おすすめドリップコーヒー器具!元コーヒー器具屋のオーナーセレクトリスト
コーヒー器具屋をやっていたとき「おすすめのドリップコーヒー器具ってありますか?」とよく聞かれました。
このご質問って難しくて、コーヒー器具を選ぶときの基準って人によって大きく変わるんですね。
・インテリアに合った素材・デザインを優先される方
・味を優先される方
・味はそこそこでいいから手間を優先される方
・値段を優先される方
個人にヒアリングできれば別ですが、ネット上ではすべてのご希望にこたえることはできません。
そこで本記事では、「性能と値段のバランスがいい」ことを第一に、おすすめのコーヒー器具をご紹介していきます(お好みと違ったらごめんなさい!)
自宅ドリップコーヒーに最低限必要な器具
自宅ドリッパーに最低限必要な器具は以下の通りです。
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
以上です!あとはコーヒー粉があれば大丈夫。
お湯はやかんで、ドリッパーをマグカップの上に載せれば、それだけでも十分ドリップコーヒーは淹れられます。
コーヒーミルやドリップケトルはいらないの?と思われるかもしれませんが、必須ではありません。※理由は後ほど説明します
まずはドリッパーとペーパーについてご紹介していきましょう。
ドリッパーは一番好みが分かれる要素
まず、ドリッパーです。これは一番好みが分かれる要素。
なぜなら、ドリッパーの形で味がめちゃくちゃ変わってくるからです。
「ドリッパーの違いでそんなに味わいって変わるの?」とたまに聞かれますが、圧倒的に変わります。
以前、コーヒーセミナーをやったときは「これ本当に同じ豆なんですか?」と聞かれたぐらいです。
ただ、初心者のうちはドリッパーを選ぶのは大変。ここでは初心者向けということで2つだけおすすめしておきます。
すっきりした味わいならHARIO V60ドリッパー
すっきりしたキレのある味わいが好きなら、HARIO V60ドリッパーがおすすめ。
円すい形でお湯が底にたまらないため、お湯抜けがよく、スルスルと飲みやすいコーヒーが出来上がります。
比較的、浅煎り~中煎りのフルーティなコーヒー豆を提供しているコーヒー屋が使っていることが多い印象です。
ペーパーフィルターは円すい形のものを使用してください。
初心者でも淹れやすいKalita 101
円すい形と違って、お湯が底にたまるのでまったりした味わいになりやすいのが、Kalita 101。
メリットは、とにかく本体が安いこと。そして、ドリッパーに合う台形のペーパーフィルターがスーパーなどどこでも手に入れやすいことです。
味わいも老舗の喫茶店で飲みなれた味わいなので、飲んだことがあるという方は多いでしょう。
「形によって味わいが変わるなんて分からないし、とりあえず本格的なドリッパーがあれば…」という方にはおすすめのドリッパーです。
もし、これ以外のドリッパーの特徴や味わいを知りたい方は、下記の記事でガッツリご紹介しているのでよかったらご覧ください。
ペーパーフィルターを選ぶ際のポイント
ちなみに、ペーパーフィルターは円すい形と台形の違い以外に、漂白タイプ(白色)とみさらしタイプ(茶色)があります。
値段としては同じことが多いですが、個人的には漂白タイプ(白色)をおすすめします。
メーカーによってみさらしだと、紙のにおいがすることがあるからです。
別に気にならないという方もいらっしゃいますし、正直メーカーによるところも大きいですが、どっちも選択できるなら漂白のほうがおすすめです。
ドリップをするときに"あったほうが良い"道具
さて、ドリッパーとペーパーフィルターで最低限の道具がそろいました。
ここからは「ドリップするときにあると便利な道具」です。
・コーヒーサーバー
・コーヒーミル
・ドリップケトル
・コーヒースケール
名前だけだと分かりにくいものもあると思うので、少し紹介します。
コーヒーサーバーは性能差があまりないのでお好みで!
