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きっちゃんのつぶやき「叱ること 褒めること」

保護者の方から「褒めて育てるって大切ですよね。だから、叱らないようにしているんですよ。」という話をよく聴くことがあります。確かに褒めることは本当に大事です。しかし、誤解してはいけないのは、叱ってはいけないということではありません。

最近、「褒めて育てよ」とよく言われるようになりました。それは、褒めることが本当に子育てにとって大事だからということはもちろんですが、それ以上に、これまでは叱ることが中心の子育てになっていたからです。その理由として、上越教育大学の赤坂真二教授は、著書「自立論」の中で、もともと我が国の風土として、褒めることをよしとしない文化があることや、褒めると子どもをダメにするという伝統的な主張があるとしたうえで、そうした土壌の中で育った子どもたちの問題がクローズアップされ、叱ることが中心だった子育ての反省として「褒めて育てよ」という主張が出てきたと論じています。

しかし、赤坂教授は、最近は「褒めて育てよ」がいつの間にか「叱ってはいけない」にすり替わったように感じると言っています。

冒頭に紹介したように、「あんまり叱らない方がいいんですよね。」と叱ったことに対して、罪悪感を持ってしまう話をよく聴きます。私も、叱ってばかりではダメだと思います。叱り続けると、子どもは、まず自信を失います。もっと怖いのは叱る人と距離を置くようになります。

だからといって褒めてばかりいるのもどうでしょうか。褒められてばかりいると、それが当たり前になって褒められないと動こうとしない子どもになります。いくら好きな物でも、食べ続ければ飽きます。人は、同じ刺激に対して飽きる能力を持っています。それは、自己防衛の本能ではないでしょうか。叱られ続けた子どもが、叱られることに慣れっこになってしまうことはよくあります。同じように、褒められることに対して慣れっこになってしまったら・・・

実際には、褒めてばっかりの親や反対に叱ってばっかりの親なんていないと思います。ただ、大切なのは子どもがどう感じているかなのです。子どもに褒めることと叱ることがバランスよく届いているかが問題なのです。

子どもは思うように育ちませんから、楽しいことばかりではありません。でも、思うようにいかないからこそ、子どもの成長は嬉しく、そしてたくましく成長した姿がまぶしいばかりに感じるのかもしれません。


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