うまみが成り立つ条件
食事の満足につながるうま味も存在条件があるらしいお話。
66日ライティングマラソン。51日目。
今日はうま味をテーマに取り上げてつらつらと書いてみます。
本日のメニュー
スパゲティポロネーゼ(以降ボロネーゼ)、鶏肉とじゃがいものうま煮(以降うま煮)
メニューはそんじょそこらのものです。特別なメニューではありません。単品でも十分に美味しいものですが、今回は前提としてメニューごとの食材・味覚分析を先にやっておきます。
●ボロネーゼ
→トマト(酸味)+塩(塩味)+謎肉式ミンチ(うま味)
●うま煮
→鶏肉(うま味)+醤油・塩(塩味)+じゃがいも・砂糖(甘味)+にんじん(ヘルパー)
※謎肉式ミンチ…カップヌードルに入っていた謎肉の大きさのミンチ(1cm程度のダイス形)
味覚の組み合わせから見たうま味というヤツ
今日のメニューはボロネーゼがトマト系酸っぱさを主とし、それに引きずられる形で進むと予想していました。
予想通り、酸っぱさが強かったボロネーゼは、それでも謎肉大のうまみ肉が入っていたので普通に美味しくは感じました。またうま煮もご飯が欲しくなる味。
またまた異色のヤツらを一緒に食べるなんて…とお思いでしょう(笑)が、これが昼の秘かなる楽しみ^^。もちろん失敗が多いですがそこは宝探し味覚探しを楽しむと思えばなんのその。
で、結果的に今日は、うま味というヤツがどうやったら存在しえるのか?ということに一歩近づきました。
うま味だけでは存在できない
最も身近な例は味の素。これはうま味のかたまりです。
化学的にどーのこーのと言われる人も多いと聞いてますが、分子レベルでみたら天然も化学も同じのようです。そしてうま味をダイレクトに体験したければ味の素を舐めればいい。
もちろん私は子供のころに味の素の存在を知ったとき、すぐに試し舐めしました。味の素だけならば、そのときもそして今も「ん~なんだかな~オイシクナイ」の感じには変わりありません。
ところが味噌汁や玉子かけご飯などに味の素を振りかけると「これはこの世の食べ物か!?」となるくらい美味しく感じる。それが不思議で不思議で、子供のころにこれを知ったとき、どうなったかわかります?^^
はい、そうです。なんでもかんでも味の素をかけて食べる実験を続け、数日で味の素の瓶を空にしてしまい、親にこっぴどくしかられました(笑)。今思えばアホなことをしたものです。
でもそのときの体験(実験)のおかげで、当時気づいていたことがひとつありました。
それは、うま味が効く(味の素を掛けたらうま味を強く感じれる)食材と効かない(味の素を掛けてもうま味が強くならない)ものがあること。
当時は食材に味の素をかけてたので、判断対象は食材でした。
でも実はこれでは考えが浅く、食材ではなく既存の味覚(甘味、塩味、苦味、辛味)についてうま味がどう働くか?という視点が正解のようです。
うま味の存在条件
ボロネーゼとうま煮という狭い範囲だけの検証ですが、うま味が存在できる条件としては、
甘味が必ず存在していること(うま味存在条件)
そして存在できる条件があるなら、存在できない(うま味が打ち消される)条件もある。それが
酸味が存在していること(うま味打消し条件)
です。
わかりますかね?さっき単品では美味しいといっていたボロネーゼ。これは酸味とうま味が共存してるわけです。
しかし酸味が存在するからうま味はほぼ存在できない。いや、存在はできるのだけど、存在するには甘味の存在が必要。
今日のボロネーゼは甘味はほとんどなかったので、この場合はうま味がある、つまり美味しいと感じたのは錯覚に近いと思われます。
おそらくみなさまも経験あるのでは?
高そうなパスタ頼んで食べてみたけど、入ってるものも味も豪華だけど、何か物足りない。。っていうことが。
そんな時は存在してるはずのうま味が打ち消されて、うま味が存在できなくなった料理を食べている感じになってるのではと思います。
絶大なる甘味
何かいろいろ考えてきたけれど、自分が甘味を好むからなのかなぁとも思えたけれど、どう客観的に見ても甘味ってのは人間の味覚の中でとても重要な位置にいるのではないだろうか。
スイーツだって甘いでしょう?
酸っぱいだけのスイーツなんでないでしょう?(笑)
甘酸っぱいとは言うけれど、酢っぱ甘とは言わないでしょう(笑)
もう甘味というのが人類の進化の過程で「安心の役割」を担っている気がしてならないですね。
まぁ難しいことは有識者さんに任せて、甘味を大切にいろんな味覚を楽しんでいったらいいか。
みなさまも自分で作る場合は、甘味を意識してうま味を足してみてください。日本料理が世界に認められている理由には、
・日本人の分量に対する几帳面さ
・結果的にできた味覚を繰り返し試して改良する繊細さ
などがあると思います。自炊の料理はこれが試せるので、うま味を楽しむには格好の環境でしょう。
ぜひ各自で充実した「うま味ライフ」が送れるよう祈っております。
さぁ、あしたは何を試そうか。
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