まずはコーヒーサーバーです。
コーヒーサーバーは、ドリッパーを上にのせて、抽出したコーヒー液の"受け"として使います。
抽出した液量が分かるメモリがついていたり、若干の違いはあるものの、メーカーが違ってもたいていのドリッパーはハマるので、性能差などはほとんどありません。
お好みで選んでもらって大丈夫。
最近人気なのは、ガラスではなく樹脂でできている割れにくいサーバーでしょうか?アウトドアブームで持ち運びに、お子さんのいる自宅などでの使用にニーズがあります。
それ以外のコーヒーサーバーや、コーヒーサーバーの選び方について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
コーヒーミルはせっかく買うなら少しこだわりたいところ…
コーヒーミルは持っていなくても自宅でドリップできます。
コーヒー豆屋なら、どこでもコーヒー粉を挽く電動ミルを持っているからです。
でも、コーヒー豆の状態とコーヒー粉の状態では鮮度のもち(酸化のしやすさ)が全然違います。
私がコーヒー豆を売っていた時は、コーヒー粉なら賞味期限を1週間、コーヒー豆なら1カ月で切っていたぐらいです。
家で美味しいコーヒーを淹れたいなら1つは持っておきたいところ。
HAIROやKalitaといったコーヒー器具屋の純正ミルなら、3,000円代からそこそこ使える手挽きミルがありますが、せっかくミルを買うならこだわりたいところ。
そんな方には、TIMEMOREのC2ミルをおすすめします。
コーヒー粉の粒のそろい方、挽きやすさなどを考えると、1万円以下の手挽きミルでは圧倒的なコスパの良さを誇ります。
このミルさえ持っていれば、よほどコーヒーマニアになりでもしない限り、もうコーヒーミルを買い替えることはないでしょう。
お湯の注ぎやすさが劇的に変わるドリップケトル
お湯の注ぎやすさが全く変わってくるのが、ドリップケトル(ドリップポット)です。
ドリップケトルはお湯を細く注ぐときに必要。
プロならやかんでドリップもできなくはないですが、それでもドリップケトルがあると段違いに淹れやすさが変わります。初心者ならなおさらです。
おすすめとしては、HARIOのV60ドリップケトルヴォーノでしょうか。
値段も安いですし、熱源も直火、IHなど、一通りの熱源に対応できるので、コストパフォーマンスに優れたドリップケトルです。
実はドリップケトルも若干ものによって性能差があるのですが、とりあえず初心者でなにを買ったらいいか分からない…
という方であれば、HARIOのケトルで問題ないでしょう。
味の安定度を劇的に変えるコーヒースケール
「自宅でのコーヒーの味わいが安定しない…」
というお悩みの方のほぼ100%がやっていないこと。それが"はかる"ことです。
コーヒー粉の量を量り、コーヒーにかけるお湯の量を量り、お湯をかける時間を計っていれば、最低でもある程度コーヒーの味わいは安定します。
タイマーとスケールが一体になったコーヒースケールを一台持つと、劇的に自宅コーヒーのクオリティは変わると言っていいでしょう。
コーヒースケールは値段が上がるほど正確さやレスポンスが早くなりますが、まだ初心者のうちはそのメリットもわかりづらいはず。
であれば、「とりあえず買っておく」ぐらいのスケールとして、アトラスのコーヒースケールをおすすめします。
Amazonなら2,000円程度というコスパの良さは多少性能に不満があっても許せるライン。
というか、4,000~5,000円のコーヒースケールでも不満があることはあるので、ぶっちゃけこのぐらいで十分です。
コーヒースケールは間違いなく自宅コーヒーの世界観を変えるので、興味があれば利用してみてくださいね!
もし、独学自宅コーヒーに限界を感じたら…
ちなみに、コーヒー器具の紹介は以上ですが、「自宅コーヒーでどうしても美味しく淹れられない」「誰かに基本だけでも教えてほしい」ということがあれば、コーヒー教室に通うのも手。
私がいま共同で事業を立ち上げている名古屋のIMOMコーヒーでは、自宅向けのハンドドリップコーヒー講座なども行っています。
こういったセミナーは全国的にあるので、もし独学に限界を感じたり、一人で悩んでいることがあれば相談するのもおすすめです。