🥚the monogatary #弐 | しろくま商社
#31 the monogatary | ポジティブ
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生きる。たったそれだけ。
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世の中は娯楽で溢れている。ドラマやアニメなど。そのような環境の中で、私たちは己の足跡を刻む。少しずつ。着実に。時には後退しながら。
伯父には、本当にお世話になった。私が家出をした際、誰よりも誠実に、私と向き合ってくれたのは、伯父だった。伯父の存在があったからこそ、私は生きている。
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語れば、山程ある。ミスター・ポジティブ。伯父という存在を表現するのに、これ以上の言葉があるだろうか。伯父とは何度も食事をさせていただいた。私は伯父に、何度も、幾度も、励まされた。私の伯父に対する感謝の気持ちは尽きない。
私は伯父に、何を返すことが出来るのだろうか。分からない。私の人生は、その答えを得るために、存在するのかもしれない。
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辛い日々。そのような中で、私にとって、伯父の存在は希望の光だった。私も、誰かにとって、希望の光となれるだろうか。
彼は私たちに説く。少しだけ。誰かの人生に寄り添うことが出来たら。それで充分なのである。
#32 the monogatary | 負けないよ
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今年もこの季節がやってきた。サウナの季節である。日々、野球に勤しむ中でのサウナ。至福の一時である。
竜太「光、早く行こうぜ!」
うちのショートストップ、竜太が高らかに宣言する。あぁ、きっとボクはこの為に、毎日、キツイ練習に励んでいたのだろう。
ボク「オーキードーキー!」
その返事と共に、私たちは天国へと誘われる。
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湯けむり。私たちのスパである。神奈川で暮らす私たちにとって、綱島にあるこの施設はまさにオアシス。日々の疲れを癒し、明日への活力を得る、絶好の機会である。幼なじみの私たちは、このリゾートの常連である。
竜太「しっかし、ここは変わらないな!いつ来ても、細かいところまで綺麗で…。オーナーの愛がひしひしと感じられる、素晴らしい場所だ!」
ボク「そうだね!ニ○ティのランキングでも、首位だったみたいだし。サウナブームは未だ健在だ!」
他愛もない会話。それでも。この些細な一時が心地良い。この時間が、一生続けば良いのにと、心底思う。こういう小さな幸福の積み重ねが、きっと私たちを大人にしていくのだろう。
竜太「さてさて、今日は果たして何セットになるのか…。まあ、日頃筋トレで汗水かいてる俺たちにとって、サウナなんて楽勝よ!」
ボク「何事もバランスだよ、竜太。でも…。久しぶりのスパだし、少しぐらい無理しても良いよね?」
竜太「もちろん!まあ、お互い程々に頑張ろう!」
そんな大して効果の無い口約束を交わし、ボク達はエデンへと誘われる。果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか…?
#33 the monogatary | 眠れない夜
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静寂が辺りを包む。あぁ、きっと私は、この瞬間の為に…。
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秋。穏やかな季節。その言葉には、様々な形容詞が付与される。食欲や読書、運動。月見バーガーなどは、この季節限定の食べ物なのだろう。
私の日常は変わらない。朝早くに起き、身支度を整える。電車に乗り、職場へと向かう。そんな毎日。
★★★
ある人は人生を次のように定義する。「人生とは、壮大な暇潰し」なのだと。そうかもしれない。きっと、人の数だけ、人生には色がある。ある人から見たら、薔薇色の人生に見えるかもしれない。大事なこと。それはいつだって。私の胸の中に存在する。
ジョハリの窓という概念がある。私はこの概念を、倫理という授業を通して、知ることが出来た。曰く私は、「真面目という名の皮を持った、化物」らしい。
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化物。この言葉が持つ意味は大きい。この言葉には双方の意味合いがある。例えば、YOASOBI。彼らは、私から見れば、化け物である。次々とヒット作を生む彼ら。ある人物は説く。この世の成功者は、裏で血が滲む程の努力をしているのだと。
ビッグデータ時代。スマホさえあれば、世の中における多くの情報を入手できる時代。そのような時代の中で重要なこと。それは、勇気である。その為には、きっと覚悟が必要なのだ。成功するまで、絶対に諦めない覚悟。そんな資質を備えた者が、この世を支配する。
★★★
人は、何かに依存しながら、生を謳歌する。それはお酒やタバコかもしれない。その対象は様々。
職場の同僚。その方は、野球に依存している。巷では、日本シリーズが話題である。関西ダービー。果たして、勝者の女神はどちらに微笑むのか。
