見出し画像

【映画感想文】50セントが主演!「ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン」 長ったらしいタイトルだが蓋を開けてみれば最高すぎた!

ヒップホップ界のスーパースター“50セント”の半自伝的物語を、50セント本人の主演で映画化。

映画.comより

こんにちは。2日連続ジェイソンです。つい昨日、ラップとかミュージカルを題材にした映画を探していた所、あの50セントが主演をしていた映画を見つけました。しかもそれがなんと99円。「これは見るしかない」心を握られ速攻で買って視聴しました。
めっちゃ濃厚でしたね。今回はその「ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン」について書いていきます。
その前に↓

今だけレンタル99円!(12月28日現在) お得過ぎるぞ!↑

※ネタバレを含みますのでご注意ください※




簡単なあらすじ

主人公マーカス(50セント)はドラッグの売人であり、成功を収めた。だがしかし、多くの妬みやしがらみに絡まれ、9発の銃弾に倒れてしまう。しかも、そのうちの1発は頭部に当たった。彼は心肺停止状態になった。だが、走馬灯を見る中で、彼は命を吹き返した。

この作品は、ひどい人生を送っていたマーカスがどうやって莫大なキャリアを築いたのか、その真相に迫った半自伝映画だ。


感想

汚い表現となりますが、本当にWhat the f**kでした。

タイトルは長ったらしいですが実際に見てみればその長さに見合わないほどの体感時間の短さでした。いや、短いともいえないです。短いはずなのに、内容が濃厚すぎて受け止めきれないです。
”成功を目指して努力する” 簡単なテーマのはずなのに、情熱、愛、反省などがギッシリと詰まっていました。


貧困やドラッグ、殺人に溢れかえる街に生まれ、父親を知らず、幼少期に尊敬と愛をしていた母親も殺された超過酷な状況でここまで強く生きてきたなんて信じられないです。それに加えて9発の銃弾に倒れ、心肺停止となって一度死ぬ。でも生き返る。まさに不死身です。

私はそんな過酷な状況で育ってきた訳では無いですが、それでもどこか共感できるような物がありましたね。人間ながらの共感性の高さだと思います。劣悪な環境でも無く、親族を殺された訳でもなく、自分自身の命の危険が迫っていた訳でも無いのにこの映画を見ていると不思議と尊敬や情熱や哀しさが出てきます。見ているだけでこれらの感情が出てくる映画は初めてでした。


また、作中で敵であるマジェスティックが終盤で手に入れた杖の中に隠してあったナイフでマーカスを刺そうとしますが、マーカスの仲間に射殺されてしまいました。私は勝手ですがそこに意味があると考えています。
杖というのはOxford Languagesによると1.歩行の助けとして手に持つ細い棒ですが、2.昔罪人を打った刑具とあります。さらに、ナイフはNobile Custom Knivesによると力の象徴とあります。

このことから、マジェスティックは彼が手に入れた絶対的な権力、”力”で罪人であったマーカスを刺そうとしましたが、マーカスはもう更生していたので刺すことができずに射殺されてしまったということが分かります。
これが伝えたいのは、”マーカスはもう既に更生し、真っ当な新しい人生を生きることに決めた”ということだと思います。素晴らしい!


私はなぜ50セントの滑舌が悪くて聞こえが悪い声をしているのか不思議に思っていながらも、それを見過ごしていました。そして今回、この映画を見ているとその理由が分かりました。

彼は撃たれた際、一発が顎に当たっていたのです。そしてこれが彼の喋りに影響を与え、彼の声とミックスされ、聞こえが悪くなったのです。ですが、彼はそれをあえて音楽にそのまま使っています。
その理由は彼のガールフレンドから「滑舌が悪いほうが痛みを感じるわ」と言われたからです。ここでの痛みは良い意味で使われています。ラップというのはただ音楽に載せて韻を踏むだけでなく、アーティストによって詩にメッセージが込められているものです。

50セントのメッセージはおそらく「見ろ!俺はこんな痛みにも耐え抜いたぞ!お前は耐えられるか?」と「この痛みには様々な出来事と感情がある」というメッセージを伝えたいのだと思います。

↑なんか聞こえが悪いんだよなぁ

あと、多分この話は90年代のアメリカが舞台です。なので、昔のギャング達のファッションを見ることができます。ティンバーランド、ブカブカのデニム、灰色のパーカー、革のジャケット。昔らしくてかっこいいです。

私はこれを見た後、なんか経験したことがある感じに襲われました。そして思い返してみると、「8 Mile」を見た後にも同じ感じになったことに気づきました。確かに、物語のプロットや設定は似ている。でも、完全に一致している訳でも無い。どこかが違う。(良い意味で) これは謎ですね。本記事を書いている今でも心残りです。分かったら追加で書いておきます。

追記12月30日
分かってしまいました。2つの作品はキャラの生まれや育ち、環境などの設定は似ています。ですがよく見ると、次のことが分かります。
・ゲット・リッチ・オア・ダイ・トラインでは”更生”や”人間関係”についてよくフォーカスしている。
・8 Mileでは人間関係もありながらも、どちらかというと”一人”での”ピュアな這い上がり”についてよくフォーカスしている。
複数人か一人かの違いだけですが、それがかなりテイストに違いをもたらし、それぞれ品が出ていました。これこそが2つの映画の違いです。ちなみにこれを考えて答えを出すのに結構苦労しました。


8 Mileについて、詳しくはこちらをどうぞ。


最後に

今回はラップ界のレジェンド、50セント主演「ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン」について書きました。
現代日本と90年代のアメリカの貧困都市では驚くほどの差があり、それを説明されても私には分かるわけ無いのですが、この映画を見ていると「こんなに厳しい世界だったんだな」と思いました。そして、その世界で成功した50セントには尊敬ですし、境遇こそ全く違うものの、彼から「這い上がることの大切さ」を学ぶことができました。

俺はすべてをやり遂げるまで、どこにも行きはしない・・・・・50セント


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。
フォローお願い申し上げます。







タイトル画像はこちらを編集したものです。

www.photosbyalyssa.com, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/19/50_cent_en_concierto_%28cropped%29.jpg


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集