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MiiLu 1000文字ワルツ小説 作家
2022年1月21日 20:52
ちょうど終電を目の前で逃して絶望していると、掲示板に「臨時 0:45」という表示がパッと突然現れた。こんな時間まで仕事をしていた俺は疲れ果てていたため、この「臨時」を待ってみることにした。「もしかしたらこの地下鉄が俺に同情してくれているのかもしれない」なんて思いながら、充電が残り少ないスマホを、何を見るわけでもなくただ触っていた。0:45、目の前にたった1両しかない列車がやって来た。行き先
阿部凌大
2022年2月18日 14:22
山奥の田舎にあるだけでも珍しいというのに、その眼鏡屋は24時間営業だった。思えば僕の小さい頃からその眼鏡屋は営業していて、お客さんなんて時々老眼鏡を買いにおじいさんが入るぐらいで、よく潰れないものだと不思議だった。それにやっぱり24時間営業だなんて変だ。夜中にわざわざ眼鏡屋さんに行く人なんているわけが無い。 僕はこの田舎があまり好きでは無かった。高校を卒業したらいつか上京して都会で生活すること