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『ハケンアニメ!』感想

GWから5本くらい映画をみて感想を下書きに書き溜めてるが全部イマイチまとまらないので多分このほとんどが世に出ることは無いと思う…この投稿くらいは書きあげたいと思うという思いで書き始めました。

note近況報告はさておき『ハケンアニメ!』を見てきた。とりあえずみんなに見てほしい!!!
みんなに見てほしいとはだいぶ釣り針が大きいが見てほしいのは確かです。この記事が100PV達成した際に1人、1000PV達成した際に10人でもいいので少しでも広まってほしいと思って書きます。

正直、邦画はあまり見てない…

ちょっと余談になりますが私は映画をそこそこ見る割に邦画実写をほぼ見ません…邦画が嫌いとかではなくスクリーン映えしそうな洋画などを優先して邦画は配信やTV放送でもいいかと思ってしまうからです。もちろん好きな作品もありますし『シン・ゴジラ』などは複数回映画館に通いました。

実際新作映画は2020年3本2021年3本2022年3本しか見てません。2022年は折り返してもないのに3本も見てるのは自分でもびっくりのペースです。
見ている映画は『前田建設ファンタジー営業部』『大怪獣のあとしまつ』『映像研には手を出すな』『狂猿』『ARASHI』など広義にとらえるとお仕事映画です。

そういった意味では『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』も日本に怪獣が出た場合を想定した政府その他関係各所のお仕事映画に近い感覚で見ています。

さて話を『ハケンアニメ!』に戻します!

ハケンアニメ!

作品概要

直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。新人監督・瞳を吉岡里帆、天才監督・王子を中村倫也が演じ、柄本佑尾野真千子が共演。「水曜日が消えた」の吉野耕平が監督を務めた。劇中に登場するアニメは「テルマエ・ロマエ」の谷東監督や「ONE PIECE STAMPEDE」の大塚隆史監督ら実際に一線で活躍するクリエイター陣が手がけ、そのキャストとして梶裕貴ら人気声優が多数出演。

映画.comより引用

映画見た時点で原作は未読です。今読んでいます。

スピンオフの『レジェンドアニメ!』も刊行されています。

ハケンアニメのハケンって何?

漢字で書くと”覇権”です。
売りスレ用語でクール単位/年間通してDVD/Blu-rayの売り上げTopの作品がそう呼ばれています(呼ばれていました)。配信が増えてきた2010年代後半からは売り上げベースで比較することは難しく形骸化してきた言葉でもあります。
Wikipediaのページは無いのでPixivかニコニコ大百科のページが良い参考になると思います。

今回の映画では売り上げよりも視聴率争いに変更され売り上げベースの話よりは少しわかりやすいようになっています。SNSでは「令和のこの時代に視聴率争いとか…」みたいな感想が見受けられますがそこはフィクションだと割り切ったほうがこの作品は楽しめるので良いと思います。
この映画はそのほかにも現実より盛りに盛った描写があるので現実と比較すると結構肌に合わない映画になります。盛り描写については藤津さんのコラムでしっかりと解説されています。

良かったところ

・真摯に仕事に向きあう姿勢が見て取れる
登場人物のすべての人が自分のやるべきことに対して真摯に向き合って仕事をしている様にかなり心をつかまれた。GW明けの五月病によく効く薬だった。作中でGWは描かれないが放送中なので休みなんてなくみんな働いてたと思うとGWだらだら過ごしてごめんなさいという気持ちです。

・アニメ愛にあふれる劇中アニメ
劇中アニメは『攻殻機動隊』や『PSYCHO-PASS』などを手掛けたProduction I.Gが行っていてその出来が素晴らしい。作者の辻村さんが映画のために両陣営2本、各12話のプロットを書き起こしキャスト陣をそろえてしっかりと作りこまれた作品です。限定版のBlu-rayなどにもう少し長い尺で収録されることを願います。

・『サバク』と『リデル』対立構図
原作では視聴率争いが無くあまり対立構図ではないとの指摘がちらほらあったのでここは映画オリジナルだと思いますがこの構図はフィクションなりに面白かったです。確かに視聴者側から見ると視聴率争いなんて…といった部分がありますが製作サイドからすると配信や円盤があるから裏番組を全く気にしないなんてことは今の時代でもないかと思います。そこをわかりやすく膨らませてくれたのは良かった。少々現代と違いすぎるので受け入れられないとこもあるだろうが個人的には好きです。

悪かったところ

・ちょっと演出が古臭く感じるところが多かった
嫌なことがあって会社を飛び出して走り始めたらスローモーションになったり、感情に合わせたように大雨が降ってきたり。閉店してる店の自動ドアにへばりついたりとなんかちょっと笑わせに来てるのか客の感情を動かしたいのか分かりづらいところはありました。

・時系列の把握が困難
本作では2022年4月から6月の2022年春クールの夕方のアニメ製作が物語の大筋だがその日程感がなかなか把握できない。全話完パケ納品でなく放送と並行しながら製作が続くのだがあまり日付などが明示されないために納期が迫ってるなどの緊張感が伝わらないところがある。
たとえば4話から11話の視聴率が一気に発表され残すは最終回の放送のみかと思ったらそこからコンテを作りなおしたり、エンディングを変えるなどと言い始める。普通に考えてあと1週間でやることではない作業だし、仮にこの作業は実は最終回放送の3週間前というなら視聴率を一気見せする演出が良くない。
視聴率の出し方はもっとリアルタイムに出したほうが視聴率がかけ離れているとき、迫ったときの現場の士気の違いなど上手く表すことができたと思う。

パンフレットが良すぎる

本作には通常版/豪華版の2種類のパンフレットが用意されています。
在庫が限られてますが是非豪華版をおすすめします。
TOKEI ANIMATIONのカット袋に通常版パンフレットと別冊で『リデル』『サバク』の設定資料が入ってます。劇中アニメでここまでやるかというようなデザイン設定やキャストのインタビュー、この1冊でしっかりとしたパンフレットとして成り立っています。

劇中に登場するTOKEI ANIMATIONのカット袋
TOKEI ANIMATIONのテープで封
リデルの設定資料
サバクの設定資料

最後に帰りにコージコーナーでエクレア買いたくなるので閉店時間に気を付けて!!!

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