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【ルックバック感想・前編】監督・押山清高は次代の高畑勲となるか
はじめに
こんにちは、眸(ヒトミ)です。
7/31に劇場アニメ「ルックバック」を観てきました!
公開からしばらくして、平日夕方からの上映だったので人がまばらだったので、ゆっくり鑑賞できて良かったです。
ルックバック、端的に言って号泣してしまったのですが、今回は映画の感想や、創作者としてどう受け止めたのか、自分なりに整理して書き出していきます。
ルックバック 原作:藤本タツキ
あらすじ
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。
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劇場アニメ 「ルックバック」についての感想
ルックバックは映画化が決定した頃に単行本を購入して、ストーリーを知った状態で鑑賞しました。
劇場アニメ版は良くも悪くも原作の内容を過不足なく盛り込んでいたので、「この後こうなっちゃうんだよなぁ……」と京本ちゃんの笑顔を見るたびに涙が出てきます……
鑑賞してる間、所々にジブリっぽいなと感じることがありました。
ジブリはジブリでも、特に「おもひでぽろぽろ」や「かぐや姫」みたいな、高畑作品のほうね。
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ルックバックが高畑作品に似ている理由
チャリを漕ぎながらその理由を考えていたのですが、「描写の描き込み量のバランス」と「音楽の緩急」が高畑作品みを感じさせていることに思い至りました。
描写の描き込み量のバランス
近年人気になった細田守監督作品「竜とそばかすの姫」、新海誠監督作品「すずめの戸締り」に比べると背景がおとなしめというか……悪く言えば地味、なんですよね。
最先端3Dモーション!!!ワァーッ!!
青空スカーーーーーーッ!!!!
雨粒キラッキラ!!!!
虹バァーーーン!!!
『世界』よ、これが日本の風景じゃい!!!!!!
そんなん 劇場アニメ 「ルックバック」にはないです。
だがそこが良かった。 だろ?
ルックバックの舞台である、山形の景色は素晴らしい。
そして山形の人たちにはそれが「日常」なのだ。映画を観ているとそんな気がしました。
劇場アニメ 「ルックバック」の作画がすごい!ことは予告編を見ても明らかなのですが、その目玉として取り上げられるのはやはり藤野ちゃんが雨の中あぜ道を跳ねるように走るところ。
![](https://assets.st-note.com/img/1722676378130-i7gFzguh1U.jpg?width=1200)
服の重み、体の重み、それを跳ね返す筋力を感じさせる描き方がす……っごい。
でも一番好きなのは二人が初めて対面して、「漫画の賞っ?!すごいすごい!見たい見たい!!」って京本ちゃんが詰め寄るシーン。
ヌルッとしてて良かった。惚れてまうやろ……
「人」が動いているな……と思わせる描き方をされていて、人の所作をリアルに捉える高畑作品にニュアンスが近いなと思いました。
おもひでぽろぽろの紅花摘みとかさ。
背景より「人間ドラマに注目させたい」という意図がそこにはあったんじゃないかな。
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音楽の緩急
音楽はドラマチックにしすぎず、ピアノで少し叙情的にするところは「THE日本映画」って感じがします。
ルックバックは創作物ですが、映画の中で「これが彼らの日常である」と感じさせるような、素朴で穏やかな音だったな。
もちろん穏やかな音だけではなく、日常では「ガーン」となることもあるだろうし、慌ただしくなることや塞ぎたいほど落ち込むこともある。
それらはやはり「人」より前には出てこない。
一貫して人を描いているんだな、この映画は。
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そんな感じで自分なりに共通点を探ってみました。
映画素人の個人的な感想なので、共感してくれる方がいたら嬉しいです。
さいごに
総評すると「ルックバック……良かった……」です。
続いて創作としてのルックバックの話をしたかったのですが、予想以上に記事が長くなってしまったので2記事に分けることにしました。
次回の記事では創作者から見たルックバックという作品についてを綴っています。
よければ~
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