ほんの思いつきで書きはじめ、平成最後の日に完結した連載を本にしたいという声を編集者の林さやかさんにかけてもらいました。本当にありがたいことだし、うれしいです。 本の詳細については、まだこれからすこしずつ情報が足されていくことになります。基本的にnoteに書いた内容なのですが、単行本化にあたっては加筆修正もたくさんしました。ここに残してある内

          『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が単行本として発売されます。

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック 31

          2019年、パパ・ウェンバ「ジュンシー」 はじめてニューヨークに来たのが1989年、すなわち平成元年。そしていま、平成が終わる日(日本時間で)に、ぼくはニューヨークにいる。図ってそうしたんじゃない。ぐうぜんが重なっただけのこと。だけど、そのぐうぜんはいろんな意味をぼくに問いかける。 ここ数年で、ニューヨークからだんだん見かけなくなってきたもののひとつにイエローキャブがある。かつてはタクシーでなければ車じゃないと言わんばかりに一般車を押しのけて我が物顔でクラクションを鳴らし

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック 31

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック/B面 30-30

          1989年、ニッキー・ホプキンス「ドリーマー」 1989年、生まれてはじめての外国旅行がニューヨークだったと、この「平成パンツ」連載の最初に書いた。帰国直後に借金を作り、彼女にふられたことも書いている。 じつは、その顛末には続きがある。 当時、ぼくは『マイルストーン』というサークルに所属していた。この年、ぼくら『少年ヘルプレス』の企画で、毎年2冊発行される通常号の秋号に「イカすミニコミ天国」という特集を打っていた。ぼくらが所属していた「マイルストーン」や「早稲田乞食」と

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック/B面 30-30

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック/B面 30-29

          上田正樹とサウス・トゥ・サウス「始発電車」 はじめて来たか、もしくはそこにいたことを完全に忘れていたのに思っているのに、突然その街の記憶が猛烈によみがえってくることがある。 今年(2019年)に入ってDJをする機会がなぜか増え、たいしてうまくもないのにいそいそとレコードを用意して出かける。こないだ7インチ箱を見ていて、一枚の日本盤シングルを手に取った。 上田正樹とサウス・トゥ・サウスの「やせた口笛で/始発電車」という7インチ。レーベルがキティなので、すでに上田さんのソロ

          ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック/B面 30-29