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「筋膜のつながり」から「足の経絡」について考える



こんにちは、hanaこと玻名城です。
今回も「東洋医学の捉え方」として表題について考えていきます。

前回の記事で「筋膜のつながり」から「手の経絡」について考えてみました。


前回の記事でもお伝えしましたが、東洋医学における経絡の流注は、「筋膜のつながり」と重なる部分が多くあります。

この重なる部分をみることで、気血の流れで終わらずに経絡や東洋医学を深く考えていくことにつながると思います。




1.筋膜のつながり(アナトミートレイン)

【筋膜】器官やさまざまな構造物の間に存在する結合組織で、それらの構造物を支持するとともに、互いを隔て、あるいは連結している。脂肪を含み、器官などが動きやすくするとともに、血管や神経の通路にもなっている。筋膜には、浅筋膜と深筋膜がある。

グレイ解剖学 原著第3版

解剖学の本における筋膜の説明は、上記の通りです。
復習も兼ねて、再度記載しておきます。

詳細は、前回の記事とテキストを参考にしていただきたいですが、「アナトミートレイン」という概念を知っておくことで東洋医学の経絡をより深く知るキッカケになると思います。

それでは、足の経絡と「筋膜のつながり(アナトミートレイン)」を確認していきます。



2.足の太陽膀胱経

経穴の数が最多で、臨床でも使用する事も多い足の太陽膀胱経の流注と重なるアナトミートレインのラインは、「スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)」になります。


アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版


【スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)】
足底から下肢後面を仙骨まで上行し、さらに頭蓋後面まで走り、頭頂を越えて前頭部に達する。

アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版



SBLは、趾骨底面に始まり、足底筋膜と短趾屈筋、踵骨、腓腹筋、ハムストリングス、坐骨結節、仙結節靭帯、仙骨、脊柱起立筋、後頭骨稜、帽状腱膜、前頭骨と「筋膜」がつながります。

足の太陽膀胱経の経穴と骨格筋(解剖学)との一致は次の通りです。

【腓腹筋】承筋(BL56)承山(BL57)飛揚(BL58)
【ハムストリングス】承扶(BL36)殷門(BL37)
【脊柱起立筋】膀胱経一行線・二行線
【後頭骨稜】天柱(BL10)


3.足の陽明胃経

足の陽明胃経の流注と重なるアナトミートレインの「ライン」は、「スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)」になります。


アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版


【スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)】
足趾の先端から、下肢前面まで走り、体幹を胸骨上端まで上行し、頚部側面に沿って頭蓋後面に達する。

アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版



SFLは、足趾骨背側面に始まり、短趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋、膝蓋骨下腱、大腿四頭筋、下前腸骨棘、恥骨結節、腹直筋、胸骨、胸鎖乳突筋、乳様突起、頭皮筋膜と「筋膜」がつながります。

足の太陽膀胱経の経穴と骨格筋(解剖学)との一致は次の通りです。

【長趾伸筋】足三里(ST36)豊隆(ST40)解谿(ST41)
【前脛骨筋】足三里(ST36)~下巨虚(ST39)
【膝蓋骨下腱】犢鼻(ST35)
【大腿四頭筋】髀関(ST31)~梁丘(ST34)
【腹直筋】不容(ST19)~帰来(ST29)
【胸鎖乳突筋】人迎(ST9)水突(ST10)


4.足の少陽胆経

足の少陽胆経の流注と重なるアナトミートレインの「ライン」は、「ラテラル・ライン(LL)」になります。


アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版


【ラテラル・ライン(LL)】
足底から、下肢と体幹の側面を上行し、肩関節複合体の下を通り頸部側面と頭蓋側面まで走る。

アナトミートレイン ー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版


LLは、第1中足骨底と第5中足骨底から始まり、腓骨筋、前腓骨頭靭帯、腸脛靭帯、中殿筋、大腿筋膜張筋、大殿筋、腸骨稜、上前腸骨棘、下前腸骨棘、外腹斜筋、内・外肋間筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋、乳様突起と「筋膜」がつながります。

足の少陽胆経の経穴と骨格筋(解剖学)との一致は次の通りです。

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