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読むのは苦手、そして本を読む


今日から久々に読書を

“ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2”

ふらりと、とある大切な人の腕時計の電池交換をしてもらいに出かけた日。駅に隣接したちょっとしたショッピング街みたいなところにある時計屋さん。「15分ほどかかります」と言われたので、そのまま歩いてすぐだったブックファーストへ吸い込まれていった。

水色の背景に私の好きなタッチの少年が描かれた表紙を見つけたのは、ぐるっと店内を回って出てきたところだった。このタイトルはもっと前に見たことあるぞと近づいて見れば、”2”とあったので、あぁそういうことかと。なんとなくあらすじを読むと興味をそそられてしまったけれど、文字を読むのは苦手でしばらく読書から離れていた私はそれを買うことなく、時の戻った腕時計を受け取って帰路についていた。そもそも”2”から読むのは違うなぁと思ったのもある。

そんな私は今日、まだ”2”が添えられていない黄色い表紙をめくり、16に分かれた項目の1つ目を読み終えていた。

“ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー”

ブレイディみかこさんの本。相変わらず3〜5行程を時々3,4回読み返しながらも、リアルな目線がそのまま脳裏に流れていくような感覚を味わいながらページをめくっていた。著者の紹介欄にもあって後からなるほどと思った訳だけど、ブレイディみかこさんは音楽好きで渡英されていたので、有名なバンドの名前がチラホラ出てきた。同じく大学で音楽サークルに入っていた私はそこで知ったバンドを辿っていくように本の中に入り込めた。

ここでこの本のレビューをさせて頂くわけではないけれど、久々の読書の感覚に少し心が落ち着いたように感じた。私なりに読んでいこう。

読むのが苦手なのか、理解するのが苦手なのか、知るべきは。

大胆にも読むのが苦手と記したけれど、生活に大きな支障をきたす程のものでもなければ学校の読書タイムはむしろ好きだったぐらい。時間が迫っている時に少し困る感じだな。んー、何が苦手なんだ?苦手と思っているだけなのかな?

国語の教科書や何なら英語の教科書でも、授業中読むよう当てられてもスラスラ読めていた方だと思う。ただ、現代文の全国テストなんかは良くなかった。時間内に内容を理解する、と言うのが少し苦手なんだろうか。それが何となくわかっていたからか、多分真面目な生徒として扱われていた私はあえて読書タイムに漢字だらけの歴史物を選んでは、半ば行を辿ってページを捲るだけのマシンと化していたことがあった。友だちに「読んでいるフリ??笑」と速読の域も超える速さを突っ込まれて吃ってしまったのは苦い思い出。笑

一度興味を持てばゴリ押しで読み進める。読書感想文なんかはズバリそう。提出期限というものがあるから内容が大体わかればオーケーという勢いでページ数を伸ばしていった。小学校高学年のとき感想文に選んだのはデイヴ・ペルザーの「”It”と呼ばれた子」という、著者が受けたカルフォルニア州最悪といわれた虐待の経験とそれを乗り越えていくまでの話が綴られた本。この作品に至っては少年期、青年期、そして完結編まである長めのものであったけれど、よく読み切ったと思う。読めていたのかは、分からないけれど。青年期を読み終える頃には完結編が気になって仕方がなかった。友だちが読んでいて内容に興味を持ったのがきっかけだが、今思えば勢いで読んだとはいえ、当時の心にはどこかで変な共鳴を感じた作品だった。
偶々ここに書くのに思い出そうと本を検索していたら母が来て「そういえばあんたそれ人権作文の文集に出される予定が先生が無くしちゃってすごい謝られてたよね笑」と言われた。そんなこともあったっけか。笑

数行を何度も読み返すことがある。だけれど根本的な障壁は、理解力の部分かもしれない。聞いても分からないとき、あるからな…。みんながすぐ先生の言われた通りに動き出して1人焦っていたことは何度もあった。いや、1人というか、そもそも先生の話を聞く気のない友だちと一緒に困惑していた気がする。単に集中力の欠如、なのかな。

大好きな「西の魔女が死んだ」(梨木香歩)は3回読んで3回泣いた。
母の実家の部屋にあった星新一作品は超短編の中であらゆる次元に連れていかれる感覚にのめり込んだ。
中高共に出身校が同じだったのもあり手に取った村上春樹作品は…1Q84はあと20回ぐらい読まないと底に手が届きそうにない。笑 それでも無理かもしれない。

“ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー”。何気にこの記事を書き出してから2日目に入っていた今日、あっという間に3章目に入ってあえて一旦閉じている。

1歩進んで2歩下がれど、3歩進めている。ただ一気に5歩進むと元来た道を見失うのが私なんだろう。読めない、理解できない、集中できない自分じゃなくて、どのくらいなら読めて、理解できて、集中が続くのか、知ることはできる。

きっと今までも自然と、そうやって生きてきたと、思っておこう。
少しブルーを留めたままで。

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