大量の英語教師チラシ ネオンロード,香港
香港の油麻地の中心にネオンロードという大きな通りがある。大通りに接する建物からはネオンの看板が突き出して、夜になるとそれらが光る。
そんなネオンロードの一角を曲がり、路地裏に入ると無数のチラシが壁面を埋め尽くす光景が見られる。
日本人アーティストのライブ?のチラシも貼ってあれば、ビートルズが若干想起されるような4人組欧米人のチラシもあって、その種類はさまざま。
ただ特徴としてひとつ言えるのは、1種類のチラシを複数枚まとめて貼る傾向にあるということ。
この写真に映るチラシらしきものは全部で4種類あるが、どれも縦に3枚並べるという布陣をとっている。
確かに、1種類のチラシを1枚しか貼らなかったら、その他のチラシ集団に埋もれて潰されるかもしれない。
このように1種類のチラシをまとめて貼ることで大きく見せて、目立たせるというスイミーと同様の手法をとっているようだ。
英語の教師らしき人を紹介しているチラシもこの手法を採用していた。
パッと見て目に入ってくるのは「外国人が英語を教えてくれそうなチラシ」だ。
実際には、英語教師を外注しているのか受注しているのかは分からないが、「英語博士教」の中国語から、小学生や中学生に対して英語を教えますよというチラシだと予想する。
この1枚の画像には、同じチラシが6枚も映り込んでいる。確かに、目に入るという意味では「広告」としての最低限はクリアしているとは思う。
しかし、「我が子をこの先生に預けよう!」となるのだろうか。
雨やら風やらで剥がれかけているチラシに映る同一の英語教師の中には、顔が半分しか見えない方もいる。ましてや鉄パイプに貼られてしまった英語教師は顔がぐちゃぐちゃになってしまっている。
圧倒的な数のチラシで、チラシのクオリティーをカバーできているか分からない。
ただ、このチラシの中にある数字に注目してみると「30年」という数が書かれているとわかる。
もしこの「30年」という数字が、「30年もの間、香港の生徒たちに信頼されています」ということを示しているのであれば、この英語塾?は人気があると考えられる。(さすがに「30年間教え続けます」とは考えにくい。)
もしもこの英語塾が人気で、且つ生徒の集客の大部分をこのチラシたちが担っているのであれば、このチラシは広告として機能していると言える。
渋谷のスクランブル交差点にどデカく1つの広告を打つのとは反対に、香港の裏路地にはA4程度の広告が無数に打たれている。
大きなことができなくても、小さなことをたくさんやることで大きな結果が生まれるみたい。
デッカい広告看板は作れなくても、それを数で圧倒していく香港のチラシが好き。