#34 the monogatary | 君だけ
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あぁ、きっと私はこの瞬間の為に…。
また、この季節がやってきた。夏合宿。高校球児にとって、その数日間は地獄である。ただでさえ、日々の練習で自らを追い込む日々。そのような中での、夏合宿。地獄である。
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高校球児にとって、大切なことは幾つか存在する。その1つが食トレである。心技体。身体の健康は、己の技術、そしてポジティブシンキングへと繋がる。ゆえに。私たちは食トレをするのである。
ゆえに。メニューは必然的にバイキング。それぞれが、自らの胃と相談しつつ、バランス良く、栄養を摂取していく。辛い日々。それでも…。
★★★
人の数だけ、人生がある。昔の私は、苦しい経験をすればする程、人は成長出来るのだと信じていた。あぁ、私はどうしてこんなにも愚かなのだろう。
物事には限度が存在する。私はとっくに限界だった。私は己を偽り続けた。たとえその行いの積み重ねが、自らを破滅の道へと誘うのだと分かっていたとしても。
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『道は開ける』。この本を通して得た知識を、私は盲目的に、信じ続けた。違う道があったのかもしれない。それでも。私は無我夢中で歩み続けた。
#35 the monogatary | 復讐代行
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I listen. The day has come.
あの日を想い出す。地獄のような日々。それでも。私は己を限界まで追い込み、鍛練を続けた。
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1万時間の法則。例え素人でも、左記の時間、自らを鍛えれば、誰でもプロフェッショナルになれる。
私のキャンバスは真っ黒である。あの日から、私はこの瞬間の為に、努力し続けた。今日はその集大成。全身全霊を以て、復讐を代行してみせる。
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シャーロットと出逢ったのは…まだ私が幼い時。天真爛漫。傍若無人。それでも。彼女は誰よりも輝いていた。しかしながら。一瞬にして、その笑顔は潰される。
高嶺の花。幼馴染みであった私は、彼女とよく話した。内容はいつだって、くだらないものばかり。しかしながら。私にとって、その時間はオアシスであった。どんなに苦しいことがあったとしても。彼女の存在が、その不幸を消してくれる。
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そんな彼女に、彼氏が出来た。男子バスケ部のデューク。女子バスケ部に所属していた彼女は、必然的に、デュークとよく話した。しばらくして、2人は付き合うことになった。美男美女。とてもお似合いだと、私は思った。それでも。それは私の勘違いだった。あの時、どうして私はこの事態を防ぐことが出来なかったのだろうか。己が情けない。
時は戻らない。前進あるのみ。ゆえに。私は彼女の為、復讐を果たす。その決断に、後悔など無い。必ず、この復讐を完遂させる。それだけが、私の取り柄なのだから。
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#36 the monogatary | 最近
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The birds fly over the sky.
The sky is blue to cheer us.
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閉塞感。仕方ない。安いという理由で借りたアパート。正直、環境は最悪である。しかしながら。今は耐えるしかないのであろう。辛抱すること。それはとても辛いこと。それでも…。
多くはそれを、とても充実した期間として定義する。しかしながら。私には当てはまらない。ただただ、苦しい記憶が残っている。ひたすら、自らを偽る日々。周りに異変を感じさせない振る舞い。ひたすら仮面を被る日々。
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希望。そんな言葉とは無縁の人生。それでも。私は一粒の可能性に賭けていた。きっと、この瞬間を乗り越えることが出来れば、明るい未来が待っているのだと。それは幻想だった…。
障がい者として、この世を謳歌する。そんなことが可能なのだろうか。分からない。広範性発達障がい。それが私の診断名。多くの困難があった。きっとそれは、これからも続くのであろう。そのような中で。いかに己をコントロールすることが出来るのか。大切なこと。それは私の文脈で物事を判断すること。
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#37 the monogatary | ここで速報
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Effort. Keeping is difficult.
