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[mindfulness最前線no.8]企業内マインドフルネスがもたらす変容

マインドフルネスが実践者を導く先は一つ、”幸福への変容” です。マインドフルネスが習慣化され、社内文化になるまでに根付いた企業ではどのような幸福な変容が起きたのか、5月22日に取り上げたエトナを例にお伝えします。


Aetnaとは

まず復習として、エトナは総従業員約50,000人の世界的老舗大企業です。そしてこの大企業で、CEOのマーク・ベルトリー二氏自らによって、社内全体にマインドフルネスが2010年に導入されました。

マインドフルネス瞑想導入から5年後の2015年1月に大きな変容がエトナにおきます。

マインドフルネス瞑想がもたらす変容

2015年1月、マインドフルネス瞑想導入から五年後、CEO ベルトリー二氏は、エトナ社従業員でいっぱいになっている宴会場のステージの上に座り、エトナの最低賃金を時給$12から$16に引き上げると発表します。

マインドフルネスがもたらす大英断

最低賃金を引き上げることは、単純に考えれば、会社全体の純利益を減らすことへと直結します。ましてや、エトナの従業員数は50,000人。しかし、ベルトリー二氏の優先は、彼の会社の5万人近くの従業員の心身の健康を改善することを優先、選択したのです。ベルトリー二氏は「CEOが従業員をより健康にすることができれば、私たちはより健康な会社とより健康な世界を作ることができます」と発言されています。

そして、この決断の背後にあるのは習慣化されたマインドフルネス瞑想です。ご本人も「ヨガと瞑想の経験がなければ、自分の衝動に基づいて行動できなかったかもしれない」と述べられています。

ニューヨークタイムズでのインタビュー。エトナCEO、ベルトリーニ氏は自身の事故による臨死体験の後、自分の健康養生法の見直しに着手し、エトナの文化を再構築。
従業員に無料のヨガと瞑想のクラスを提供し、13,000人以上の従業員が参加している。
さらに健康保険のためにAetnaと契約している企業に同じクラスを販売し始めた。
出典元;https://www.nytimes.com/2015/03/01/business/at-aetna-a-ceos-management-by-mantra.html

制限なき波及効果

マインドフルネス瞑想には ”良いことは枠を超えて広がる” という代表的な特徴があります。企業マインドフルネスの先駆者エトナが下した大英断ももちろん、波がうつっていくかの如く影響の及ぶ範囲を広げていきました。

幸せの連鎖

エトナが最低賃金の値上げを発表してから、エトナ社に続き、大手スーパーのウォルマート、TJマックスやマーシャルなどの小売業者も最低賃金の値上げを始めました。ウォルマートは、アメリカの世界最大のスーパーマーケットチェーンで、売上額では世界最大の企業です。そして、TJマックスはアメリカのデパートチェーンで
国内最大の衣料品小売業者の1つです。

小売世界大手米ウォルマート。2020年には新規15万人採用。賞与600億円支給。Eコマース人気はアマゾン越え。賞与以外にもスタッフのための買物タイムも設定するなど、店舗運営を支えるために自分たちの買物が後回しになっているスタッフの貢献に報いる施策を行なっている。
出典元:https://sustainablejapan.jp/2020/03/22/walmart-covid-19/47503


波及効果の原点

エトナ社がマインドフルネス瞑想を社内に取り入れてから生まれた社内での変化も大きなものですが、会社を超えて生んだ波及効果も計り知れません。この現象の大きなポイントとなる原点は、CEOです。CEO自らの経験としてマインドフルネス瞑想の経験があったこと。だから、社内で導入してからしっかりと根付き、企業文化となるまでに浸透した。そして、他の大企業にも良い影響を与えるまでに至った。エトナ社のマインドフルネス瞑想習慣は、アメリカ社会にも変容をもたらしたということです。大企業で起きた最低賃金値上げの連鎖の裏にエトナあり、そしてさらにはその背後にはマインドフルネス瞑想あり。

まとめ

企業におけるマインドフルネス瞑想の習慣化は、大きく幸せな連鎖反応を生み出す。

Be Your Own Manager!

Reference:
"At Aetna, a C.E.O's Management by Mantra"
     David Gelles 2015/02/27