勉強嫌いだった生徒が勉強するようになった話。
どうも。
京都府立宮津天橋高等学校 加悦谷学舎の高校魅力化コーディネーターであり、つなぐ人、長谷川です。
2021年度の振り返りを書いてから早く9ヶ月。
今年、もう3ヶ月で終わるじゃん。早いなぁ。
さて。今回は、私が密かに推している生徒A君のお話をしたいと思いまして。
タイトルに興味がある方は是非続きをお読みください。
この記事はこんな人におすすめ
勉強嫌いな生徒に勉強してもらうようになるにはどうしたらいいか、で悩んでいる人。
教育に興味がある人
偉そうに、「こんな人におすすめ」とか書きましたが、今回A君に対して私が何か働きかけをしてA君に変化を与えたわけではありません。
学校でそういう事例があって、どういうきっかけでそうなったのか、というのを記録したものになります。
Aくん人物像
入学時、成績はお世辞にもそんな良くなかった。
勉強に対してそれほど意欲的に取り組むような感じではなかった。というか、「勉強する意味がわからん」と思って小中学生の時は勉強に気合い入れず。
部活は大好き。(運動部)
A君に起こったこと&その変化
2年次に部活で部長を拝命
部長としての自覚が芽生える(部員の前で挨拶やらなんやらで、人前で話す機会が半強制的に増える)
小学生との交流で、教員になりたいという夢がぼんやり芽生え始める
「勉強が必要だ!」勉強の必要性に気づく
勉強始める(2年次後半)
大学にも行きたい気持ちが芽生える(教員になるだけでなく、スポーツも続けたいこともあって)
※ 5,6の順番は逆かもしれないです。
一番の変化
こんな感じで、彼を取り巻く環境の変化に伴い、意識が変わっていったんだけど、何が一番変わったかって、顔つきが一番変わったんよね。
直接がっつり生徒と絡む機会がなく、第2.5者くらいのポジションから生徒を見ているからこそ、生徒の変化は比較的気づきやすいんだけど、本当、彼はびっくりするくらい顔つきが変わった。
1年次の時は、なんというか、ボケ――っとした、誤解恐れずに言うと、「あんま何も考えてません」って感じの顔つきだったんだけど、部長になってしばらくしたくらいから(上の変化で言うと、ちょうど2➡3あたり)、表情が締まったんよね。表情というか目力というか。ちゃんと思考している感じがにじみ出ている感じ。
もちろん、小中学校と勉強をして来ていなかったこともあって、そんな一気に学力が向上しているかというと、そこは何とも言えない(教員ではないので、成績のことはよく分からない)んだけど、挨拶とか人と話するときの受け答えとか、かなりしっかりできるようになってるし、やることもきっちりやるようになってて、人ってこんな短期間で成長するんやな、と。
まさに、「役割が人をつくる」を体現したのが、A君だな、と。
A君の変化からわかること
A君のこの変化は環境によるところが非常に大きいと思う。けど、それ以上に、良い教員との出会いがあったから、だと思う。
部長という責任ある立場になった
夢ができた(やりたいことが見つかった)
そのためには勉強が必要だということに気づいた
という変化をみると、やっぱり、部長に任命した顧問の先生の審美眼があったからこそだよな、と。(部内で同級生は他にもたくさんいた中で選ばれている)
もちろん、その環境を積極的に受け入れて、その責任を全うしようと懸命に取り組んだA君の人柄とか、素直さがあってこそなんだけど。
勉強しなかった人が勉強するようになるきっかけ
持論であり、あるあるなんだろうけど、
① いい人との出会いがある
② 「勉強の必要性に気づく」、「勉強することが自分ごとになる」
この条件がそろったときに、勉強キライ、勉強の必要性を感じない、と思っていた人は勉強するようになるんだと思う。
A君の場合は、なりたいものができて、勉強の必要性に気づいて、勉強をし始めてる。
ちなみに、うちの町では、学生の時に起業して、こっちに帰ってきてローカルベンチャー企業を立ち上げて頑張っている青年がいるんだけど、この人も、高校の時は偏差値30で絶望的に勉強できなかったらしい。
そこからなんで勉強するようになったかっていうと、将来を考えて、「なりたいな」って思ったものあれこれ調べた結果、どれもこれも勉強できないとなれない・ってことに気づいたかららしい。「このままじゃダメだ」と思って一念発起して、その時に先生がトコトン勉強に付き合ってくれたんだと。そのおかげでめきめき成績が向上して関学に合格。
もちろん、全員が全員このケースにハマるわけではないと思う。自己肯定感を上げていくことが必要な人だっているだろうし。
ただ、今回A君の変化をまざまざと近くで見させてもらって、誰でも変わることは出来るし、その可能性は無限大で、誰にでも起こりうることなんだろうな、と。
ちょっと文章にしておきたかったので、残してみました。
高校生と関わっている人、子育てをしている人、誰かの勇気づけをしている人などなど、いろんな人にとってこれが参考になれば幸いです!