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【読書】学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話
美術館に行くことは私の生活においては当たり前のこと。
学芸員さんというのは、直接的な知人はではないものの、私を作品世界に導いてくれる先生のような身近な存在とも言える。
じゃあ学芸員さんの仕事を理解しているかと言えば、よく知らない。
この本では学芸員さんの仕事のことや美術を楽しむ方法を、軽妙な語り口で教えてくれる。
展覧会ができるまでの学芸員さんの役目や学芸員さんの”生態”とも言える様々な行動などは、美術を鑑賞するだけの人間では知らない事ばかりだった。
例えば、展覧会のための美術品貸与に必要なのは、事務処理能力以前に人間関係が重要だという。
国宝や重要文化財ではなくとも、館が持っている作品は大切なものだ。
それを貸すからには信頼関係があるとないとでは大きく違うという。
言われてみれば、確かにそうなのだ。
ペンの貸し借りのように、万が一壊しても弁償すれば良いというものではない。
国の機関であればまた話は変わってくるかもしれないが、地方自治体や私立の美術館や博物館では、細やかな配慮が重要なのだろう。
学芸員さんが考える、美術の見方についても教えてくれる。
「アートは難しい。それは学芸員も同じ」というタイトルには、一介の鑑賞者である私も安心した。
撮影可能な作品が増えてきたことで明らかになってきたメリットやデメリットも興味深かった。
実際、撮影できるからといって作品よりもファインダーを覗くことに時間を費やすことが増えてしまうと、私自身も感じたことがあった。
私のような人間が多ければ多いほど、人の流れは滞る。
しかし撮影してSNSに投稿することで集客も増える。
そんな美術館側のもどかしさも書かれていた。
近いうちにまた美術館に行く。
この本を読んだおかげで、展覧会や作品そのもの、美術館で働いている人たちのことを、今までとは違う角度で見れる気がする。
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