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最終話 私たちだけの宝物 ~4~
こんにちは!ゆりゆりです!!
今日で・・・ついに最後になります。
最後のお話、楽しんでください!!
では、どうぞ!!
~~~~~~~~~~
「一体いつ、こんな”パフェ”を作ったの!?」
パフェは、とても驚いています。
「うん、それはね・・・」
二人は、話し始めました。
~三日前~
「いちご、スピカ、私、ちょっと買い出しに行ってくるから待っててね」
「はーい!」
『がちゃ』
その時は、二人はもうすでに、パフェがお菓子の国に帰らなくてはいけない事を知っています。
そのことで、いちごは前から考えていたことがあったのです。
「・・・スピカ、あのね!!」
パフェがツリーハウスを出てすぐ、いちごがスピカに話しかけました。
「何?」
「・・・スピカ・・・」
いちごは、パフェの為に”いちごパフェ”を作る計画をスピカに伝えました。
「え?あ・・・ んっ???」
スピカは少し混乱しています。
「どうしたの、何か気に食わない事でもあったの?」
「あ、いや・・・『イチゴパフェ』って・・・何なの?それって、パフェといちごのことじゃなくて?」
「あっ・・・!!(そういえばスピカって、”パフェ” 知らないじゃん!)」
「あのね!パフェって言うのは、お菓子なんだよ!」
いちごは少し焦った様子で言いました。
「へー・・・どんなお菓子?」
スピカは聞き返しました。
「えーっ・・・ とねぇ・・・ 細長ーい器に、ジャムとかいろいろ入ってて、真上に『冷たい雲(ソフトクリーム)』が乗ってて・・・」
いちごは身振り手振りをつけながら説明しました。 それでも、スピカは首をかしげました。
「うーん・・・ もう、見せた方が早いよね!!」
「???」
**********
『ガチャ・・・』
二人は、パフェの部屋に入りました。
「だっ、大丈夫なの!?怒られたりしない・・・?」
「大丈夫だよスピカ!何回も入ったことあるし!」
いちごはそう言って、正面の大きな本棚から『パフェ大図鑑』という本をとり出しまして、スピカに見せました。
その本には、いちごパフェの作り方ものっていました。
「”パフェ”って、すごくきれい・・・! 賛成!一緒に作ろ!」
「スピカ、ありがとう!!」
「ところで、ここのキッチンで作ってたらバレちゃうけど・・・どうする?」
スピカは言いました。二人は顔を見合わせ、首をかしげます。
「・・・この本を借りて、どっちかの家で作る・・・とか?」
いちごは言いました。
「いいね!!だったら、私の家に来てよ!」
「ありがとう!!」
**********
『ガチャ、』
すると、パフェが帰って来ました。
「おかえり!パフェ、パフェの部屋にある本、どれか借りてもいい?」
いちごはそう言いました。
「いいよ!けど・・・どうして?」
スピカはこう答えました。
「・・・・ 二人で一緒にお菓子作りたいと思ってさ!!」
「ある意味本当だよね」
スピカはその後にいちごにささやきました。
「分かった。貸してあげるね!」
「あっ、もうこんな時間!!パフェ、スピカ、私、帰らなきゃ・・・!」
「じゃあ私も」
「うん、二人とも、今日もありがとう!!」
そうして二人は、スピカの家でパフェを作りました。
**********
「・・・それで、出来上がって、今日ここに来た時に、冷蔵庫の奥に入れて冷やしてたってわけ。」
「二人とも・・・・ありがとう!!」
「さあ、パフェ、食べてよ!」
「待って!せっかくだから、三人で食べよう!!」
しばらくして、みんなで、美味しいいちごパフェを食べ終わりました。
**********
次の日。鳩時計が午前六時を知らせると、三人は次々と起き出しました。
「おはよう~!!」
最後に起きたのはいちごでした。
「おはよう!もう朝ごはんの準備できてるから、みんなで食べよう!!」
「は、は~いっ!!」
三人は急いで席に座りました。
「・・・三人で、最後のご飯・・・」
その時、スピカはつぶやきました。
「最後だから、いっぱい話そうよ!二年間の間、寂しくならないように!」
三人は、楽しく朝ご飯を食べました。
**********
~数分後~
「ごちそうさまでした!!」
三人がそう言った途端、ふわっと、甘い香りがしました。
「みなさん、こんにちは!」
そこにいたのは、クッキーでした。
「クッキーさん!!」
「あ・・・あの時の!!」
「えっ!? クッキーが・・・しゃべってる」
パフェといちごとスピカは、それぞれそう言いました。
「パフェさん、お菓子の国に戻るまで、もうすぐですよ!」
クッキーはそう言いました。
「そ、そんな・・・」
「・・・・うん、伝えてくれて、ありがとう。」
パフェはそう言いました。そして、「では!」とクッキーが言うと、甘い香りが消えていきました。
「・・・・」
「パフェ。いままでありがとう。」
いちごがそう言いました。
「お元気で・・・!!」
スピカもそう言いました。
「・・・・・・いちご・・・・私がいちごに出会ったのは、いちごの心が優しかったからなのよ。」
パフェは、小さな声で言いました。
「えっ・・・?」
「自分のためじゃなくて、『人のため』に、お菓子を・・・世界一美味しいお菓子を、食べさせてあげたいっていう気持ちが・・・すごくきれいだったの・・・!!!」
一すじの涙が、パフェの頬を撫でました。
「私は・・・その優しい気持ちを、ただ支えたくて・・・!それで、いちごのところに来たの・・・」
「・・・・そういう意味だったんだね・・・!」
いちごの目からも、
「私もだよ・・・最初に食べたお菓子なんて、本当においしかった・・・!パフェといちごが優しく教えてくれたから、お菓子が大好きになったの・・・!!」
スピカの目からも、涙がこぼれ落ちました。
「二人とも、 あ、 りが、 とう・・・!!」
パフェの体がゆっくりと消えていきます。
「パフェっ!!」
いちごはパフェの手を握りしめました。
「わたし、待ってるから・・・!二年先まで・・・それを超えたとしても・・・!!」
いちごは大きな声でパフェに向かって叫びました。
「・・・!」
「私も!ずっと、ずうっっっと、パフェのことを想って・・・待ってる・・・!!!」
スピカもそれに続いて言いました。
「・・・待ってて・・・! 二年先に合う時に、お菓子作りがもっとできるようになってること・・・ 楽しみにしてるからね・・・!」
「・・・うんっ!!」
**********
いちごは、にぎっていた手を、開きました。そこには・・・・その目の前には・・・・もう誰もいません。
気が付くと、パフェはそこにいませんでした。
「頑張るね・・・!」
そして、いちごとスピカは大きな声で誓い合ったのでした。
「パフェが帰って来るまで、頑張って、たくさんお菓子作りをしよう!
パフェに、戻って来た時、美味しいお菓子を食べさせてあげられるように・・・!!」 と・・・・
―――― その時、二人の間を、そよ風が通り過ぎました。
その風は、優しく 「頑張れ!」と、応援しているようでした―――
おわり
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます!!
私にとって、この話は、とても思い入れのあるお話で、私の中の最高傑作と言えます。
自分で描いていてなんですが、何だか人生の学びを得られたような、そんなお話です。
全12話+noteオリジナル回の『パフェといちごのスイートツリーハウス』
・・・ここに、完結!!!!