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大谷選手が今年、満票でのMVPを獲得した。2度目の満票MVPは史上初。ヒストリーメイカー。そんな言葉が彼には似合う。
今回の受賞インタビューには、大谷選手と共に、1匹、犬の姿が。近くには一平さん。実に彼らしい。
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つい先日、大谷さんが「全国の小学校(約2万校)に、3つ、グラブを寄付」との報道がなされた。桁違い。それでも。彼はその選択を行う。
中には、上記の行いに対して、抵抗感を見せる方もいる。こればかりは、ネット全盛の時代ゆえ、きっと防ぐことは出来ない。
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最近では、ジャ○ーズが悪い意味で、注目を集めた。著名な芸能人は、必然的に、多くの視線を集める。人の数だけ、人生がある。ゆえに。意見は異なるだろう。
何に対して、興味を示すのか。大谷さんにとって、それは野球であった。彼の献身ぶりは、至るところで発揮されている。そんな彼の歩みを、私は評価する。
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#38 the monogatary | 制汗剤
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"Applause. My effort had become true."
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球技大会。様々なスポーツを、プロや素人が共に、励む大会。私はそんな大会の、委員長である。
夏は終わりを迎える。世代交代。後輩たちに想いを託し、ロッカーを去る。3年間。濃密な時間。違った道を歩むことも出来たのだろう。環境が違えば、感じ方も違ったのかもしれない。それでも。良い経験をさせてもらった。多くの犠牲を払った。それでも。誰よりも、青春を味わうことが出来た。もし私に2度目の人生があるのなら。きっと私は同じ選択をするのだろう。
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秋が来た。学習に励む日々。筋トレに励む日々。自主トレに励む日々。苦しい。それでも。私は努力する。当時の私は、孤独だった。自宅は戦場。気が休まる場所は無かった。
普通。これほど難しい言葉が存在するのだろうか。私はただ、当たり前の幸せを掴みたかった。その夢は叶わない。それでも。私は己の道を記録する。
#39 the monogatary | 私と音楽
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合唱コンクール。また、この季節がやってきた。私たちは練習を重ねる…。
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晴れ舞台。私たちは音を奏でる。私たちは様々な感情を、音で表現することが出来る。上達するために大切なこと。それは練習すること。近道は存在しない。
学生時代。その期間は一瞬である。20代になれば、違う道程を歩む必要がある。モラトリアム。この時間を、どのように活かすのか。この時間と、どのように向き合うのか。
#40 the monogatary | ここで速報(2)
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世の中は様々なニュースに溢れている。人の数だけ、人生がある。アドラーは説いた。悩みの大半は、人間関係。それでも。幸せを享受するのも、また人間関係からなのである。
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幸せになりたい。これは、万人に共通する願いなのではないだろうか。その道は険しいかもしれない。その人生は、自らが望んだものとは異なっているのかもしれない。それでも。きっと大丈夫。そう信じてみよう。スモールステップ。未来の姿は自由自在。今のあなたは、もしかしたら行き詰まっているのかもしれない。それでも。きっと大丈夫。少しずつ。人生はいつだって、日進月歩なのだから。
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自己肯定感を高めること。ストレス社会において、これは必須のスキルである。大切なこと。己の文脈で考える。たったそれだけ。その積み重ねが、私たちを形作るのだから。
#41 the monogatary | 復讐代行(2)
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彼女との日々。それは私にとって…。
彼女はエネルギーに満ち溢れている。私とは真逆の存在。ゆえに。私は惹かれていく。
己を知ること。それは、恋愛において、とても大切なことである。己を知り、相手を理解する。その積み重ねが、良い人間関係を形作る。
『道は開ける』。カーネギーは自著において、上記の言葉を残している。果たして、彼の思想は正しいのか。分からない。しかしながら。当時の私は、その考えに従い、己に過度の負荷を与え、毎日、自らを鍛えた。そして。その先で私を待ち受けていたのは、虚無だったのである。
深海。もし私が、当時の環境を一言で表すなら、この言葉が適切なように感じる。息苦しさ。暗い感情が私を支配する。あぁ、私は笑ってはいけないのだろう。あぁ、私は幸せになってはいけないのだろう。心が黒で塗り潰される。誰にも頼ることが出来ない。孤独な日々。そんな日々に、光が差す。それが、彼女との出逢いだったのである。
