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品質保証部=トラブル対応?その誤解が超キケンな理由

多くの会社で品質保証部は、どうも「問題が起きてしまった時に相談する部署」だと誤解されているようです。確かに、不良品が出たときやクレームが入ったときに、真っ先に品質保証部が駆けつける場面はよくあります。しかし、品質保証の本質を考えると、これは大きな誤解です。

1. 品質保証部の本当の役割とは?

品質保証部は、単なる「問題解決部署」ではありません。本来、品質保証部の役割は、問題が起きないように未然に防ぐためのプロセスや基準を作り、それを社内で徹底することにあります。つまり、品質保証部は、会社全体が良い製品を作り続けるための「予防線」なのです。

例えば、新製品を開発するとき、品質保証部は最初からそのプロジェクトに関わり、設計段階でリスクを洗い出し、製造プロセスに潜む問題点を指摘します。これにより、製品が市場に出る前に可能な限りの不具合を取り除くことができます。こうして、顧客に対して安定した品質を保証するのが、品質保証部の役割です。

2. 「相談しやすい部署」からの脱却

ただし、品質保証部が「問題が起きてから相談する部署」として扱われがちな理由も理解できます。なぜなら、問題が発生すると、すぐに対処しなければならないというプレッシャーがかかるからです。結果として、問題が発生した後で品質保証部に駆け込むことが多くなるのです。

しかし、これは問題の本質を見誤ることにつながります。もし、品質保証部が開発の初期段階から関与していたら、そもそも問題が発生しないようにすることができたかもしれません。品質保証部を「問題が起きてから相談する部署」ではなく、「問題を未然に防ぐために常に相談するパートナー」として位置付けることが重要です。

3. 品質保証部をもっと活用しよう

では、どうすれば品質保証部をもっと効果的に活用できるでしょうか?答えはシンプルです。問題が起きる前に、積極的に品質保証部に相談することです。具体的には、新しいプロジェクトが始まるときや、新しい製品の設計が行われるときに、品質保証部の意見を取り入れることが必要です。

例えば、ある製品の試作品が完成した段階で品質保証部に見てもらい、リスクの洗い出しをしてもらうことで、後々の大きなトラブルを避けることができます。また、製造ラインの変更や新しい技術の導入を検討する際にも、品質保証部が早い段階から関与することで、製品の品質を維持しつつスムーズな移行が可能となります。

4. 品質保証部との連携が企業の成功を左右する

品質保証部と他部署の密な連携は、企業全体の品質向上に直結します。製品の品質は、企業の信頼性やブランド価値に直結するため、品質保証部を単なる「問題解決部署」としてではなく、戦略的パートナーとして位置付けることが重要です。

品質保証部がしっかりと機能すれば、製品の品質はもちろんのこと、製造コストの削減や顧客満足度の向上にもつながります。結果として、会社全体の競争力が向上し、長期的な成功に寄与するのです。

5. 結論:品質保証部は「先手」を打つ部署

品質保証部は、「問題が起きてから相談する部署」ではなく、「問題を未然に防ぐためのパートナー」です。この認識を持つことが、企業全体の品質向上につながります。次回、新しいプロジェクトや製品開発を進めるときには、ぜひ品質保証部を最初から巻き込み、彼らの専門知識を最大限に活用してみてください。問題が発生する前に、先手を打つことができるはずです。

もっとQAがリスペクトされる日が来ますように!

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