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ドキュメンタリー映画『その声のあなたへ』感想

声優の内海賢二さんのドキュメンタリー映画『その声のあなたへ』を見てきたので軽く感想を書きます。(リコリコの記事サボってすみません…)
※ドキュメンタリーなのであまりネタバレ気にしないでしょうがネタバレが含まれます。

声優『内海賢二』とは

内海賢二さんは既に亡くなられていますが昭和、平成を代表する大御所声優で知っている方も多いと思いますが公式HPの紹介文を引用して載せておきます。

1963年に声優デビューして以降、「北斗の拳」のラオウ役、「ドラゴンボール」での神龍役、「鋼の錬金術師」でのアレックス・ルイ・アームストロング役など長年に渡り活躍してきた内海賢二。1960年代に起きた第一次声優ブームの時代から2010年代まで活躍を続けた内海賢二は、ある世代にとっては兄弟、ある世代にとっては親のような存在として声優業界を牽引し、2013年に亡くなった際には葬儀に約700人の声優仲間らが駆けつけた。

その声をあなたへ 公式HP

映画の雑感

この映画はちょっとヘンテコな構造をしていてドキュメンタリーなので基本はノンフィクションで内海さんと親交のあった声優のインタビューで構成されています。インタビュアーはアニメイトタイムズで働く若手ライターです。実在するメディアではあるのですがそのライターを演じているのが賢プロ(内海賢二さんが立ち上げた声優プロダクション)の若手声優さんです。
この部分はフィクションになっていて架空の人物が実在の人物にインタビューしていくちょっと変わったドキュメンタリーになっています。

このキャスティングや情報は公式HPから知ることが出来ず最初の方はかなり戸惑いました。Filmarksなどのサイトのあらすじには書いてあります。

また、このライターは『魔法陣グルグル』をきっかけにアニメ業界に興味を持つ的な始まりをしますが、このグルグルのくだりは演じてる声優さんが声優を目指したきっかけになっていて、ライターのバックボーンとして当て書きで書かれた脚本になってます(うーん、ややこしい…)

ここまで来ると別に賢プロに入所した若手声優が故人である創設者の生い立ちを調べていくでも良かった気がする。

フィクションとノンフィクションが入り交じってるのでインタビューパートはドキュメンタリー、インタビュー後のオフに切り替わった途端に台本セリフが入ってくる感じになってる。
ドキュメンタリーなのにインタビュー場所のカフェには無言でご飯をたべるエキストラがいたり、特に写真を取らないカメラマンが帯同してたりと妙なノイズもある。個人的にカメラマンは要らなかったかも…とりあえずカメラ持ってきてます感だけが漂ってた。

まとめ

こういったちょっと変わった構造ではあるものの答えてる声優さんはベテランから若手までしっかりと『内海賢二』に対する想いや声優業界の黎明期から今に至るまでの事を語ってくれているため、声優業界を学ぶにおいてはとてもいい作品だと思う。
例えば少年役の多くを何故女性声優が演じるようになったのか、90年代前半の声優の給料が安い事によるデモがあったことなど普段アニメや吹き替え映画を見てるだけでは知ることがないことをこの映画を通してしっかり知ることが出来る。

ここ最近、清川元夢さん小林清志さんが亡くなったばかりだっため同世代にあたる羽佐間道夫さん柴田秀勝さんが元気にインタビューに答えてるのは嬉しかった。お2人の声はまだまだ聞いていたいという気持ちになった。

ラストにはライターさんが音響監督の三間さんのインタビュー中に涙するシーンがありますがここに嘘はないと、演技でなくリアルさを感じられるのは良かった。通夜のシーンでは自分も泣いてしまいました…

声優の歴史や内海賢二に興味のある方は是非見てみてください!全く興味ない人にはなんの事だか、フィクションとノンフィクションの境にも惑わされそうな作品だと思います。

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しょう
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