#42 the monogatary | 最近(2)
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障がい者としての日々。障がい者としての人生。それは、他者を理解することから始まる。
障がい者雇用とは。それすなわち。障がい者と共に、働くということである。多動症や知的、発達。この世の中には、様々な障害を抱えた人がいる。そのような中で、私に出来ること。私が意識すると良いこと。その意味を、必死に考える。
何事においても大切なこと。それはスルースキルであり、また、自己肯定感を高めることである。一朝一夕では、進まないのかもしれない。時間がかかるのかもしれない。それでも。きっと大丈夫。そう信じてみよう。あなたの頑張りを、野球の神様は、必ず、見守っているのだから。解決には時間を要するかもしれない。それでも。いつか必ず。
#43 the monogatary | 旅に出ます
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その日々は天国。あぁ、私は何て恵まれているのだろう…。
私は本当に恵まれている。幼少期。私は多くの経験を積んだ。ある時はテニスに勤しみ。ある時は野球に勤しむ。合間に勉学。そんな日々。充実感。この感情が私を前進させる。
時には苦しみも必要。それでも。幸福感も大切。苦しみばかりの人生はつまらない。一瞬でも良い。リフレッシュ。そういう小さな積み重ねが大事。要するに、バランスである。己のキャンバスを豊かにするのに、彩りは重要なのである。
中学受験。それは過酷な日々。それでも。楽しい日々でもあった。当時の私はエネルギーに溢れていた。当時の私は何事も楽しんでいた。この世は娯楽で満ち溢れている。人の数だけ、人生がある。それでも。当時の私は充実していた。きっと、誰よりも幸せな時間を過ごすことが出来ていた。
#44 the monogatary | 微笑み
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朝練。授業。部活。その繰り返し。それで良いと思っていた。しかしながら。それは私の勘違い…。
野球部。その練習は常軌を逸する。毎朝、始発に乗る日々。片道2時間の私にとって、それは必須の行いであった。睡眠時間は通学中に確保。まともでは無い。それでも。当時の私は盲目であった…。
中学時代。私は優秀であった。年々、向上していく成績。私はテストの点数が上がる度に、自らの成長を実感していた…。
★★★
転機がある。多くの転機の中で、衝撃だった出来事。それは。母方の祖母にまつわることである…。
前兆はたくさんあった。そのような環境の中で。私が中学2年生の時。父親が家出をした。それはあまりにも突然で。私は驚きを隠すことが出来なかった。それまで。両親は頻繁に喧嘩していた。その際。私の心はいつも虚無であった。深夜に起こされることも多かった。そのような環境の中で。きっと父親は耐えることが出来なかったのだろう…。
それから。1年が過ぎた。そして。母方の祖母はある決断を下す。彼女は自らの意思で、己の人生に終わりを告げたのである…。
突然の終止符。私はパニックに陥る。なぜ彼女は、その決断を至るに至ったのか。必死に思考する。それでも。まともな答えを得ることは出来ない。それは。私にとっての過渡期でもあったのだ…。
★★★
環境とは。いとも簡単に変わるもの。私の景色は一変する。あぁ、この世はきっと、地獄なのだろう。私たちは、亡くなって初めて、天国へと至るのである…。
フリーレン。彼女たちは、天国を目指して旅をする。きっと私の人生も同じなのだろう。私もきっと、天国を目指して旅をしている。その道中で。私は多くのことを学ぶのだろう。多くの魔物と対峙するのであろう。それでも。私は歩を進める。その先に栄光があると信じて…。
#45 the monogatary | 泣いた
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『駒田蒸留所へようこそ』。私は母と共に鑑賞した。『花咲くいろは』などで知られるP.A. WORKSによる作品。早見沙織三演じるヒロインが、数々の困難を乗り越えていく物語…。
以下。本作のネタバレ(少々)となります。
かつて。駒田蒸留所には、KOMAと呼ばれる、ウイスキーがあった。しかしながら。東日本大震災の影響を受けて。駒田蒸留所はそのウイスキーの作成を断念せざるを得ない状況に追い込まれる。
ヒロインは駒田蒸留所に対して、強い親しみを抱いていた。スケッチが得意な彼女。そんな彼女は、駒田蒸留所の従業員たちがウイスキーを嗜む様子を、己のスケッチブックに記録していく。そして。その思い出が、彼女を動かしていく。
★★★
KOMAを失った駒田蒸留所は、経済的に困難な状況に陥る。ヒロインの父親はひたすらに働き、何とかして、駒田蒸留所を維持しようと奮闘する。しかしながら。その代償は大きかった…。
過労を原因として、ヒロインの父親は亡くなってしまうのである…。
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ヒロインは前を向く。「私が駒田蒸留所を支える」という強い決意。「かつての日々を取り戻す」という気持ちと共に。彼女は奮起するのである…。
笑いあり。涙あり。実にP.A. WORKSさんらしい作品である。本作の主題歌である"Dear my future"のボーカルは早見沙織さん。素敵なバラードである。
続きが気になる方は、是非、その結末を。己の目で確かめてみてはいかがだろうか?